老師オグチの家電カンフー
息の詰まる毎日にサヨナラできるかもしれないデバイス「Spire」を買う
2018年1月24日 07:30
あーもう、息が詰まるような生活だ。そう感じているなら、実際に呼吸は浅くなっています。人間、緊張することで呼吸が浅くなり、血液中の酸素が減るので効率が下がり、さらにイライラしてしまう。そんな悪循環が起こりがちです。海外のリゾート地にでも出かけてリラックスできればいいですけど、そんな時間的余裕がないから息が詰まってるんですよ!(怒)
というわけで、呼吸をトラッキングし、リラックスや集中状態に誘導するデバイス「Spire」を購入してみました。
以前、脳波をモニターするデバイス「Muse」を紹介しましたが(脳をサル状態からヒトに戻す、孫悟空のヘッドバンド)、あれは頭に装着し、音声でフィードバックする仕組みのため、日常生活でずっと着け続けるわけにはいきません。「Spire」はスマホに専用アプリをインストールし、ペアリングするタイプのガジェットです。コンパクトで、ズボンなどに装着するので、仕事中でも問題なく使えます。
「Spire」は呼吸の深さや回数、身体の振動を検知し、「Calm(平穏状態)」「Focus(集中状態)」「緊張状態」「アクティブ」「座った状態」の5つに分けて時間を記録していきます。「アクティブ」では、歩数や消費カロリーも記録され、ちょっとした活動量計としても使用できます。
そして、呼吸が浅くなる、緊張状態が続く、座りっぱなしなどの状態が続くと、振動して知らせます。と同時に、スマホには内容の通知が届きます。腰に振動を感じるこの感覚、何かに近いと思いましたが、ポケベルですね。お若い人には伝わらないでしょうが。
いずれにせよ、通知で自分の状態がわかるので、「深呼吸でもして落ち着こう」「お茶でもいれるか」「ストレッチするか」などと対応ができます。
使っていると、日常生活の些細なことがストレスを生じさせていることを実感します。ネットのニュースや仕事のメールを読んでいる時、嫌なことを思い出した時、そして原稿を書いているときも、たまに緊張しているようです。
自分の緊張状態に気づくことは意外と大事で、世の中を騒がせるような殺人事件も、怒りや苛立ちが膨れあがった結果、感情がコントロールできなくなって起きると思うんですよ。あの人達も、誰かがストレスに気づいて「まー、お茶でも飲もうよ」と言ってくれれば、事件にならなかったんじゃないでしょうか。まあ、たいがいの人は事件にまで発展しませんが、ストレスが大きくなった結果、仕事でブチ切れるぐらいは誰にでも起こりえますよね。
まだ使い始めて2週間ほどですが、ストレスをこまめに検知することで意識的にリカバリーしやすくなった気がします。仕事中の「もう嫌だ、酒飲みに出かける!」「昼寝する!」「ネットで買い物してやる!」といった衝動的な行動は結構抑えられています。
しかし、前から気づいてはいましたが、普段まったく運動しておらず、イスの置物状態になっていることも、改めてアプリで視覚化されました。気がつけば、まる4日間家から出ていません。酒でも飲みに出かけますか。