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【栄養士まなさん節約レシピ21】「給食献立表」活用で、献立作りが簡単に
2016年 8月 1日 06:30
幼稚園・保育園や学校で毎月配られている「給食献立表」、なんとなく眺めるだけになっていませんか?実は、給食献立表は、毎日のレシピに役立つ情報の宝庫なのです。今回は、「給食の献立表」を献立作成の武器にする方法についてご紹介します。管理栄養士が立てたバランスのよい献立表には、組み合わせのヒントがたくさん。自治体によってはホームページで閲覧することもでき、子どもたちに人気のレシピや郷土料理のレシピなども掲載されています。ぜひ活用してみてください。
給食献立表のメニューなら、簡単に栄養バランスも取れる
私が住んでいる岡山市では、小中学校の献立表が市のホームページに公開されていて、誰でも閲覧できるようになっています。6月の献立表を見てみると、左から順に、献立名、主要材料、栄養価が記載されていますね。主要材料の分類は、子どもたちにも分かりやすい「三つの食品群」で、栄養価はエネルギーとタンパク質量が記載されています。この三つの食品群をバランスよく取ると、食事の栄養バランスも整うようになります。
◇参考資料:岡山市小学校献立表 6月
http://www.city.okayama.jp/kyouiku/hokentaiikuka/hokentaiikuka_00003.html
前月の献立表を捨てないで!週末買い出し前の参考に
献立表は、冷蔵庫などに貼っておき、新しい物が来たら入れ替えているご家庭が多いと思います。入れ替えるときに、過去2カ月分程度をクリアファイルで保管しておいて、献立作成の参考にしてみましょう。学校給食の献立は、栄養バランスを考えて、具だくさんのレシピが多くなっているので、非常に参考になるのです。自治体のホームページで過去の献立が見られるなら、それを利用してもいいですね。
お昼に使っていない食材で、夕飯の献立を考える
もちろん、当月分の献立表も、昼と夜のメニューがかぶらないように、週に一度はチェックしておきましょう。「おかあさん、お昼もカレーだった…」なんてことがないようにしてあげてくださいね。そのほか、麺類かぶりや、主材料かぶりも避けてあげたいポイントです。逆に考えると、お昼に使っていない食材と調理法で夕飯の献立を考えるとよいということになります。我が家では、夫の会社の社員食堂に献立予定表がないためメニューの予測ができず、以前は高確率でカレーがかぶっていましたが、現在はカレーを月2回の週末メニューに固定することで回避しています。
給食のメニューをそのまま、ほかの家族のお弁当に
家族に給食を食べておらず、お弁当が必要な方がいる場合は、思い切って給食の献立をお弁当のおかずのヒントにするのもよいアイデアです。この場合はメイン材料・調理法・味付けなども、可能ならそのままスライドさせてしまいましょう。上の写真では、ひとつの例として6月1日の献立と、それをアレンジしたお弁当メニューをご紹介しています。この場合、前日の夕ごはんのおかずに魚の唐揚げか南蛮漬けを作っておくと、朝の仕事がさらにラクになりますね。
給食献立表を参考にすることで、栄養バランスも整う
学校給食の献立は、県や市の学校栄養職員である管理栄養士が作成しているので、食材の種類、味付け、栄養バランスについても安心してお手本にできます。主菜と副菜の「黄金コンビ」のヒントにもなることでしょう。いいなと思った組み合わせは、我が家定食の献立に採用してみてくださいね。
◇【栄養士まなさん節約レシピ19】「我が家定食」で献立作りから解放・1
参考にしたいレシピ1:具だくさん麻婆ナスとバンサンスー
岡山市の小学校の6月の給食献立表からいくつか、参考にしたいレシピをご紹介します。6月8日の献立は、ごはん、牛乳、麻婆ナス、バンサンスー(春雨サラダ)です。主要食材を見てみると、麻婆ナスには「ナスとひき肉」だけではなく、タケノコや厚揚げも入った具だくさんになっていて、育ち盛りの子どもたちへ配慮されています。玉ネギなどを足してさらにカサ増しすると、夕食のメインにも十分なボリュームになりますね。バンサンスーは、春雨にキュウリ、ニンジン、コーンなどを加えて色とりどりにしましょう。暑い夏なので、香りや酸味の効いた中華ドレッシングやポン酢でさっぱりといただくのがいいですね。好みでかきたまスープを添えてもいいと思います。
参考にしたいレシピ2:作りおきOK!「大豆のいそ煮」
6月13日の献立から、大豆のいそ煮をピックアップしてみましょう。定番ひじきの煮物に、大豆、牛肉、インゲン、シイタケ、ゴボウ、ジャガイモを入れてボリュームアップ。立派なメイン料理に格上げです。また煮物は、多めにつくって冷凍保存するのがおすすめです。前回ご紹介した混ぜごはんの具にも使えますよ。なお冷凍保存する場合は、ジャガイモを抜いて作って下さい。ジャガイモは冷凍するとスが入ってしまい、食感が悪くなってしまいます。
参考にしたいレシピ3:コーンピラフ&タンドリーチキン
6月16日のメニューは、子どもも大好きなコーンピラフ、タンドリーチキン、野菜ソテーの組み合わせです。どれも手間がかかっているように思えますが、事前準備さえしておけば、当日はそんなに時間のかからない黄金コンビ候補です。コーンピラフは炊飯器で作れますし、タンドリーチキンはあらかじめ下味をつけて冷蔵庫に入れておけば、当日は焼くだけ。野菜ソテーも、週末に切って冷凍しておいた野菜を使えば時短調理で3品出来上がります。
タンドリーチキンの作り方
鶏ムネ肉2枚は味を染み込みやすくするために、皮にフォークなどで穴をあけ、身は観音開きに開いて厚みを均等にします。食べやすい大きさに切り、肉の重さの1%の塩、酒・レモン汁各大さじ2を馴染ませてしばらく置き、すりおろし玉ネギ1/2個分、ニンニク・ショウガ適量、カレー粉大さじ1、ヨーグルト150gを混ぜたものをまぶしてジッパー袋に入れておきましょう。好みでパプリカや一味唐辛子などを加えてもいいです。丸一日以上漬け込んでおくと味が馴染みます。チルド室で3~4日は保存可能です。焼くときには、クッキングシートを敷いたフライパンを使い、弱めの中火でじっくり焼いてください。
下処理した野菜を活用するコーンピラフと野菜ソテーの作り方
タンドリーチキンと組み合わせるのは、炊飯器にお任せの炊き込みピラフ。週末にみじん切りして冷凍しておいた野菜ミックス(玉ネギ、ニンジン、セロリ)を利用します。これにトウモロコシ、顆粒コンソメとバターを入れてお米と一緒に炊くだけですが、野菜を刻みたくないときや、新鮮なトウモロコシが手に入ったときは、シンプルにトウモロコシだけの炊き込みごはんでもよいと思います。付け合せの野菜ソテーには、週末に切って生のまま冷凍しておいたキャベツ、ニンジン、キノコなどを使います。冷凍野菜は解凍せず、そのまま炒めるのがポイントです。
まとめ
学校給食の献立は、食事と栄養のプロである管理栄養士が立てています。食材や料理の組み合わせ、栄養バランスという観点では、非常に役に立つことをお約束できます。ぜひ参考にしてください。