藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

“推しごと”にもぴったり? ハンディファンの意外な活用法

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
リズム「Silky Wind Handy Fan S(シルキーウインドハンディファンエス)」

一昨年、筆者は生まれて初めて、いわゆる……「応援うちわ」を作った。「応援うちわ」というのは、アイドルなどのコンサートに持ち込む、応援メッセージや想いを綴った(?)推し活グッズである。わが家では筆者と末の娘(当時小3)の推しが被っており、その夏のコンサートツアーにも母子でいそいそと赴いていた。まだコロナ禍前の、暑い夏のことである。

近所の100均に手作りうちわグッズがあると知り、カッティングシートなどを駆使して2人でなんとかかんとか作り上げた推しうちわ……。ストラップで首からペンライトと一緒にぶら下げておくと両手が空く上に、暑さを紛らわせることもでき、現場ではまったく実用品であった。

とはいえ、普段の暮らしで「うちわ」を持ち歩くことというのは、ほぼ現実的ではない。だが代わりに「扇子」というものがあり、ちょっとしゃれた扇子でもこれまた100均での購入が容易い。国産などにこだわり、素敵な商品を探し歩く楽しみもある。

そう、正直、「扇子があるから必要ない」と長らく思い込んでいたグッズが、今回ご紹介する「ハンディファン」と呼ばれるミニ扇風機の類なのである。「扇子か、ハンディファンか」という単純な2択で捉えていた。しかし使ってみてわかった。それは筆者の間違いだった。

扇子があるからいらないと思っていたが……

暑さを感じる環境下では、私たちの皮膚近くの末梢血管が拡張して、身体の熱を外気に逃がそうとする。このとき「風」が皮膚に当たることで汗の蒸発が促され、体温が下がっていく。自明のしくみである。

ところがうちわや扇子で風を作り、自ら扇げる範囲というのはせいぜい顔や首にとどまる。かつて授業中スカートの中を下敷きでバサバサと扇ぐ女子高生などがいる環境に暮らしていたこともあり、あれも理論的には正しいのだが……大人になるといかな家庭内でもあの実行は難しい。

しかしご存知だろうか? 「ハンディファン」を使うと傍目に密やかな部分にも、スマートに「風」を当てることができるのである……。しかも安定的、恒常的に風を当て続けることができるのだ。このワザ、扇子では決して真似できない。そうしてやってみるとわかる。そのように籠った箇所にこそ風が当たると、ものすごく、涼しいのだ……。

現況、筆者は同類の他製品との比較をしていないので、この商品ならではの利点というものは挙げることができない。しかしサイズ感、頑強さ、充電のラクさ等鑑みて、今年の夏はこのハンディファンを、扇子と一緒にいつもかばんのなかに入れておく所存でいる。

ちなみに当商品、手持ち、4段階調節スタンド利用可能なほか、本体にストラップ穴も設けられているので、うちわ代わりに首から下げることも可能である。まあ、推し活にはならないけれど……。

かばんのなかに入れやすいコンパクトサイズ
藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。