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パナソニック、除菌とニオイに特化した“空間”清浄機
(2015/8/26 00:00)
パナソニックは、空間清浄機「ジアイーノ」の説明会を開催した。11月1日に発売予定で、適用畳数約24畳の「コンパクトタイプ F-JML30-W」と、約40畳の「標準タイプ F-JDL50-W」の2機種を用意する。希望小売価格は順に、26万3,000円、35万7,000円(税抜)。
脱臭・除菌に特化した空間清浄機。電解水技術で次亜塩素酸を発生させ、空間のウィルス除去やアンモニアなどのニオイに効果があるという。衛生管理が必要な介護施設や幼稚園などでの使用を想定しており、家電量販店などでは取り扱わない。一般家庭での使用も可能だが、その場合はパナソニックグループの代理店や販売会社に問い合わせて購入する必要がある。
同社は、2013年に初代モデルを発表し、これまでに8,000台を販売した。しかし、従来タイプはサイズが大きかったため、使用場所が介護施設や幼稚園、美容院などに限定され、市場規模は125万台に留まっていた。今回新たに導入したコンパクトタイプは、一般外来の病室や診察室、在宅介護をする家庭などにも置け、約366万台の市場があるという。コンパクトタイプの導入により、約2万台の販売を目標に掲げている。
ジアイーノは、空気清浄機とは仕組みが異なり、“空間”清浄機を謳っている。空気清浄機は集じんフィルターなどを搭載し、ハウスダストなどの粉じんを集めて空気をキレイにするのに対し、空間清浄機は除菌・脱臭に特化している。
パナソニックエコシステムズ IAQビジネスユニット 家電営業部 本郷 宏之氏は、空間清浄機について次のように語った。
「多くの人が集まる場所での衛生管理や感染予防対策は必要です。除菌効果を生むことで病院や保育園などの衛生面に配慮できます。また、脱臭効果を発揮することで、食べ物のニオイやアンモニア臭が気になる介護施設などで不快なニオイを除去します。高齢化社会の進行により、安心で快適な空気環境づくりがさらに重要になると思います」
食塩水を電気分解して次亜塩素酸を発生
除菌・脱臭の仕組みは、まず本体に水と塩を入れることで食塩水を生成する。パナソニック独自の技術で食塩水を電気分解し、次亜塩素酸を発生させる。次に、次亜塩素酸を含浸した除菌フィルターを回転させて送風し、汚れた空気をパワフルに除菌・脱臭する。
水は水道水を使用するが、塩は付属の「塩タブレット」を入れる必要がある。これは、食塩水の濃度を適切にするためだという。
同社が北里環境科学センターに依頼した試験によれば、標準タイプを使用したところ、25平方mの空間では、約8分間で浮遊ウイルスを99%抑制し、約13分間で浮遊菌を99%抑制した。コンパクトタイプでも同様の性能を実現するため、F-JML30ではフィルターの回転数を増やしている。
実際にミニチュアのデモ機を使って、脱臭機能の検証も行なわれた。食べ物のニオイに含まれる酢酸をコットンに染み込ませ、2つのボックスに投入。ニオイを充満させた後、一方ではデモ機を作動。数分後、何もしていないボックスはまだ酢酸の酸っぱいニオイが充満していたのに対し、デモ機を作動させた方は酢酸のニオイが消えていた。
なお、次亜塩素酸は、水道水やプールの消毒に使われるなど安全性が高いという。実験後のボックスの中は、プールの塩素のようなニオイに筆者は感じた。塩素臭が気になる場合は、操作部から電解強度を変更することで調整できる。
操作部では、急なニオイの発生時用に「急速モード」や、3/5時間の「切タイマー」を搭載する。脱臭能力を調節する電界強度は「弱/中/強」の3段階で調節可能。風量も「静音/中/強」で設定できる。
このほか、就寝時に明かりや音が気にならないよう「表示消灯・消音」機能も備える。
コンパクトタイプの本体サイズは、400×250×600mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約11kg。タンク容量は約4L。連続運転時間は、強が10時間、中が15時間、静音が24時間。最大風量は、強時で3立方m/分。
標準タイプの本体サイズは、505×307×710mm(同)で、重量は約17kg。タンク容量は約7.8L。連続運転時間は、強が9.4時間、中が11.6時間、弱が21.2時間。最大風量は、強時で5立方m/分。