東北電力、東京電力から170万kWを緊急融通

~気温の上昇で冷房需要の増加を見込む

 東北電力は、8月10日に東京電力から170万kWの電力融通を受けると発表した。

 10日は、東北地方7都市の平均最高気温33.7℃に達する見込み。東北電力では、冷房需要により、電力需要が1,290万kWに増加すると見ており、緊急措置として東京電力から170万kWの電力融通を受ける。

 東京電力からの供給枠は140万kWで、初めてこれを越えることになる。最終的な電力融通量については、10日に気温等を踏まえて判断するとしている。

 170万kWの内訳は、東京電力が北海道電力から受電する分が30万kW、東京電力からの送電が140万kWとなる。東北電力が9日に発表した電力融通の拡大方策により、140万kWの電力融通が可能になった。

 この電力融通により、東北電力の供給力は1,347万kWとなる。しかし、予備率は4.4%となり、でんき予報のコメントは「大変厳しくなる見通し」のままとなっている。

東北電力、8月10日のでんき予報の数値とコメント

 東北電力では、東日本大震災により太平洋岸の発電所が被災しており、さらに先日の大雨によって約100万kW分の水力発電所が停止している。8月5日からは、電力需要に対して供給力が不足し、東京電力からの電力融通を仰いでいる。

 なお、東京電力では10日の最大電力を4,980万kW、供給力を5,470万kWと見込んでいる。この場合、予備率は9.8%となり、余裕のある状態とされている8~10%の範囲に収まっている。

【8月10日10時追記】電力融通は、当初予定通り170万kWと決定した。供給時間は10日の8時~22時。






(伊達 浩二)

2011年8月10日 00:00