シャープ、冷蔵庫特有のニオイを脱臭する
「プラズマクラスター冷蔵庫」
庫内容量が515Lの「プラズマクラスター冷蔵庫 SJ-XF52T」 |
シャープは、プラズマクラスターイオンで冷蔵庫特有のニオイを脱臭する冷蔵庫「プラズマクラスター冷蔵庫」4機種を、10月15日より順次発売する。価格はすべてオープンプライスで、最上位機種「SJ-XF52T」の店頭予想価格は25万円前後。
容量465Lの「SJ-XF47T」 | 容量440Lの「SJ-XF44T」 | 同じ440Lの「SJ-XW44T」は、ドアが両面開きとなる |
品番 | SJ-XF52T | SJ-XF47T | SJ-XF44T | SJ-XW44T |
庫内容量 | 515L | 465L | 440L | |
ドア数 | 6ドア | 5ドア | ||
ドアタイプ | フレンチドア | どっちもドア | ||
冷蔵室 | 276L | 253L | 228L | |
冷凍室 | 148L | 131L | ||
野菜室 | 91L | 81L | ||
イオン濃度 | 高濃度プラズマクラスターイオン7000 | |||
サイズ (幅×奥行き×高さ) | 695×715×1,870 mm | 660×715×1,870 mm | 660×715×1,795 mm | |
発売日 | 11月4日 | 10月15日 | 11月12日 | |
店頭予想価格 | 25万円前後 | 24万円前後 | 23万円前後 | 22万円前後 |
シャープの調査では、冷蔵庫のニオイについて不満がある人は78%。特に、開けた際のニオイに不満がある人が多い結果となった |
庫内容量が440Lから515Lまでの大容量冷蔵庫シリーズで、庫内のニオイを抑える機能を搭載した点が特徴。同社の調べによると、冷蔵庫のニオイに対して不満を感じているユーザーは全体の約78%におよび、特にドアを開けた時のニオイに不満を持つユーザーが多いという。
そこで冷蔵室内に、新たに「プラズマクラスター脱臭・除菌システム」という機能を搭載。同システムには脱臭フィルターが設けられており、食品から発生する浮遊臭を吸着し、そこに高濃度プラズマクラスターイオンを集中的に照射することで、冷蔵庫特有のニオイ分子を分解・脱臭するという。
また、冷蔵庫の扉にあるボタンで「強力脱臭モード」を選択すると、庫内を通常よりも強力に脱臭。キムチや漬け物といった食品のニオイも抑えられるという。
冷蔵室に「プラズマクラスター脱臭・除菌システム」を採用。庫内のニオイが除去できるという | 強力脱臭モードなら、キムチや納豆といった強いニオイも脱臭できるという | 強力脱臭モードでの、脱臭効果のグラフ。5時間でニオイが半減するという結果になった |
このプラズマクラスター脱臭・除菌システムは、冷蔵庫の開閉状況を学習し、状況に合わせてルーバーが動いて、「除菌」運転に切り替えられる点が特徴。除菌運転では、庫内にプラズマクラスターイオンを放出することで、浮遊カビ菌や食品の付着菌を除去、庫内を除菌する効果があるという。同社では、この脱臭/除菌を切り換えるルーバーについて「インテリジェント・ルーバー」としている。
脱臭機能としてはこのほか、冷蔵庫背面の冷気ダクト部に、ニオイの粒子が浸透しにくい新しい発泡断熱材を採用。一般的な冷蔵庫では、庫内を循環する空気中のニオイが、長期間に渡って冷気ダクト部の断熱材に浸透することで、ニオイの元になることが多いという。しかし、この断熱材はニオイ成分が浸透しにくく、冷蔵庫特有のニオイが低減できるという。
プラズマクラスター脱臭・除菌システムでは、風路が自動で切り替わり、庫内を除菌できる点も特徴となる | プラズマクラスターイオンによる付着菌の除菌効果 |
扉のボタンを押して強力脱臭モードがスタートする | ニオイの粒子が浸透しにくい発泡断熱材も採用した |
省エネ面では、前年モデルに引き続いて「e-coolシステム」技術を採用。これは、コンプレッサーの運転ロスを抑える冷媒バルブを採用するほか、放熱パイプを削減することで熱の漏洩を低減することで、高い省エネ性能を備えるというもの。
本製品では、このe-coolシステムがより進化。低速運転でも安定し、磨耗ロスも少ない高性能コンプレッサー、低速運転に対応する細い冷媒経路、同社のエアコンでも採用されている“鳥の翼”をモデルとした新しい大型ファンを採用することで、省エネ性能を向上しているという。コンプレッサーは、ブラジルのエンブラコ社のものを採用。なお、消費電力や年間消費電力などのスペックは、現在調査中となっている。
高性能のコンプレッサーを搭載するなど、省エネ面でも改良を施している | 新たに採用した、ブラジル・エンブラコ社の高性能コンプレッサー | 新しいコンプレッサーでは、摩擦、モーターのロスを削減しているという |
野菜室では、野菜の水分保持率を従来モデルの約2倍に向上するという「シャキット野菜室」を採用。冷気の侵入口を塞ぎ、野菜室の密閉性を高める“高湿度シールド構造”とすることで、野菜の乾燥を抑えて鮮度を保つ効果がある。キュウリをラップなしで4日間保存した場合、シャキシャキとした食感が従来よりも約30%向上するという。
野菜室上段には、プラズマクラスターイオンの発生装置を搭載。食品表面に付いた雑菌を約1日で除菌し、鮮度劣化の原因となるエチレンガスも分解するという。さらに、背の高い野菜が収納できる「うるおいシールボックス」も用意している。
野菜の乾燥を抑え、鮮度を保つ「シャキット野菜室」 | シャキット野菜室に野菜を収納することで、水分保持率は2倍にアップし、食感を評価する「CI値」も約30%アップしたという |
3日間、ラップなしで野菜室内に入れたチンゲン菜。シャキット野菜室に入れたもの(左)の方が、従来モデル(右)よりも鮮度が保てている | きゅうり、ほうれん草、アスパラガスでも、チンゲン菜と同様に鮮度が保てるという |
野菜室上段にも、プラズマクラスターイオンを発生。表面についた雑菌を約1日で除菌し、鮮度劣化の原因となるエチレンガスも分解できるという | 野菜室に用意されたプラズマクラスターイオンの発生ユニット | 全体のカットモデル |
このほか、透明度の高い氷を自動で作る「キラット製氷」、LEDの導光板で庫内全体を明るく照らす「キラット庫内」といった機能も備える。
透明度の高い氷を作る「キラット製氷」(写真右)も用意されている | SJ-XF52Tの冷蔵室内のようす | SJ-XW44Tは、冷蔵室のドアが両側から開く「どっちもドア」を採用 |
製氷室 | 製氷室の右は、熱い食品をそのまま投入して冷凍できる「熱いもの冷凍室」 |
●シャープ冷蔵庫の購入理由は「プラズマクラスター」が上位
シャープ 健康・環境システム事業本部副本部長 兼 冷蔵システム事業部長 新晶氏 |
シャープの健康・環境システム事業本部副本部長 兼 冷蔵システム事業部長の新晶氏は、ユーザーがシャープの冷蔵庫を購入した理由として、1位の「省エネ」に続いて、2位に「プラズマクラスター冷蔵室」、4位に「プラズマクラスター野菜室」と、プラズマクラスターが上位にランキングされている点を指摘。「(ユーザーのニーズは)省エネが圧倒的に一番だが、食に対する安全と経済志向も高まっており、プラズマクラスターが非常に重要なポイントになっている」と話した。
また、冷蔵庫の2010年度における需要動向については、猛暑とエコポイントの影響により、2009年度比で4.4%増となる総需要425万台と予想。シャープでは、2010年10月から2011年9月までの1年間の事業目標として、401L以上の大型クラスで前年同期比1.5倍の販売台数を目指すという。
シャープの冷蔵庫購入者は、省エネのほかプラズマクラスターが決め手になっている | 2010年度の冷蔵庫の総需要は425万台との予測。エコポイントで大型機種が伸びているという | シャープでは、2010年10月から2011年9月までの1年間で、401L以上の大型クラスにおいて前年同期比で1.5倍の販売台数を目指す |
(正藤 慶一)
2010年9月21日 15:28