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アイロボットジャパン創業で、日本での事業成長をさらに加速へ
2017年4月11日 15:44
ロボット掃除機「ルンバ」を展開する米iRobot(アイロボット)は、日本法人アイロボットジャパン合同会社(以下、アイロボットジャパン)を創業し、日本市場でのビジネスを本格的に開始したことを発表した。今後、アイロボットはアイロボットジャパンにより、日本でのセールス、マーケティング、ブランディング、チャネル・リレーションシップ、カスタマーサービスなどを通じ、事業成長をさらに加速させるとしている。
ロボット掃除機「ルンバ」は、従来、セールス・オンデマンドが日本のiRobot製品総代理店として、2004年から同社製品を扱い、日本におけるiRobotブランドを確立、日本市場においてトップシェアを維持、2016年には「ルンバ」の国内累計販売台数200万台を達成している。しかし、昨年11月に米iRobotがセールス・オンデマンドのアイロボット製品販売事業買収を発表、アイロボットジャパン創業となった。
アイロボット社 CEO兼共同創設者 コリン・アングル氏は、アイロボットジャパンの創業について「とてもワクワクしている。我々は今後、ロボット掃除機に限らず、スマートホームやIoT製品など、様々な製品を展開する家庭用ロボットカンパニーへと成長していく」と語った。
ロボット掃除機「ルンバ」のビジネスは非常に好調で、世界におけるルンバのマーケットシェアは2013年以降60%以上を維持している。
「新しいカテゴリを作ったパイオニア的なメーカーは、最初にシェアを独占したとしていても、そのシェアが下がっていくのが普通。しかし、我々は業界が成長していくのに伴って、シェアも維持している。それは製品がたゆまぬイノベーションを起こしているからこそだ」
アイロボットジャパンの代表執行役員社長は、挽野 元(ひきの はじめ)氏が務める。同氏はヒューレッド・パッカード社にて日本のイメージング・プリンティング事業担当副社長、ボーズ株式会社の社長、代表取締役を務めるなど、日本、アジア太平洋地域、グローバルで様々な経験を有しているという。
挽野氏はアイロボットジャパンとしての目標について、ロボット掃除機の世帯普及率を上げることだと話す。
「2016年には日本での累計販売台数200万台を達成したものの、ロボット掃除機の世帯普及率は4%以下とまだまだ低い。まずはこの数字を10%まで伸ばすことが目標。子育て世帯や、シニア世帯などまだまだルンバが役立つ場所はある。我々は新しい機能や使い方を提案していく」(挽野氏)。
アイロボットジャパンを創業したタイミングに関しては、コリン氏は「これまでアメリカの企業として、他国でも事業展開をしてきた。しかし、従来はまだ各国に投資できるような力もなく、製品の販売に関しては、各国の販売会社に頼らざるを得なかった。しかし、会社が成長していく中で、我々は真のグローバル企業として成熟してきた。そこで、昨年のアイロボットチャイナに続き、アイロボットジャパンの設立に踏み切った」と話す。
また、スマートハウス、IoT関連製品など、今後の事業展開については「もしかすると我々のことをIoT関連製品を扱う企業としては、新参者と感じる人がいるかもしれない。しかし、スマートホームを作り出すには、情報が必要。我々は各家庭に、情報を持ったロボットを置いている。インターネットと接続可能なルンバはもはや世界で200万台を販売している。その意味で、我々はすでにスマートハウスにおいても、中核企業になっているといっていい」とコメントした。