フランスほのぼの暮らし
フランスママに学ぶ「子育て対決」日本VSフランス、どっちが好き?
2018年 10月 15日 07:30
日本では当たり前に行われている子どもの育て方が、国が異なるだけでまったく違う判断をされてしまう場合があります。今回は、日本とフランスの子育てについて、考え方の違いをご紹介します。文化の違いは当然ですが、実は大人の都合が善し悪しの判断にふんだんに取り入れられているのが、フランス流の子育てです。
出生時のママとの絆「へその緒」はゴミ?
フランスでは赤ちゃんの「へその緒」を、丁寧に保管しておく習慣がありません。たいていのフランスママは「汚らしくて気持ちの悪いもの」として、へその緒が取れたらゴミ箱に捨ててしまいます。早い時期に病院でへその緒が取れた場合には、助産婦さんや看護師さんがゴミとして扱ってしまいます。日本人は「へその緒って大事じゃないの?」と思いがちですが、フランスママにとって出生時の記念として大切なものは、生まれたときの手形や足形なんですよ。私も第一子のへその緒は保管してありますが、あまりに気味悪がられるため、第二子からは、へその緒を残していません。
赤ちゃんは子ども部屋にひとりで寝かせる
出産退院直後から、赤ちゃんは自分の部屋に1人で寝かせるのがフランス流です。住宅事情によって赤ちゃんだけの部屋を用意できないときには、子ども部屋にベビーベッドを置きます。フランスでは、赤ちゃんのときから自立心を育てようと考えるので、親子で一緒に寝ることや、添い寝をすることがないんです。日本では常に親の目が届くところに、赤ちゃんを置いておくのが普通ですが、フランスママは赤ちゃんと24時間ベッタリ一緒に過ごすことがありません。夜中もベビーベッドのそばにトランシーバーのようなものを置いて、泣き声が聞こえたら部屋を覗きに行く程度です。新生児期から1人で寝かせることで、子どもがひとりで寝られるようになるんです。
添い寝は絶対にしない
フランスママは、赤ちゃんや子どもと一緒に添い寝をすることがありません。その理由は、ママはパパと一緒に寝るのが当然だから。夜中に赤ちゃんが泣き叫んでも、子どもが怖い夢を見て泣いても、夫婦の寝室へ連れてきて添い寝をする習慣がなく、パパかママのどちらかが子ども部屋に出向いて、子どもが落ち着くまで体をさすったりする程度です。眠るまで待つのではなく、ちょっと落ち着いたら自分の寝室へ戻ってしまいます。フランスママのなかには「添い寝なんてしてたら、常に子どもにくっ付いていなきゃいけない」と、嫌がる人もたくさんいます。
親子でお風呂は「性的虐待行為」
日本では古くから、親子一緒にお風呂へ入る習慣がありますが、フランスでは親子であっても、パパと娘が一緒にお風呂に入ることは性的虐待行為とされています。子どもがどんなに小さくても、パパと娘が一緒にお風呂に入ることは、フランスでは絶対的にあり得ません。沐浴の期間を過ぎた女児は、その後はママやベビーシッターがお風呂に入れるようになり、パパがお風呂に入れることはないんです。なにかの事情でパパが入れなくてはならない時は、お風呂でパパが裸になることはありません。パパが娘をお風呂に入れたことを許せないフランスママが、離婚を申し立てるケースも多いんですよ。
生活リズムや食事メニューは大人に合わせる
フランスでは、新生児期や離乳食時代を除くと、子どもの生活ペースは大人に合わせるように躾けられます。日本では子どもの時間や食事に大人が合わせることが一般的ですが、フランスでは子どもに合わせることはありません。起床時間も食事時間も、すべてが大人の都合に合わせられています。夜は子どもを早く寝かせる家庭が多いですが、週末など食事会やパーティーに呼ばれたときなどは、遅くまで付き合わされる子どもが多くいます。「乳幼児がいるから、夜の外出を避ける」ということはせず、子どもがいても自分たちの好きなように生活するのがフランス流です。
子どもが泣いてもいちいち気にしない
フランスママは、赤ちゃんや子どもが泣いても特に気にしません。具合が悪かったり、お腹を空かせていたり、オムツが気持ち悪くて泣いているときなどは、愛情たっぷりにお世話をしますが、機嫌が悪くて泣いている時や構って欲しくて泣いているときなどには、おしゃぶりを咥えさせたり、ドゥドゥと呼ばれるヌイグルミやタオルなどを渡して放置します。赤ちゃんが泣いても、自分で泣き止むことを学ばせるために必要以上に抱っこしたり、気にかけることはしないんです。公共交通機関などで大泣きしていても、周囲も特に気にすることがないので放置している人が多くいます。
公園遊びで子どもにベッタリくっ付かない
公園遊びの最中、日本では子どもと一緒に遊んだり遊具で遊ぶ時に手を貸したりするママが多くいますが、フランスママは公園遊びの時には、子どものやりたいように好きにさせておき、自分はベンチに座って眺めるだけの人が多いんです。子どもが転んで泣いてもケガさえしなければ、自立心を養うために駆け寄ることをせず、自分で立ち上がって泣き止むことを学ばせます。子どもを介してほかのママと親しくなるということもせず、子どもが一緒に遊べるお友だちも子ども自身で見付けさせます。もし見つからなければ、一人遊びをすることを学ばせます。
フランスママはトイレトレーニングも適当
「大人になってもオムツをしている人はいない」というのがフランスママ。オムツはお金がかかるという理由で、早く外そうと頑張る人もいますが、3歳までに外れれば良いと考えている人も多くいます。こんなふうにトイレトレーニングは適当なので、ストレスに感じる人もあまりいません。さらにフランスの住宅は、床が石やリノリウムなので、お漏らししても片付けや掃除が簡単にできちゃうんですよ。