やじうまミニレビュー

ジレット「フュージョン プログライド」

~切れ味が良く肌の負担が少ない5枚刃カミソリ
by 伊達 浩二


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


刃の数を増やさない進化

ジレット「フュージョン プログライド」

 大方の男性がほぼ毎日お世話になるシェーバーは、電気カミソリとT字型カミソリが2大勢力だろう。いまは電気カミソリというよりは、電動シェーバーとか、単にシェーバーという言い方の方が耳になじんでいるかもしれない。

 私は両方併用しているのだが、電気カミソリの進歩は著しい。切れ味も良いし、肌も傷めず、手間もかからない。特に自動洗浄機能が登場して、清潔な状態が簡単に保てるようになってからは、ほぼ完璧だと感じている。

 しかし、T字型カミソリを捨てたわけではない。いまでも、ほぼ毎日使用している。それは、毎日の儀式としてヒゲを剃ることが習慣化していることと、T字型カミソリならではの爽快感が確実にあるからだ。蒸気で柔らかくなったヒゲに石鹸を塗り、T字型カミソリで剃ったときの、さっぱりとして気持ちは、電気カミソリでは味わえないものだ。

 また、T字カミソリ自体も進化を続けている。私がヒゲを剃り始めたころに、それまで1枚だったカミソリの刃が2枚になった。それから三十余年、いまでは4枚刃や5枚刃の製品が中心となっている。

 今回の「フュージョン プログライド」は、5枚刃の「フュージョン」シリーズの発展型で、「剃るからすべらせる」というのが謳い文句だ。つまり、肌への抵抗感をなくして、ひっかかりを無くすことを目指している。

 そもそも、刃の枚数を増やすメリットとして、刃の面積を増やし、刃の単位面積当たりの圧力を減らして、肌にやさしくするということがあった。しかし、今回のプログライドでは、刃の枚数はそのままだが、5枚中4枚の刃を薄くして切れ味を増すことで肌への負担が少なくなっているという。先日の発表会では、プロレスラーの蝶野正洋が、自慢のヒゲを剃り落とすパフォーマンスを行ない、その切れ味と肌への負担の少なさを見せた。

 今回は、2月下旬に発売される「フュージョンプログライドパワー(モーター内蔵版)」の試供品をいただいたので、試して見た。Amazon.co.jpでは2月28日出荷予定で、1,180円で予約販売されている。


メーカージレット
製品名フュージョンプログライドパワー
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,180円

 まず、「フュージョンプログライドパワー(以下プログライド)」の外観から見てみよう。

 ボディ全体は銀色で、そこに青で縁取られた黒い部分がある。T字型カミソリとしては大きめで、ホテルなどに備えられている使い捨てのカミソリに比べると1.5倍ぐらいの大きさがある。

パッケージ背面。ヘッド周りを中心に改良が加えられている透明な置き台が付属する置き台にはめると自立する。洗面台などで場所をとらない

 特にヘッド部分の差が大きい。一体成形された樹脂のヘッドに1枚だけの刃が挟み込まれた使い捨てカミソリに対し、プログライドのヘッドは5枚の刃だけでなく、サスペンションやコームなど、複雑な構造となっている。また、ヘッド全体が首振りをするようになっている。

 まず、5枚の刃の面積の広さを見ただけでも、肌に優しいことがわかる。また、肌に沿って柔らかく刃を支える構造や、ヒゲをなめらかに受け流す構造などが盛り込まれている。

ヘッド部分。5枚刃以外の部分も、複雑な構造となっているヘッドの背面。弾力のある素材で刃を支えているのがわかる本体構造の説明図
乾電池ケースはひねって開ける青いLEDの部分が電源スイッチ。電池が切れかかると点滅するという本体の長さは約15cm
刃は、青い楕円形の部分を押すと外れる負荷をかけないヘッドの状態ここまで大きく首振りする

 ホテル備え付けの使い捨てカミソリを使って肌を痛めた経験のある男性は多いと思うし、それがT字型カミソリへの嫌悪感へ結びついている人もいるだろう。プログライドは、同じT字型カミソリとはいえ、1枚刃の使い捨てカミソリとは、まったく別物と言って良いほど構造から異なっているのだ。

左は使い捨てのカミソリの例。かなり大きさが違う同じくヘッドの比較。同じ荷重がかかった時に左の方が刃にかかる負荷が大きいことがわかる

スムーズな剃り味

シェービングフォームの「フュージョンシェービングジェル」が同梱されていた

 では、実際にプログライドでヒゲを剃ってみよう。

 今回は、ジレットのオリジナルシェービングジェル「フュージョンシェービングジェル」も手に入ったので、まずこれを手のひらで伸ばして顔に塗る。

 フュージョンプログライドパワーは、刃を微震動させるモーターを内蔵している。本体中央部の電源スイッチを入れると、青いLEDが灯り、カミソリ全体が震動する。モーターは強力で、平らなところに置くとカミソリ全体が動いてしまうほどだが、本体のグリップが良いので手に持っているときは振動が気にならない。



 

モーターは強力で、手で持っていないと回転してしまう

 

 ヘッドの位置を決め、腕には力を入れず、肌の上を滑らせるように移動させる。刃が何枚とかヘッドの動きがどうこうとか、そういう感触はわからない。ただ、スーと動かすと剃れている。以前のフュージョンでは、刃の厚みがわかる感じがしたのだが、今回はヘッドが一体になった感じだ。刃の切れ味がとても良いのだろう。

 今回は数回しか剃っていないので、この切れ味がどれぐらいの期間続くのかはわからないが、少なくともおろしたての数日間の剃り味は秀逸だ。

2月15日に行われた製品発表会でヒゲを剃るプロレスラーの蝶野正洋。シェービングフォームだけの水なしの状態で、カミソリがぶれて写るほど手を速く動かしている剃り終えた後のカット。肌に傷はなかった

T字型が初めての人にこそ

 プログライドは、スムーズな剃り味を持っている。しかし、これまで4枚刃や5枚刃に慣れた人にとって、わざわざ買い換えるほどかというと、差はそこまで大きくない。次にフォルダを買い換えるときに乗り換えれば良いだろう。

 むしろお勧めしたいのは、T字型カミソリに興味はあるが、切り傷や肌荒れが怖いという、T字型カミソリ未経験の人だ。プログライドは切れ味が良い上に、肌に負担がかからないので、肌に当てる角度や、手の動かし方が多少乱暴でも、かなり安全だ。便利さでは電気カミソリに分があるが、文化ともいうべき独特の味があるT字型カミソリの世界をぜひ試してほしい。




2011年 2月 24日   00:00