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【ダウン症児と私24】発育状況が似たお友だちのいる「幼稚園探し」に
2017年 3月 29日 11:00
週2回の児童デイサービスに通い、弟と別にお昼ご飯を食べる環境ができたユキトくん。今回は、進学が難しいと言われた現在の幼稚園を辞めることになり、新しい幼稚園探しをしたときのお話です。児童デイサービスで昼食を食べられるようになったとはいえ、通っている幼稚園ではお昼ご飯がまだ食べられないため、ユキトくんは進学できないと言われてしまいました。ナナさんは、新しい幼稚園を探し始めることになりました。
ユキトくんを預けたことで、弟とママの時間をもちホッとする
Q.週に2回、ユキトくんが1人で児童デイケアサービスに通うようになり離れる時間ができましたが、ナナさんの生活は変わりましたか?
A.週に2回、朝9時から昼過ぎ15時までユキトを預かっていただいくことで、家で弟とママの時間がもてるようになり、ホッとしました。弟は焼きもちを焼いてユキトの食事の邪魔をしていたこともあり、弟だけをゆっくり甘えさせられる貴重な時間になりました。やっと子育てが回るようになったと感じられ、夜も安心して眠れるようになりました。
普通食の給食が食べられず、通っていた幼稚園を辞めることに
Q.児童デイサービスを利用しない日、自宅での食事に変化はありましたか?
A.ユキトは、児童デイサービスの職員さんが食べさせてくれると、お昼ご飯を食べられるようになったのですが、家では弟が邪魔することもあり、まだご飯を食べられませんでした。児童デイサービスのお昼ご飯が頼りという状態でした。
Q.そうなると、やはり今まで通っていた幼稚園は辞める必要があったのですね?
A.ユキトが通っていた福祉の幼稚園は、普通食の給食のみで、「柔らかい給食の提供ができないので、進級ができない」と、はっきり言われてしまいました。そこで、ダウン症の親の会で知り合った友人に相談し、別の福祉幼稚園を教えてもらいました。紹介された幼稚園は、1歳半から年長さんまでの歩けない子どものクラスがありました。さっそく、ユキトと2人で見学に行きました。
歩けない子のクラスがある新しい幼稚園を見学
Q. 見学した印象はどうでしたか?
A.今まで通っていた幼稚園の2歳児コースは、ユキト以外のお友だちはみんな歩けていたので、お遊戯などは立って行なっていましたが、見学した新しい幼稚園では座って踊ります。「お名前呼び」や「挨拶」、「歌」などのカリキュラムはだいたい同じなのですが、通っていた幼稚園ではなかった「リズム」という時間があり、音楽に合わせて体操も行なっていました。
Q.「リズム」では、歩けない子はどんな体操をするのですか?
A.子どもを仰向けに寝かせて、音楽に合わせてママが足を片方ずつ曲げたり伸ばしたりします。四つん這いの姿勢をママが支えて子どもの腕の力をつけさせたり、子どもを仰向けに寝かせて床を横にコロコロとママが回転させてあげたり、子どもの体を十分動かすことで、筋力をつけていきます。
見学では、ユキトも一緒にリズム体操を体験しました。初めての体操で、できない動きもありましたが、床でコロコロと動かしてあげるとにこにこ喜んでいました。療育内容は、「サーキット」や「お絵描き」など通っていた幼稚園とほとんど変わりませんでしたが、歩けない子どもたちだけなのでのんびりしています。
見学した幼稚園の昼食時間は?
Q. 昼食時間はどうでしたか?
A.みんなが仲良く給食を食べているのを見て、私は不安になりました。まず、ユキトはみんなと同じ椅子にじっと座っていられるかとても心配になったので、テーブル付きの椅子を持ち込むことにしました。以前買った障害児専用のテーブル付きの椅子は、ユキトの体が大きくなりもう座れなくなっていましたが、そのころは運動訓練のおかげで、普通のテーブル付きの椅子に座れるようになっていました。また、給食も食べられる自信がないので、ビンのおかゆのベビーフードとミルクを持ち込むことを了承していただき、4月からこの新しい幼稚園に通うことにしました。
ダウン症の基礎知識24:福祉幼稚園もさまざま
【ダウン症児と私18】春から幼稚園2歳コースへ、母は通園のため免許取得の基礎知識でも紹介しましたが、障害児通所支援施設は、障害の特性などに応じて日数や時間、プログラムが決められていて、定期的なモニタリングをしながら子どもたちの成長発育を支援してくれます。しかし、今回のユキトくんのように、共同生活をしている施設やサービスが合っていないと判断されてしまった場合は、施設を変える必要が出てきます。それでも、さまざまな施設があるので、ユキトくんのように新しい幼稚園が見付かることも。活用できる支援サービスを続けていくために、ナナさんのようにあきらめず、いろいろなところから情報収集をしていきましょう。