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長期レビュー

ダイソン「エアマルチプライアー」 その2

〜まずまずの性能と魅力的なインテリア性
by スタパ齋藤

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



 ダイソンの「エアマルチプライアー」長期レビュー第2回目。今回は、扇風機としての機能や風量など性能関連の印象を書いてみたい。なお、第1回目のレポートはこちら

ダイソンの「エアマルチプライアー(Air Multiplier)」。写真は直径25cmタイプのサテンブルー。このほかにホワイトも用意されている こちらは直径30cmタイプ。直径30cmタイプはホワイトのみだ

 エアマルチプライアーは、外観や風を発生するしくみ以外は、まあフツーの扇風機と考えていいと思う。エアマルチプライアーだからといって、特に目新しいとか斬新といった新機能ってのはナイと言えよう。

 ただ、その使用感はエアマルチプライアー独特のものだ。たとえば上下にリングを向けられる───つまりチルト動作で風が向かう高さを変えられるが、このとき台座底面部以外全体を動かすのだ。

上下角度調整時はこのように本体の底面部以外全体が動かす。本体の重心を軸に傾くという印象で、傾けても不安定にはならない。なお、上下角度調整は前後各10度まで
このように台座部分数cmから上全体が動く。軽い力で動く。たとえば指1〜2本で動かせるあたり、従来の扇風機とは大いに異なる使用感だ

 首振りも同様、本体全体が左右に自動的に動くという感じ。実際は本体底部1cm程度の部分以外が回転する。なお、電源スイッチなどは本体前面下部にあるが、首振り時、この部分も動く(電源スイッチなどが向く方向が変わる)。

約90度の範囲での自動首振り運転も行なえる。首振りの速度は一定。なお、首振り時、このように操作ボタン類もいっしょに向きを変える

 首振り運転時、こんなふうに操作ボタンの向きが変わっちゃうのはどーなのかニャ〜と一瞬思った。動くボタンに対しての操作、誤操作になんない? みたいな。

 ただ、ゆっくり首振りするだけで、また、ボタン類も電源ON/OFF、風の強さ、首振りON/OFFだけなので、実際に使っていて大きな問題や違和感にはつながらなかった。

 チョイとイイ!! と感じたのは、無段階で風量を調節できる機能。名付けて無段階風量調節機能!! ってそのまんまかよ>俺。とにかく、本体前面下部のツマミを回すことで、風量を微妙に調節できるのだ。

本体前面下部にある操作ボタン類。左から、電源ボタン、風量調節ツマミ、首振りボタンとなる 中央の風量調節ツマミは無段階で回転する。この状態が左に回しきった状態で、風量が最小となる ツマミを右回り(時計回り)に回転させると、風量が徐々に増えていく。写真は右に回しきったところ

 ショップを見て回っても案外ナイもんですな、風量の無段階調節が可能な扇風機。細かな機能だが、好きな風量にピタリと合わせられるのは気持ちいい。拙者的には評価UPポイントとなった。なお、これまで挙げてきた機能や使用感は25cmタイプでも30cmタイプでも同様である。

 さて、お次は肝心の風量と動作音。これに関しては拙者の体感上の印象となるので、ハッキリと確かめたい方は店頭などで実機に触れて試してみてほしい。ともあれ、拙者が感じたのは以下のとおり。

 まず風量だが、前述のとおり無段階可変。で、風量を最小にしたときの印象は、25cmタイプと30cmタイプのどちらも、まずまず風量を抑えられて快適だと感じられた。また、そのときの騒音も、まあまあ静か。

 たとえば、ホームセンターなどで売られているイマイチ有名じゃないメーカー製の廉価的扇風機などと比べたら、エアマルチプライアーの静穏性の高さとある程度絞れる風量は十分快適。悪くないと思う。

 しかし、就寝中でも使用できる程度の風量/静穏性を追求した有名メーカー製のやや高性能な扇風機(って現在はそれほど数があるわけでもないですけど)なんか比べると、エアマルチプライアーの静音系&小風量系性能は大味。具体的には、もっと風量を絞りたいし、もっと静かな動作音であって欲しいと思う。

 なお、エアマルチプライアーの動作音の質だが、普通の扇風機と違って、低音よりも高音の成分が多いように感じられる。フツーの扇風機の音のイメージを文字化すると「ヴォォォ〜」だが、エアマルチプライアーは「クォォォ〜」か「フォォォ〜」てな感じ……ってわかります? けっこー独特な動作音なので、やはり実機で確かめて欲しい。

 30cmタイプと25cmタイプは、消費電力がどちらも公称40W。だが、風量は30cmタイプが毎秒450Lで、25cmタイプが405Lとなっている。ビミョーによくわからないが、ともかく、体感としては、風量を最小にしたときは、どちらのタイプからも同程度の風が出ているという印象になった。ただ、騒音は30cmタイプのほうがほんの少し大きいようだ。

 一方、風量を最大にした場合、30cmタイプと25cmタイプとではけっこー騒音が異なると感じられた。30cmタイプのほーがウルサイっす。とは言っても、両タイプとも扇風機の騒音として許せる範囲内。風量に関しては「もっとドガーンと風が出て欲しいな」という人があるかもしれない。本体サイズのわりにはお淑やか気味な最大風量という印象である。

 ただ、この点については、エアマルチプライアーから出てくる風の質(!?)によるものかもしれない。普通の扇風機と異なり、エアマルチプライアーからの風はムラがなくスムーズなんだそうだ。

普通の扇風機から出てくる風のイメージ。それぞれの羽根が風を押し出すので、ムラのある風が出る。普通の扇風機に向かって「ワレワレハ〜」とか喋ると宇宙人ボイスになるのはこのためなのかーッ!? エアマルチプライアーからの風は、全体的に均等でスムーズ。このため、エアマルチプライアーに向かって喋ってもオモシロ声を出せないのだーッ!! 胸を叩きつつ喋って宇宙人ごっこするしか!!

 この風の質の違いについて、拙者的な独断と偏見で言っちゃうと、エアマルチプライアーからの風は自然な風っぽい気がする。てか、外に出て風を受けている気分により近いと感じた。

 フツーの扇風機でもエアマルチプライアーでも、だいたい同じように量的変化のない風を受けているのは同様だ。が、エアマルチプライアーのほうがフラストレーションを受けにくいような───たとえば睫毛に断続的な風圧が加わるような違和感が少ないとか、風が耳に直接当たっても「ボッボッボッ」的な音が気になりにくいとか。

30cmタイプホワイトを置いてみたところ。扇風機独特のイメージでないトコロがイイかも。……でも部屋が汚いですな。失礼

 エアマルチプライアーの機能/性能に対する印象は以上のとおり。値段が値段なので、前述のように、もっと風量の幅がありかつ静穏性が高かったら、さらに良いと思う。んだが、このインテリア性、やはりかなり強く拙者の背中を後押しする。

 誤解を恐れず、かつ、当たり障りも関係ね〜よ的な精神状態で言っちゃったりなんかすると、エアマルチプライアーは普通一般の扇風機にありがちな「生活感」や「所帯じみたイメージ」や「貧(中略)臭さ」がナイというのが良い。カッコ良さげな部屋に置いても部屋全体のカッコイイ度合いを下げにくい扇風機、みたいな。ともかく、扇風機は必要なんだけど、扇風機を置くことによって部屋がヘボい雰囲気になるのはヤだな、てな人は要チェックですな。

床置きもわりと実用的。サーキュレーターとしての風量もまずまず求めることができた クールなイメージのサテンブルー……なんですけど、部屋が雑然状態で、ずずず、ずびばぜん!! にしても、ガンメタ的なボディと輪っかのブルーがステキ サテンブルーはこんな色。ハイテック感のある美しい青ですな

 てな感じのエアマルチプライアー。次回はエアマルチプライアー独自の利便なども交え、最終回としてレポートをまとめてみたいと思う。引き続き次回もご愛読よろしくお願いいたします〜。



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2010年4月16日 00:00