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オムロン、時計のように手首に着けて使える血圧計を米ラスベガス「CES 2016」で展示

CES 2016で参考展示された「超小型手首式血圧計」

 オムロン ヘルスケアは、米ラスベガスで開催された「CES 2016」において、血圧計の新たな製品として、「超小型手首式血圧計」および「本体・カフ一体型上腕式血圧計」を参考展示した。

 いずれも、今年末までに米国市場に投入することを目指しており、日本においては、医療機器としての認可を取得後、2017年春の発売に向けて、開発中だとしている。価格は未定。

 参考展示した超小型手首式血圧計は、時計のように手首に取り付けることで、場所を選ばずいつでも血圧が測れるのが特徴。約30〜40秒で計測する。日常的に携行することが可能で、内蔵している加速度センサーなどの各種センサーにより、一日の歩数や消費カロリー、睡眠の質なども計測できる。

 さらに服薬状況などを記録する機能を搭載。Bluetoothによる通信機能を活用することで、スマートフォンにデータを送信し、アプリ上で、各種データの推移をグラフ表示して、簡単に血圧管理も行なうことができる。スマホ向けアプリはiOSおよびAndroid向けに提供されることになる。

血圧や脈拍などを表示する
歩数計や消費カロリーなども表示
快適な睡眠ができているかどうかも表示

 血圧計は、均等に圧力をかける必要があるため、カフ部の幅を細くすることが技術的に難しかったが、素材や構造などを見直して実現。それによって腕時計型のサイズにまで小型化できたという。

本体と腕帯を一体化した上腕式血圧計も

一体化することで小型化した「本体・カフ一体型上腕式血圧計」

 一方、本体・カフ一体型上腕式血圧計は、本体と上腕部に巻き付けるカフ(腕帯)を一体化した製品で、シャツの上からでも計測が可能。装着から測定までがスムーズに行なえるという。上腕式血圧計は、本体とカフが分離し、これをチューブで接続する「チューブ式」が一般的であるが、モーターやポンプをはじめとする使用部品の見直しなどにより、一体化することに成功した。

 「ポンプを小型化しながらも、パワーが出るものを採用したこと、さらにその他の部品も小型化したことで、本体とカフの一体化を実現した。カフも、パワーが少なくても圧力がかかるように進化させている」(オムロン ヘルスケア商品開発統轄部生体計測機器第一開発部・小野健児氏)という。単4形乾電池で稼働する手軽さも特徴だ。

 重量に関しては、現時点では数値を公表していないが、「何度も試作品を腕に取り付けてみて、重く感じないようなスペックを目指した」という。実際に手に取ってみたがかなり軽く感じた。

 さらに、通信機能により、超小型手首式血圧計と同様に、スマートフォンにデータを送り、アプリ上で簡単に血圧管理が行なえるという。

コンセプトは「脳・心血管疾病の発症ゼロ」

 同社では、今回の参考展示とともに、新コンセプト「脳・心血管疾病の発症ゼロ(Project ZERO)」を打ち出した。CES 2016の同社ブース内では、「Project ZERO」の文字を表示。これが同コンセプトを対外的に打ち出す第一歩となった。また参考展示した「超小型手首式血圧計」および「本体・カフ一体型上腕式血圧計」を、同コンセプトを具現化する製品の第一弾になると位置づけた。

 「脳・心血管疾病の発症ゼロ」は、血圧計などを担当する同社循環器事業部門で掲げた新コンセプトで、日々の血圧計測をもとにした血圧変動の動きを捉えて、疾病リスクを把握し、脳・心血管疾病を予防する新たな取り組みだ。

 オムロン ヘルスケアでは、「地球上の一人ひとりの健康で、すこやかな生活への貢献」をミッションに、家庭での健康管理が身近になることを目指してきた。その一環として、血圧は病院で測るといった常識を転換。家庭での血圧測定を提案し、新たな文化を根づかせてきた経緯がある。

 だが、高血圧を起因とした脳・心血管疾患が、死因として上位を占めたり、寝たきりや言語障害などが発症し、健康寿命に大きな影響を与えているのも事実だ。

 同社では、「脳・心血管疾患の発症には、夜間の高血圧や、急激な血圧上昇が大きく影響すると指摘されている。血圧は、一日のなかで常に変化するものであり、血圧を正しく理解するためにも、一日に数回に渡って計測することが望ましい。そのためには、血圧を手軽に測ることが大切である。当社では血圧測定の頻度をあげ、一人ひとりが自らの血圧変動の傾向を知り、疾病リスクを把握することが必要だと考えている。

裏面部分の様子

 CES 2016で展示した超小型手首式血圧計および本体・カフ一体型上腕式血圧計は、その考えに基づいて開発された。小型でデザイン性にも優れ、持ち運ぶことができる。今後も、新たな製品やサービスの開発を加速させることで、脳・心血管疾患の発症ゼロを目指したチャレンジを続ける」としている。

 日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインでは、朝と夜に3回ずつ測定し、その平均値を導き出すことが望ましいとしているが、新たな製品を用いることで、1時間ごとに血圧を測定するといった使い方もできるようになるという。

(大河原 克行)