パナソニックの「ナノイー」イオン、ペット由来のアレル物質やウイルスを抑制

 パナソニックは、同社のイオン技術「ナノイー(nanoe)イオン」が、犬や猫などペットに関するアレル物質や菌、ウイルスを抑制する効果があると発表した。

 ナノイーイオンは、空気中の水分に高電圧を加えることで生成される、微細な帯電微粒子水。パナソニックの空気清浄機やエアコンなど、多くの家電製品にナノイーイオンの放出機能が搭載されている。

ナノイーイオンの放出機能は、パナソニックの多くの家電製品に搭載されている。写真はナノイー発生機の「F-GMG01」ナノイーイオンの発生機構。空気中の水分に高電圧をかけて、帯電した微粒子水を放出する

 今回は犬や猫など、ペットが原因によるアレル物質・細菌・真菌・ウイルス全13種類に対する、ナノイーの効果の検証が行なわれた。パナソニックによると、日本人の約3割がペットを飼育しており、また犬や猫を、屋外ではなく室内で飼う人が7割を超えているが、その一方で、ペット由来のアレル物質による動物アレルギー症状や、ペットから人に感染する病気、ペットからペットにうつる感染症が多く確認されているという。

 実験内容は、45Lの実験ボックス内で、アレル物質や菌を含んだガーゼまたは不織布に対し、一定の距離からナノイーイオンを曝露するというもの。いずれに対しても、ナノイーによる抑制効果があることが検証されたという。

 効果が検証されたアレル物質は、犬由来の「Can f 1」、猫由来の「Fel d 1」の2種類。Can f 1は1時間で99.8%、Fel d 1は2時間で98.6%の抑制効果を確認した。

 このほか、細菌では「MRSP(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)」、「ボルデテラ」、「パスツレラ」の3種類、真菌では「カンジダ」、「クリプトコッカス」、「マラセチア」の3種類、ウイルスでは「ネココロナウイルス」、「イヌアデノウイルス」、「イヌジステンパーウイルス」、「イヌパルボウイルス」、「イヌヘルペスウイルス」の5種類においても、抑制効果が確認できたという。

 実験の総合監修を務めたのは、麻布大学獣医学部獣医学科の阪口雅弘教授。阪口教授は、今回の検証結果について「『ナノイー』は人とペットの共生を実現させるための新しい技術となる可能性を有していると思われます」としている。

 ナノイーイオンではこれまで、インフルエンザウイルスやスギ・ヒノキなどの花粉に対する抑制効果などが検証されている。






(正藤 慶一)

2012年2月20日 14:56