やじうまミニレビュー
義春刃物「ミートソフター」【訂正版】
義春刃物「ミートソフター」 |
肉は、炒めればそれだけで、とりあえずのおかずになるので、食卓の登場回数も多い。スーパーには、それこそピンからキリまで様々な肉が並ぶが、国産に比べて安価な外国産の肉につい手が伸びる。柔らかさや味の面だけを考えると、国産の方が良いに決まっているが、お財布事情を考えるとなかなか、そうもいかないのが現状だ。
しかし、安さを追求した肉は味もそれなり――なにより気になるのが歯ごたえだ。肉の種類や部位によっては硬くて、とても食べられないというものもある。そんな硬い肉の調理を調理するときに便利なのが、肉たたきだ。肉の筋を断ち切ることで、肉を柔らかくし、味もしみ込みやすくする。
今回紹介するのは、そんな肉たたきの中でもユニークな形を採用した義春刃物の「ミートソフター」だ。ミートソフターは、正確にいうと肉たたきではなく、肉の筋を切るために使う「肉の筋切器」だ。食肉の繊維や筋をカットし、肉を柔らかくするという。本体には、先端が逆U字型になった刃が8本生えていて、これを直接肉に突き刺すようにして使う。
メーカー | 義春刃物 |
製品名 | ミートソフター |
希望小売価格 | 2,100円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 1,554円 |
逆U字型の刃は、見た目はまるで彫刻刀のようで、見るからに良く切れそう。直線ではなく、カーブが付いていることで、筋を断ち切りやすくするだけでなく、肉の表面に刃の跡が残りにくく、肉が切れてしまうというようなことも防げる。両サイドには、刃より長めのストッパーが設けてあるので、刃がお肉を貫通することはないようになっている。これにより、刃やまな板を傷つける心配がないのだ。
変わっているのは、本体のグリップ部分。手のひら全体で握るようにして使う。
ミートソフターの刃は、見ているだけでも怖くなるような鋭利なものだが、収納用のカバーが付属するので、未使用時には安全にしまっておける。
【お詫びと訂正】
初出時、本体カバーとプロテクターを混合しており、本来外さない状態で使用するプロテクターを外して使用しておりました。
本来は、プロテクターとは別にカバーが設けられており、使用時はそのカバーのみを外して使用します。以下に、正しい使い方の写真を掲載いたします。編集部の確認不十分で、ご迷惑をおかして、大変申し訳ございませんでした。ここにお詫びして訂正させていただきます。ご指摘を頂きました読者の皆様には深く感謝いたします。
製品本体。刃の先端にはカバーが付いている | カバーを外した状態 | プロテクターの間から刃が出てくる |
肉に押しつけるようにすると、プロテクターの間から刃が出てくる | 使用しているところ |
まず試したのは、トンカツ用の豚ロース。豚ロースは、脂の層があって、厚みもあるので、硬い。レシピブックなどでも肉たたきするようにと、指示されることが多い部位だ。
付属の説明書によると、片面だけでなく、両面するとより効果があるとある。上から、ざくざくと刃を差し込んでいくが、ストッパーがあるため、刃の抜き差しはスムーズにできる。感心したのは、刃の跡がみるみるうちに消えてしまうこと。刃先が鋭利なので、肉を傷つけることなく、筋の部分だけを切断してくれるようなイメージだ。
仕上がりには驚いた。中までしっかり加熱されているからなのか、柔らかいだけではなくふっくらしている。さらに、効果を実感したのは、ミートソフターを使わずに揚げた肉を食べた時。同じ肉なのに、食感が全く違う。ミートソフターでたたいていない肉は、噛み切るのに力が必要で、噛みごたえも硬い。ちょっとしたひと手間でここまで、味が変わるとは思わなかった。
トンカツ用の豚ロースに使っているところ | いつもより柔らかくて、ジューシーに仕上がった |
これまで、肉をたたくというと、ステーキ肉やロース肉など、塊肉に対して使うものというイメージがあったが、ミートソフターの説明書には、「バラ肉やコマギレ肉にもどうぞ」とある。そこで、試したのが牛肉の切り落としだ。
安価な値段でたくさん買えるので、購入頻度が高い一品だ。まな板の上に肉を広げて、上から刃を指していく。豚ロースに比べて薄いからなのか、肉が刃から離れずにくっついてしまう。ポイントとしては、ゆっくりと作業を進めること。あせってスピードを上げると、肉が刺さったままになってしまう。
薄手の肉なので、刃を刺したりしたら肉がちぎれてしまうのではないかと思っていたが、実際には一切そんなことはなかった。これだけ薄い肉でも大丈夫なら、豚の薄切りやコマギレなどでも充分使えるだろう。
特価で買った牛肉切り落とし。閉店間際で10%OFFだった | ミートソフターを使った跡。表面に点々と、穴のようなものが残っている |
ビーフストロガノフを作った。肉が縮んでしまうことなく、柔らかい仕上がり。短時間でさっと作った割に、味がしっかり染み込んでいた |
今回は、牛の切り落としを使って簡単ビーフストロガノフを作った。仕上がりはバッチリ。薄い肉の場合、加熱するとキューっと縮んで、硬くなってしまうが、ミートソフターを使って調理した肉は、縮みが穏やかで、柔らかく仕上がる。あらかじめ、刃を通しておくことで、味も中まで染み込みやすくなる。
使用後の手入れも簡単。私の場合は、専用ケースを外して、そのまま食器洗い乾燥機にかけてしまっている。食器洗い乾燥機がない人でも、刃の根元までしっかり洗えるので、衛生的。生の肉に使うものなので、水洗いできるのは嬉しい。
肉の筋を切るというと、なんとなくステーキ肉や塊肉などちょっと高級な肉に使うイメージがあったが、考えてみれば硬い肉を柔らかくするために行なうことなのだから、高級肉に手が届かない私のような人こそ、活用すべきだ。 ひと手間加えるだけで、確実に仕上がりの味がアップするので、最近は肉料理と言えば必ずミートソフターを使うようになった。肉が好きな人は試してみる価値アリだ。
2011年 2月 23日 00:00
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