ダイキン、空気清浄機の「ストリーマ放電」が鳥インフルエンザに有効と発表


ストリーマ放電技術は、ダイキン工業の空気清浄機に搭載されている。写真は除加湿清浄機「クリアフォース」

 ダイキン工業は、同社の空気清浄機に搭載されている「ストリーマ放電技術」が、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)を3時間で100%分解、除去する効果があると発表した。

 ストリーマ放電技術とは、同社の空気清浄機に搭載されている放電ユニット。ユニットから電子を放出し、空気中の酸素や水素などの成分と合体することで、酸化ラジカルや水酸ラジカルといった強い酸化分解力を備えた活性種に変化。これらの活性種のはたらきにより、花粉や菌類、ニオイ分子などを分解、除去する効果がある。同社ではこれまでも、弱毒性インフルエンザウイルスやノロウイルスといった物質を不活性化する効果があることを実証してきた。

空気清浄機内部のストリーマ放電ユニットストリーマ放電技術の仕組み。電子が空気中の物質と合体することで、酸化力の高い活性種に変化する

ストリーマ照射による、鳥インフルエンザウイルスの残存率の変化

 実証実験の内容は、鳥インフルエンザを付着させた実験用の動物の細胞に、同社のストリーマ放電技術を1~4時間照射するというもの。この結果、ストリーマ照射なしの細胞では鳥インフルエンザウイルスが100%残っていたのに対し、ストリーマ照射をした細胞では、1時間後に約97%を除去、3時間後には100%を除去できたという。同社ではストリーマ放電により、インフルエンザウイルスの表面にある「ノイラミニダーゼ」と「赤血球凝集素」という2つのタンパク質を酸化、分解し、インフルエンザウイルスの感染性が失われたと分析している。

 今回の実験は、ベトナム国立衛生疫学研究所とダイキンとの共同で行なわれた。同研究所は鳥インフルエンザの評価機関としてWHO(世界保健機関)から指定されているという。

 ダイキンでは、同研究所のレ・ティ・クイン・マイ博士による研究発表会を7月2日に行なう予定。

 鳥インフルエンザに関しては、三洋電機の「電解水技術」、シャープの「プラズマクラスターイオン」、パナソニックの「ナノイーイオン」において、既に有効であることが発表されている。

ストリーマ照射の有無による、3時間後の実験用細胞の変化

 

インフルエンザウイルスの分解メカニズム
ストリーマ放電技術による過去の実証済みの試験項目



(正藤 慶一)

2009年5月26日 14:35