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【二十四節気5】1年で最も日が長い「夏至」、夏に備えて「タコ」で準備

1年間を24の季節に分けた「二十四節気」で、麦の刈り入れや稲作が始まる「芒種(ぼうしゅ)」の次は、北半球で最も太陽が高く昼が長くなる「夏至(げし)」です。今回は、夏至の国内外のお祭りや行事食をご紹介します。日本に住む私たちは、これから一段と厳しくなる夏の蒸し暑さに備えて体調を整えたい時季ですね。一方、夜が長い北欧やロシアでは、緑が美しい夏の季節の到来が大変貴重なため盛大なお祭りとなるそうです。

 

北半球で最も昼が長い「夏至」の日から始まる節気

北半球で最も昼が長い日「夏至」は、2017年は6月21日です。二十四節気では、この夏至の日に始まる約2週間を「夏至」と呼びます。日本より緯度が高いため夜の長い北欧やロシアでは、日が長くなる夏の訪れを喜んで「夏至祭」を盛大に行ないます。北欧では、町や村の広場にモミの葉や野に咲く花で飾り付けた柱を立て、たき火をして、その周りで民族衣装に身を包んだ人々が夜を徹して踊り明かすそう。また多くの女性は花や葉で作った冠をかぶり、1年間の健康を祈ります。

 

伊勢の夫婦岩から朝日を拝む、厳かな「夏至祭」

日本での「夏至」は、梅雨の真っ最中。天気に恵まれず、日が長いことを実感しにくいですが、東京だと「冬至」と比べて4時間以上昼が長くなります。この日、国内で行なわれる伝統行事の1つに、伊勢市二見浦の夫婦岩で催される「夏至祭」があります。夫婦岩周辺は、昔から伊勢神宮の参拝を前に禊ぎ(みそぎ)を行なう浜辺として知られていますが、夏至祭では、夫婦岩の間から昇る朝日を浴びながら大勢の人が海へ入って禊ぎを行ない、心身を清めます。天気に恵まれると、夫婦岩の向こうに見える富士山の背から朝日が昇り、幻想的で厳かな光景を見られます。

 

雑節「半夏生」は、農作業で疲れた体を癒す行事食を

約15日間続く夏至の期間に、「雑節(ざっせつ)」という1年に9つある季節の節目の1つ「半夏生(はんげしょう)」があります。「雑節」は「八十八夜」や「節分」「土用」など、日本の気候風土から生まれた季節の節目のこと。半夏生は、「半夏」と呼ばれる薬草サトイモ科のカラスビシャクが生える時季で、「この日で田植えを終わらせる」という日。たとえ農作業が残っていても、ここから数日間は、疲れた体を癒した地方もあるそうです。半夏生の行事食も各地に残っていて、関西では「タコ」を食べて稲の根が8本の足のように伸びることを願い、福井では江戸時代の藩主が栄養補給のために農民へすすめたとされる「焼き鯖」を食べます。奈良には収穫したての小麦で「半夏生餅」を作って田の神に供える地域があるほか、香川では同じ小麦でも「うどん」を食べるなど地域ごとに特色があります。

 2017年の半夏生は7月2日です。

気温が高くなって起きる「夏バテ」には、「タコ」!

「タコ」に多く含まれている「タウリン」は、主に肝機能を高めることで知られています。肝機能が低下すると、暑さや寒さなどの温度変化について行けない状態になってしまうので、タコは「夏至」から「半夏生」のころの、蒸し暑さからくる疲れにピッタリ。おすすめは子どもと一緒に食べられる“ごはん系”。「タコめし」は、「タコ」と調味料を炊き込むだけと簡単で、「タコ」の旨味、醤油の風味が子どもの味覚にも合います。またトマトと合わせた冷製パスタ、ガーリックをちょっぴり効かせたチャーハンも夏に合う“ごはん系”ですね。またキュウリと合わせた酢の物やキムチ和え、タコわさなどの、あっさりメニューは夏バテでも食欲が湧くメニューです。

 

「夏至」の次は、梅雨が明けて、本格的な夏が始まる「小暑」

「夏至」を過ぎると、次の節気は「小暑」。日照時間はだんだん短くなりますが、気温はますます上昇して蒸し暑い日本の夏が本番を迎えます。だんだんと暑さも強まり、朝顔の花やアブラゼミの鳴き声に夏を感じるようになる時季です。「小暑」が始まるのは7月7日ごろで、七夕と重なることが多いのも特徴。次回は、「七夕」の行事食や夏の風物詩「ほおずき市」にまつわるお話をご紹介します。お楽しみに!

 

 

高橋尚美

愛知県の渥美半島生まれ。東京での会社員生活から結婚出産を経て、2009年に夫の実家がある岐阜市へ。几帳面な戌年の長女、自由奔放な子年の次女、愛嬌いっぱいの辰年の三女を育てる母ライフを満喫しつつ、qufourのリサーチ記事や地元で発行している食育冊子の記事を執筆しています。