特別企画
アウトランダーPHEVは停電時にも頼れる我が家の救助隊!!
(2016/2/22 07:00)
「最近起きなくなったこと」。先日、昭和生まれのオッサンが久々に集まって呑んだ際、やけに盛り上がった話題がコレだ。
例えば、『テレビの「しばらくお待ちください」の画面』。今となってはトレーディングカードやガチャのレアカード以上にレアな存在。平成生まれなんて、存在すら知らねーだろ! ってぐらいだ。
『川の氾濫で学級閉鎖』。台風が来ると近所の川が氾濫して、学級閉鎖の緊急連絡網が回ってきたねーなんて話で盛り上がる。うちの前の道路なんて膝丈まで水浸しになって、そこへ自転車で水の中に突っ込んで遊んだり(笑)。
『停電してローソク灯りで家族でぼのぼの』。ブレーカーが落ちる程度のもの(最近はブレーカーすら落ちなくなった)から、落雷キター! で大はしゃぎの長い停電から、数分で回復する停電までがちょいちょいあった。平穏な生活に時々訪れる停電が、ちょっとしたイベント気分で楽しかったよねー、なんて懐かしんでみたり。
でも元号が変わった今でも、川の氾濫や停電はときどきニュースになる。昔は生活にさほど影響のない「ちょっとした」ものが多かったように思えるけど、最近ニュースになる氾濫や停電は、規模が大きいものが目立つ気がする。生活スタイルが変ったことで、電気が使えなくなれば影響力は大きいだろうし、しっかり作られた堤防が決壊すれば、それだけ被害は長期化・重大化していくのだろう。
記憶に新しい河川の氾濫は、昨年の鬼怒川だろう。電柱につかまり救助を待つ人を助けるヘリコプターの姿が、今でも目に焼きついている。
そして停電と言えば、今年に入り関東平野を白く化粧した雪は、それほどの積雪でもないのに、各地で停電をもたらした。雪で停電なんて雪国だけのことだろ? って思っていたが、先の積雪では奥多摩、町田、川崎、厚木、秩父、日光、日立などアチコチで停電してビックリ! 横浜に住む筆者だが、ご近所の川崎やら町田の話しだったんで、そりゃ他人事じゃなかった。
横浜に住んでいる筆者が他人事じゃないんだから、雪国のみなさんや、木々の緑に囲まれて生活するみなさんにとっては、もっと身近な問題だろう。そんな他人事とは思えない、イザというとき役に立つ車がある。それが三菱のアウトランダーPHEVだ。内緒だが、筆者が一番欲しい電気自動車だったりする。
EVやPHEV独特のクセがないハンドリングが楽しい! 安心と安全と楽しさをもたらすアウトランダーPHEV
アウトランダーPHEVが電気自動車としての走りがスゲー件については、以前、マイナーチェンジ前のアウトランダーPHEVをレポートしたとおり。バッテリーがある間、街乗りのほぼ100%が電気自動車として走る。青信号の出遅れで少し強めにアクセルを踏み込んでもエンジンが始動することはなく、スムーズにバッテリーとモーターだけで滑り出す。一般的なハイブリッド車と違って、バッテリーが残っている状態でエンジンがモーターをアシストするのは、高速の登坂走行で追い越しをかけるときぐらいだろう。
また100%電気で走るEVで最も怖い「バッテリー切れ」がないのも、アウトランダーPHEVの心強い点。近くに充電スタンドがなければ、ガソリンを入れてエンジンで充電ができる。充電しながらの走行も可能で、電池を心配する必要がまったくないのだ。
他のEVやPHEVとの違いは、標準装備のタイヤを見ても明らか。一般的なEVはバッテリーの持ちを最優先して、省燃費性能を最優先したタイヤを履いていることが多い。そのため乗り心地や悪路での走行性能は二の次になっている感がある。
しかしアウトランダーPHEVのタイヤサイズは225/55R18! (モデルによって異なる場合あり)というEVらしからぬタイヤ。スペックを見ただけで、どれだけ走りにこだわりを持っているかが想像できるというものだ。
しかも4輪駆動車なので、安定性も抜群。後輪は独立したモーターで駆動することで、4輪を積極的にコントロールできるので、河原やダートなどの滑りやすい路面でも安心して遊ぶこともできるうえ、山道のカーブでもキビキビした走りを見せてくれる。
実は三菱自動車は、アウトランダーPHEVでラリーにも参戦している。しかも参戦1年目はほとんどノーマルのアウトランダーPHEVで参戦しているのだ。写真を見てもらえばわかる通り、深い川もなんのその。普通のガソリン車でも走れないような道を、アウトランダーPHEVなら走破できてしまう。
面構えも新しくなったアウトランダーPHEVは、冬の雪道や悪路も走れて、いざという時にも頼もしい相棒であり、走る楽しさをキャビンにもたらすエンターテイナーなのだ。
ふだんはソーラーで充電! イザというときはアウトランダーPHEVの電気で家電を動作!
走るアウトランダーPHEVの魅力を引き出すのは、キャビンに乗っている搭乗者のみんな。でもアウトランダーPHEVは駐車中の魅力がある。それを引き出すのが「V2H」という考え方だ。正式名称は「Vehicle to Home」と言って、災害などで停電が発生したとき、車のバッテリーを家の電力として使うという考え方やシステムだ。
「なんだ、CMで見たことある」という人もいるかも知れない。でも三菱電機のV2Hシステムと三菱自動車のアウトランダーPHEVの組み合わせは、もっと未来を行く、車と家庭の電力を総括する双方向電力システムだ。
つまり家にある車のバッテリー充電器で車載バッテリーを充電できるだけでなく、停電が起きたら車載バッテリーから電力を取り出すこともできる。しかもソーラーパネル(太陽光発電)も扱う三菱電機が、世界に先駆けて開発したのが「電力需給制御システム」。要は太陽光発電と電柱からくる電力、そして車のバッテリーと家のコンセントを総括して管理し、電力会社から購入する電力を最低限にしつつも、安定した電力をまかなえるという世界初のシステム「SMART V2H」だ。
これは筆者の個人的な見解だが、車と家電と重工業を持っている企業は世界を見てもほとんどなく、家庭内電力システムのデファクトスタンダード登場! と言ってもいいかも知れない。2016年4月から始まる電力自由化では、「節電と節約」に強力な、「自然とエネルギー」に協力な武器になる。
たとえば昼間、家に誰もいないときは、ソーラーパネルの発電で冷蔵庫とHDDレコーダーなどの待機電力をまかないつつ、アウトランダーPHEVを充電。それでもなお電力が余るようなら、余剰電力を売電して他のご家庭の電力として使ってもらうことが可能だ。家族が集まる夜間は、昼間アウトランダーPHEVに充電した電力+足りない分だけ電力会社から買うなんてこともできる。もちろん翌朝車を使いたい場合は、価格の安い深夜電力を使って、充電すればいい。
あと数十年もすれば、こんな家庭が一般的になるはずだが、残念ながら、まだ一歩先行く家庭の話し。そんな近未来を先取りしたスマートハウスが、セキスイハイムの「V to Heim(ブィ トゥ ハイム)」だ。今回はそんなセキスイハイムに協力してもらい、モデルハウスをお借りしてアウトランダーPHEVのV2H機能を体験することができた。
停電シミュレーションで驚愕! 停電しないから停電したように書けないぐらい停電してないっ!
「SMART V2H」は、太陽光パネルや車の充電器、家庭の分電盤まで含めた複雑なシステム。しかし普段目にできる、というか見ておく必要があるのは壁に取り付けられたディスプレイだけ。見た目はインターホンと変わりないが、画面がタッチパネル式になっていて、色々な操作や設定ができる。
とはいえ電力の需要と供給バランスをコンピュータが自動解析、設定するので、スマートフォンの操作よりも簡単。というか、独立した3つのボタンでほとんどできてしまう。
たとえば関東地方に64億年ぶりに大雪が降り、筆者の住む第3新東京都市で大規模な停電が発生したとしよう。
通常は画面に見えるとおり、この日はあいにくの雨だったため太陽光発電がほとんど発電していないが、天気がよければ太陽光発電で家のほとんどの電気をまかない、アウトランダーPHEVも充電できる。さらに余った電力は売電してほかのご家庭で利用してもらえる(※ちなみにアウトランダーPHEVに充電した電気も売れる、ダブル発電に対応した売電最大モデルもある)。
そんな平穏な日々に訪れた停電!
でも光っている自立ボタンを押すと、スグに電力が回復。すっごく分かりにくくてゴメンナサイ! なんだけど、これ実は家の中の電力をすべてアウトランダーPHEVのバッテリーから供給中なのだ。
停電しているってのが唯一分かるのは、操作パネルの左側の電柱に×印が付いていることぐらい。あいにくの雨ながら太陽光発電からの供給も若干(0.1kW)あるが、消費電力2.8kWのうち、2.7kWがアウトランダーPHEVから供給されているのが画面で分かる。つまり太陽が出ていない夜でも、アウトランダーPHEVだけで電力をまかなえちゃうというわけ。
ただっ! 問題はっ! 停電しているにも関わらず、停電しているように見えないっ! 筆者の言葉の稚拙さに加え、頭も稚拙ゆえ、「こいつバカじゃねーの?」な絵しか撮れないのである!
照明は全部ついているし、エアコンもまかなえちゃってるので寒くない、あまつさえキッチンのIHヒーターで煮炊きまでできるので、不便さゼロ。まったくもってライター泣かせ。メーカー様には悪いけど、停電じゃないときとの違いがぜんぜん説明できないシステム。それがSMART V2Hなのだ。
電力が復旧すると、再び画面にメッセージが表示され、通常通り電柱からの電力と太陽光発電、アウトランダーPHEVとコンセントの需給バランスを自動的に調整するモードで動き出す。
SMART V2を搭載した住宅は、すでに日本で数百軒もあるという。いやまじ、スゲーな。して、お値段は? ん〜、それなりっ! でも家庭用蓄電池よりもアウトランダーPHEVの使える電気容量は12kWhととても大きく、しかもV2Hなら約600Wまで同時利用ができる。そのうえ、家庭用蓄電池と車を別で持つよりコストパフォーマンスも悪くない。家を建て替える場合は、まだ街の工務店では「V2Hって何?」と言われてしまうかもしれないので、三菱電機さんやセキスイハイムさんから見積もりを取って欲しい!
SMART VH2なしの既存の家でも大活躍! 我が家の国際救助隊! アウトランダーPHEV 1号
モデルルームのある千葉から横浜への道中も楽々。写真のように小雨が降り続き、道路は滑りやすいコンディションだが、ハンドルを握っていても安心の操舵感。
首都高のきつめのカーブでも、タイヤが吸い付くように路面を捉え、車高の高い車に乗っている気がしない。もちろん無茶な走りは厳禁だが、いざというときにはS-AWCという四輪制御システムがタイヤ1輪ごとの回転を制御して車両姿勢をコントロールしてくれるので、滑りやすい路面でも安心なのだ。
さて筆者宅の横浜に到着したら実験開始! ウチにはSMART V2Hなんてハイテクシステムは導入されていないが、もし停電があったとしてもノープロブレム。
アウトランダーPHEVのコンセントからコードリールを引っ張ってきて、簡易電源の確保OK! あとはアウトランダーPHEVのイグニッションをACCモードにして、AC100VスイッチをONにする。これで車内のコンセントから、綺麗な波形を描いた100V電源が取り出せる。
停電が長時間に及びそうな場合は、冷凍食品が解けるとやっかいなので、まず冷蔵庫の電源を確保。首都圏の停電なら断線からの復旧も早いかもしれないが、地方だと時間がかかる場合があるので、まず冷蔵庫の電源を確保したい。さらに夜ならリビングの照明も確保して、家族を安心させてあげたいところだ。
これでひとまず安心。SMART V2Hと違ってエアコンの暖房はチョット難しいので、コタツのコンセントを確保して暖を取る。コタツや電子カーペットは、今でも省エネ暖房のホープなので、これらを使えば家族でも余裕で暖が取れる。
最後はテレビやパソコンをアウトランダーPHEVからのコンセントにつないで電源ON。情報収集するもよし、停電回復までのヒマはレコーダーに取り溜めたアニメを一挙に観るのもいいだろう。
アウトランダーPHEVからどのぐらいの電力を供給できるのか? 何日分の電力を確保できるのかについて、詳細は過去記事を見て欲しいが、満充電のバッテリーでおよそ1日分、ガソリンが満タンなら10日分程度の電力をまかなえると言う。
これまで色々な角度から検証してきたアウトランダーPHEV。まだまだ積雪で気が抜けない今、そして台風シーズンには、ただの電気自動車には真似できないワンランク上の安心と安全を提供してくれる“車”以上の存在になる。100Vのコンセントが車内についているクルマもあるが、こんなに電力(1500W)がつかえるSUVは他にないかもしれない。
がんばれ僕らの国際救助隊!アウトランダーPHEV 1号!
*車両の停止中に、チャージモード(エンジン)で駆動用バッテリーを充電する場合、アイドリングストップに関する条例にに触れ罰則を受けることがありますので、十分ご確認下さい。
【協力:三菱自動車工業】