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親が便秘だと「子どもの便秘は3倍!」、親子の話題に「排便」も追加して
2016年 8月 25日 19:00
親が便秘だと、そうでない場合と比べて3倍便秘になりやすいという調査結果が発表されました。今回は、日本トイレ研究所が発表した、親と子の便秘傾向に関するアンケート結果をご紹介します。これまで「排便が3日に1度以下」だと便秘とされてきましたが、最近は排便回数だけでなく、固さ、排便の困難さなども判断材料とされるので、そのあたりの定義についてもお伝えしていきます。
便秘状態の保護者は2割強、国際定義に照らした便秘とは?
日本トイレ研究所が、小学生の子どもがいる保護者621人に行なった「親と子の便秘に関する意識調査」によると、質問に対する回答を分析した結果、保護者の26.2%が便秘状態であると分かりました。ちなみに今回の調査での便秘の定義は、機能性消化管障害(FGID)の国際的な定義であるROMEⅢを元に研究所が独自で、下記条件のうち2つ以上に合致する人を「便秘状態にある」としています。
- 排便頻度が3日に1回以下
- 便失禁がある
- 便を我慢することがある
- 排便時に痛みがある
- 便が硬い
- トイレが詰まるくらい大きな便が出る
便秘でも自覚があるのは3割、そのうち6割は1年以上前から
次に、便秘状態に該当する人へ、自覚があるかを尋ねると、便秘であると思っている人は30.8%だけだったものの、この3割のうち64.2%の人が1年以上前から自覚していたと回答。自覚がある人の場合、半数以上が長期間の便秘状態にあることが分かりました。
便秘状態で困ること1位は「イライラする、気分が優れない」
また、便秘状態にあり自覚がある人を対象に、便秘になって困っていることを聞くと、70.7%の人が「イライラする、気分がすぐれない」と回答し、最も多い回答となりました。続いて「腹部が張っている(69.1%)」「排便に時間が掛かる(65.9%)」「腹部に不快感が残る(65.0%)」「排便時に痛みがある(52.8%)」「肌荒れがある(52.0%)」「腹部に痛みがある(39.8%)」「物事に集中できない(38.2%)」「食欲がなくなる(36.6%)」と、不調を始めさまざまな不快感があることが分かりました。
便秘の定義は「排便の頻度」だけじゃない!知らない人6割
次に、「便秘とは『毎日排便がない、または排便の頻度が少ない』ことだけではないとを知っているか」と聞いたところ、6割の人が「知らなかった」と回答しました。実は、便秘の判断規準や定義は、日本内科学会、日本消化器病学会、国際消化器病学会など学会ごとに異なります。定義の統一はなかなか難しいようですが、最近は排便回数だけでなく、固さ、排便の困難さ、残便感なども判断材料とするのが国際的な傾向です。
親が便秘だと、そうでない場合と比べて3倍便秘になりやすい
また全保護者の子どものうち、16.6%が便秘状態とも分かりました。さらに、親が便秘状態かで分類すると、親子とも便秘なのは32.5%、親が便秘でなく子どもが便秘なのは10.9%で、約3倍という結果になりました。家庭内で共通する生活習慣や食事の内容などが、親子の便秘状況に影響する可能性が伺える結果となりました。
親子で、4割が排泄有無の会話を、3割が便状態を共有している
最後に、普段から家庭内で子どもと「うんちや排泄」の話をするか尋ねたところ、「話している人」が45.8%、「話していない人」が36.8%と「話している人」の方が多いことが分かりました。一方、子どもの便の状態をチェックしているかを尋ねると、「チェックしている」が35.4%、「していない」が51.8%となり、「チェックしていない人」の方が多いことも分かりました。
まとめ
排便は、日常会話に上がりづらいテーマでもあるので、食や運動に比べると情報も少なく、親の知らぬ間に子どもが便秘に悩んでいる可能性があります。便秘による不調や不快感は、親だけでなく子どもにも当てはまるはずなので、子どもが「落ち着かない」「イライラしている」「怒りっぽい」などの要因に「便秘」が隠れている可能性も。子どもたちの快便をサポートするためにも排便に関する知識を身に付け、排便状況が重要な健康のサインであることを、家族みんなで共有しておきたいですね。
◇保護者が便秘傾向にある子どもはそうでない子に比べて3倍便秘傾向にあることが判明!小学生の子を持つ保護者621名対象に「親と子の便秘に関する意識調査」を実施(日本トイレ研究所)
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000019684.html