老師オグチの家電カンフー

カード型AIボイスレコーダーNotta Memo、カバン入れっぱなしで使えて不満も解消!

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
Notta「Notta Memo Pro」。本体サイズは77.2×56×3.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量30g。マグネットケースに入れた状態でも薄いので、普段からこの状態で持ち運んでいる

これまで、取材用として数多くのレコーダーを使用してきました。カセットテープレコーダーに始まり、DATやMD、そしてICレコーダーと時代ごとに録音方式が進化。最近は音声を自動で文字起こしできるAIボイスレコーダーにシフトしています。会議などの記録を要約することもできるため、一般のビジネスシーンにも広く普及してきました。

AIボイスレコーダーの中でも人気なのは、カード型です。財布や名刺入れなどに入れられるほど薄く、スマホの裏側に貼り付けることで通話内容も録音できるのが特徴です。

マグネットケースに入れればスマホの背面に貼り付けて携帯・使用できる。一般の録音モードと、骨伝導マイクを使ってスマホ通話を録音するモードは、自動認識されるように進化している

その最新製品「Notta Memo Pro」をしばらく試用する機会がありました。結論から言うと、ようやくカバンに入れっぱなしで運用できるカード型AIボイスレコーダーが登場したなぁという感想です。というのも、カード型は薄型で持ち運びしやすい一方で、主に3点のデメリットが存在していました。

まずは充電方法です。本体が薄いため、多くの製品では専用ケーブルやアダプターが必要でした。その分かさばりますし、紛失すれば再購入しなければなりません。

2点目は画面表示の貧弱さ。従来のICレコーダーであれば当然であった録音中や経過時間の表示が省略されている製品が多い。そのため、本当に録音できてるか不安を感じていました。

3点目は、同期の手間です。従来モデルのNotta Memoはアプリを開いて手動で転送する手間がかかっていました。

これら3点のデメリットが、「Notta Memo Pro」では解消されています。まず充電方法ですが、本体にUSBのType−C端子を備えています。充電ケーブルをスマホやPCと共通にできるので荷物を減らせますし、気がついたらすぐに充電できます。なにより専用ケーブルを紛失する不安からも解放される。ちなみに、充電しながらでも録音できるので、よっぽどのうっかりさんでも、バッテリー切れで困ることはないでしょう。

薄いのにUSB Type-Cポートを搭載。スマホなどとケーブルを共有でき、モバイルバッテリーで充電可能
移動中に本体をカバンに入れたままでもアプリからバッテリー残量を確認できる

画面表示ですが、0.95インチのカラーOLEDディスプレイを搭載。録音ボタンを長押しすると録音が開始され、赤丸と「REC」の文字、時間経過が録音中は常に表示されます。ちょっと気に入ったのは、録音開始時にアナログテープを模したようなアイコンが回転すること。AI時代に評価されるアナログ表示! デジタルネイティブ世代には伝わらないかもですが。

録音が開始されたときの画面。RECや録音時間は継続して表示される。バッテリーの残量やWi-Fi、Bluetoothへの接続状況も一目瞭然

同期問題も改善されました。登録したWi-Fiのエリア内に入ると、本体から自動的にクラウドに音声がアップロードされ、文字起こしデータが作成されます。レコーダー本体はもちろん、スマホアプリでの操作も不要で、直接パソコンから作業に入ることができます。

「自動クラウド同期」を設定すると、手動で操作することなく録音データがアップロードされ、文字起こしまで完了する。Wi-Fiは最大3カ所まで登録できる
スマホでもPCでも、アプリやブラウザを開いたときには文字起こしが完了されており、すぐに作業に移れる

これらの改善により、ちゃんと録音されているかの不安が解消され、本体をカバンの中に入れっぱなしにできるようになりました。入れっぱなしにしておけば、レコーダーを忘れることがなくなり、突発的な取材や会議にも対応できます。

文字起こしや要約機能といった録音後のメリットで注目されがちなAIボイスレコーダーですが、レコーダーとしての使いやすさも完成度が高まってきました。あとはライターの仕事がなくならないように、AIがこれ以上進化しないことを祈ります。まあ無理だろうけど。

録音中にボタンを押すと、その時間がブックマークとして記録される
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>