ぼくらの自由研究室

【我が家のリフォーム大作戦】その3:水周りのリフォーム業者選びに迷うの巻

「我が家のリフォーム大作戦」第3回目です。私、イラストレーター・キタ大介の自宅のリフォーム事情のリアルなお話。もともとおフロの水漏れ修理をしたかっただけなのに、リフォーム業界の常識と妻の思惑に振り回されて、あれよあれよと水周りすべて(キッチン、おフロ、トイレ、洗面台)をリフォームすることに……。貧乏イラストレーターの私にとっては、顔面蒼白の大事件です! ついに恐れていたことが現実に! 修理どころか大工事が我が家で始まってしまうのです……。

ということで、イラストのタイトルを「水周りのリフォーム」に変更しました

そして、いよいよ絶対に失敗できない業者選びが始まります。一円たりともムダにできません。前回お伝えしたように、大手業者と地域密着型業者で金額が100万円近く違うのです。

私は安い業者を選びたい! でも残念な思いはしたくない。その一方で、妻の夢は膨らむばかり……。いろいろな気持ちに翻弄されながら、4社に見積もりを依頼することにしました。

まずは大手業者のA社。金額が高いのになぜ? と思うかもしれませんが、安い業者とどんな違いがあるのかを確かめたかったのです。もし、安い業者だけの中から業者を決めたら、じつは後から高額になったり、だまされたりすることがあるのかも、と疑ったからです。だって100万円も違うんですから。

A社の担当営業さんが見積もりに訪問しました。いろいろ話を聞きましたが、大手ならではのメリットをあまり聞くことができませんでした。ハッキリしたところは、とにかく大手業者は「メーカー保証」があるということでした。

たまたまだったと思いたいですが、その担当営業さんは、約束した時間に遅れたり、安い業者を少し悪く言ったり、見積もり作成に時間がかかりました。わざわざ見積書を持参してくれましたが、それよりは早く見積もり金額を知りたかったです。A社の印象は結果的には「う~ん……」とイマイチな感じでした。

続いては、地域密着型業者のB社。といっても、B社は我が家の近所ではなく、他県の業者。ホームページでの表示価格がとにかく安かったのです。こちらは家族経営っぽい感じで、見積もりを取る際には営業さんでなく、実際に工事をする職人のおじさん(おそらく社長さん)が訪問。

B社のおじさんはとても親切で、リフォームについてアレコレ教えてくれました。そのおかげで、私は工事の費用以外にもかかる経費があることを初めて知ります。たとえば、集合住宅の工事では、搬入出で通路やエレベーターを傷つけたり汚さないために養生をするので、その費用を負担すること。ただし、実際の現場を見ないと見積もりが出せないため、プラン価格には含まれていません。また、運搬と作業員の移動用のクルマの駐車場料金も負担します。こちらも工事期間が決まらないと出せない金額です。

ですが、B社の親切なおじさんは、なんと、それらを無料でサービスしてくれるというのです。「えっ!? もともと大手より安いのに、さらにサービスしてくれるの!? 嬉しすぎる!」と私のB社に対する気持ちが急上昇! 見積書に関しても比較的早く届きました。プリントしてもらわなくてもメールで十分。

融通も効きそうなので“期待大!”でしたが、「マンションの構造がわからないので、工事を始めて配管などを見てみないと追加でかかる費用がわからない」という話をされてしまいました。実際に工事が始まってから請求金額が高くなったら嫌だな……という不安も少しあります。

そして、個人経営という感じのC社。ホームページには経営者の顔写真が載っており、“私が責任もってやります!”と安心感をアピールしている印象でした。見積もりには、その写真の経営者が訪問。こちらも安い!ただし、もしかしたらすべてを一人で担当しているのではないかと思うくらい、電話をしたらその経営者が必ず出ます。

メールで見積書が届いたので、B社のサービスと同条件でやってくれるか質問してみました。C社のほうが近所なので、同条件でお願いするなら近所のほうがいいかな、と思ったのですが、その後はまったく返事なし。待てど暮らせど返事なし。やっぱり一人でたいへんなのかな……。う~ん……。ここでC社が脱落します。

最後は、マンションの管理人さんから紹介されたD社。私は日ごろから管理人さんが紹介する業者を少し疑っていました。じつは今まで電気修理や水漏れ修理で紹介してもらった業者が割高だったから。管理会社と提携しているのか、紹介する業者が決まっていて、とくにサービスも良くないし。リフォームとなると高額になりますし、自分で吟味したい気持ちが強くなっていました。

とはいえ、比較検討するために、いちおう管理人さんにも「リフォーム業者を紹介してもらえますか?」と聞いてみると、そんな私の気持ちが顔に出ていたのか「管理会社の提携だと高いから、ここに聞いてみるといいですよ」と予期せぬ回答が! そこは「ウチのマンションで何度もリフォーム工事をしている業者」だそうです。しかも安い!

地域密着型っぽいD社ですが、見積もりにはスーツ姿の営業さんが訪問。そして、気持ちが傾いていたB社とほぼ同じやすさ価格でした。無料サービスも同条件。

「壁を壊してみないとわからない」という業者とは異なり、このマンションを何度も工事しているので状況を把握しているので心強いです。そして、ちょっとさわやかな好青年。見積もりで不安なことをアレコレ質問していると、「大丈夫ですよ! ウチは一度見積もりをお出ししたら、それ以上は一切いただきませんから」と。

そう! そうなんだ!! その言葉が聞きたかったんだ!!! どの業者も言ってくれなかった「安心のひと言」が欲しかったんだ!!!!これまでの業者でなにか不安が残っていたのは、このひと言がなかったからだと気づきました。

業者が決定しました。もちろん、安さが一番なのは変わりませんが、それと同様にこちらの不安をきちんとわかってくれることです。最後は営業さんの人柄で決まりました。管理人さん、疑っていてすみませんでした!

さらに、マンションの構造を初めから知っているということも決め手となりました。ほかの業者では、壁を壊して壁紙を張り替える話まで出ていましたが、D社の場合はそれが不要だと把握していました。マンションの構造上、使えないメーカー商品なども詳しく聞くことができます。また、「トイレのリフォーム中にトイレはどうするの?」といった素朴な質問をしても、マンションの集会室のトイレが利用できることなどを教えてくれたり、住んでいる私よりも詳しいのです! そして、何度も言いますが、何より安い!!

業者が決定してホッとしたのもつかの間。安い業者が見つかったのをいいことに、妻がうれしそうにメーカーカタログを見つめています。その視線の先には……、な、なんと、グレードが高めのキッチンが載っているではないですか! キッチンのことは見なかったことにしよう……。

ちなみに今回のプランでは、食洗機がついているようです。次回は、実際に安いプランでどんな商品が選べるのかをご紹介します。

キタ大介

どんな仕事でも、コミカルでシュールでユーモアのあるイラストを目指して描くイラストレーター。ビジネス書籍、レクチャー本、マナー、自己啓発、男性誌、特に家電やデジタル系の挿絵が得意。自宅をリフォーム中。自動車も購入したい。でもお金がない。