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【整理整頓を始めよう38】維持費から考える「お客様用布団」処分の是非

湿気が溜まりやすく、換気もしにくい梅雨時期に見直してみたいアイテムの1つが「お客様用布団」です。今回は、使用頻度が低いのに、なかなか処分に踏み切れない「お客様用布団」について考えてみます。前回の「『もったいない』という言い訳が、もったいない!」にも書いたように、「もったいない」を言い訳にしてお客様用布団の処分を先送りしている人は、「もったいない」を封印して処分する対象にしてみてはどうでしょうか。

 

大事な収納スペースが犠牲になっていませんか?

ご自宅が大きくて収納スペースもたっぷりあり、片付けに困っていなければ、お客様用布団について見直す必要はありません。でもそんな人は少数派じゃないかと思います。ほとんどの人は、2組程度のお客様用布団のために、押入れやクローゼットのかなりのスペースを犠牲にしています。「犠牲だなんて大げさな!」と思われるかもしれませんが、年に1〜2度使うかどうか、もしくは何年も使っていないという人は、使用頻度に見合わない貴重な収納スペースをお客様用布団に割いているのです。月に1度は誰か泊まりに来るという人も、年に12日間のために、残りの353日を犠牲にしていると言えます。

 

お客様用布団だから、メンテナンスの手も抜けない

普段使っている布団を天日干ししていても、お客様用布団を定期的に干している方は、果たしてどれくらいいるでしょうか。押入れやクローゼットに入れたままのお客様用布団は、使っていなくても押入れ内の湿気を溜め込んでいます。ひどい場合にはカビやダニが発生するので、お客様用布団も定期的な天日干しが必要です。宿泊客があると分かれば、事前に布団を干すでしょうし、帰られた際はシーツを洗い、また布団を干しきちんと畳んで収納するわけですが、結構な手間がかかります。繰り返しになりますが、年数回のために、この手間が見合うかどうかも考えてみてください。

 

収納をお客様用布団が占領、床に収納家具がひしめくお宅

「なくなると困ることがあるかもしれない」「嫁入り道具として親に買ってもらったので捨てにくい」「もったいない」などの理由を付けて、多くの人は両親や来客のためにお客様用布団を用意しています。私の知人宅では、年に1〜2度泊りに来る義父母のために寝室クローゼットの大半にお客様用布団を収納していて、肝心の自分たちの荷物が入りません。そのため寝室には3つの収納家具がひしめき合い、床にも物が置かれ、身動きの取れるスペースが1メートル四方くらいしかありません(笑)。2面採光ながら収納家具が邪魔をして窓も1カ所しか開かず、暗く衛生上好ましくない寝室で1日の4分の1を過ごしています。客観的に見ると、なんだかもったいないですよね!

 

お客様用布団がない生活

アドバイスをする方には、犠牲スペースや維持費を考えると、お客様用布団をもたない選択をおすすめしています。大事なお客様が来るときは、事前にレンタルを利用すればいいのです。とは言え、突発的に「今日泊まっていけば?」という状況が生まれることもありますよね。でもそういう相手はだいたい親しい友人と決まっているので、ソファーで寝てもらい、家族の掛け布団を貸し、家族は肩を寄せ合って寝れば解決します。ソファーがない我が家は、寝袋を使ってもらっています。寝袋なら布団より収納スペースが格段に小さくて済みますし、ちょっとした室内キャンプのようでもあり、親しい友人なら受け入れてくれます。

 

お客様用布団の隠れた維持費を考え、すっきり生活を目指す

賃貸にしても自己所有にしても、住まいのお金は生活費のなかでもっとも大きな出費です。見えなくても、お客様用布団を収納しているスペースには、リビングスペースと同じく維持費がかかっています。さらには、入りきらないものをしまう収納家具の購入費用を支払っている人も。使用頻度が限りなく低いお客様用布団にかけている見えない維持費を、お客様用布団のレンタル料という見えるお金と比べると、実は差引ゼロか、もしくはレンタルの方がお得かもしれません。

お金の損得問題だけでなく、歩けばものにぶつかる空間から解放され、すっきりした空間で暮らす方が、毎日小さな幸せを感じられるはずです。毎日のちょっとした幸せが自分の人生を作るのです。

 

 

Be Present代表 尾井理恵

ヨガ、整理整頓、ベジ和食のレッスン、コンサルティングを行う「Be Present」代表。横浜市在住。整理整頓のアドバイザーとして各地で講演、個人宅でのコンサルティングを行っています。また、自宅兼スタジオおよびスクール講師のほか、定期的にヨガ、料理教室のイベントを開催しています。Facebookはこちら