やじうまミニレビュー

「ずっとそのページを見ていたい」に応える、透き通った美しきBOOK

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

好きなページを開いたままに

TENT「BOOK on BOOK」

 この本のこのページを、手で押さえずに開いたままにしておきたい……。そんな思いをかなえたのが、TENTの「BOOK on BOOK」。本の形をした透明の物体です。お気に入りのページを開き、その上に乗せるだけで、無理なく開いた状態をキープできるのです。しかも、非常に透明度が高いため、ページの印象を損なわずに内容を見ることができます。実用的な面ももちろんですが、そのもの自身の美しさもあいまって、「欲しい」と思わせる魅力にあふれた品です。

メーカー名 TENT
製品名 BOOK on BOOK
購入場所 直販サイト
購入価格 6,048円(税込)

 面白い本に出合った時、それこそ、食事や寝る間も惜しんで読みたい! と思うことはありませんか? この「BOOK on BOOK」は、まさに、あるデザイナーのそんな欲求から生まれました。

 大好きな小説に熱中し、食べながらでも読み続けたい、でも、食事をしながらでは当然両手は使えない……。しかたなく、ある程度の重さがあるものを左右のページそれぞれに置いてみたところ、あまり具合がよろしくない。読んでいる最中に重しがずれたり、ページをめくるたびにバタバタする感じも落ち着かない。何よりも、その作業によって「読む」という行為が中断されるため、せっかくの本の世界観にひたれない、というのが一番の問題でした。

 そこで、もっと何かできないだろうか? というのが、この「BOOK on BOOK」を考えるきっかけになります。

 しかし、その道のりは簡単ではなく、満足いくものができるまでの年月は7年を数え、その間の試行錯誤も数知れず。デザインを考え、素材を吟味し、価格とのバランスをふまえ……と問題は少なくありません。最終的には、優れたアクリル加工の技術をもつ工場との出会いにより、この「BOOK on BOOK」が商品として出来上がったのです。

すっきりとしたシンプルな箱に入っている。「あなたのお気に入りのページを開いたままにする透明な本」という英文が添えられている
箱を開けると、いかにも「本好き」な思いが伝わるたたずまい。作り手の気持ちがこちらにも届くような気がする。ちょっとワクワク

本がもつ「世界観」を大切にしたプロダクト

 電子辞書の普及により、紙を束ねた「本」の在り方は変化しています。内容はもちろんですが、その本のために選ばれた紙の手触りやインクの色、文字の書体や行間、文字組など、それらすべてを楽しめることが、一冊の本がもつ深さだと言えるでしょう。そして、その本の「世界観」をじゃますることなく読める「BOOK on BOOK」は、本のパートナーとしてはなかなかに秀でているのです。

 まず、その形状に頬がゆるみます。サイズは210×185×20mm(幅×奥行き×高さ)で、新書版くらいの本を開いたような立体的なフォルム。何より驚くのは、5mmもの厚さがあるアクリルなのに、透明度がとても高いこと。これだけを手にしてあれこれと目に映るシーンを切り取っても楽しくなります。

 また、220gの適度な重さでページを押さえ、本を無理なく開いた状態に保ってくれる実力。開きたいページを手のひらでごしごしと強くしごいたりする必要はなくなりました。本も傷まず、美しいままに楽しむことができる……。「本好き」にとってはうれしい“透明本”の登場です。

アクリルの厚さは5mm。こんなに厚みがあるのに、その透明度は素晴らしく、まるでガラスのよう。まさに、透明な本という印象
新書版に重ねるとぴったりなサイズ。高い透明度のおかげで、「BOOK on BOOK」の上から文字を読んでもまったく遜色なし
特に力を加えてページを開かなくても、この重みだけで本はきれいにオープンな状態に。本に寄り添う姿は何やら美しく、一体化して見えるほど

 文庫本や新書、サイズの割には厚い本、横長の変形サイズの本、ハードカバーの開きにくい本……いろいろな本で試してみましたが、どんな本でも、問題なくその力は発揮されました。

 例えば、レシピを見ながら料理をしたい時。本は汚したくないけれど、お茶やお菓子とともに読みたい時。辞書と首っ引きで翻訳しなければならない難解な外国語との格闘時。そのままインテリアとして飾っておきたい写真やアートを見つけた瞬間。そのページを開いたままにしておきたいケースはいろいろあります。

 そんな時、どのような本にも寄り添えるこの「BOOK on BOOK」。肉厚のアクリルが、職人の手作業によって1つ1つ加工され、研磨されて生まれるこの透き通るBOOKは、本好きには心躍る“一冊”になることでしょう。

美しい文字組と写真のページを開いて乗せてみる。もともとのページの印象を十分に残しながら、「BOOK on BOOK」の存在も感じられる。違和感なく見られることが、このプロダクトのレベルの高さを物語っている
レシピを見ながら料理をしたい……なんてときにも重宝する。サイズが大きい本でも問題はなし。大は小を兼ねる、ではなく、「小は大を兼ねる」なのだ
厚さ数cmの本の後ろ寄りのページを開いてみた。ページ数が左右対称ではない箇所を開いても、ぽんと乗せるだけで、この落ち着き。まさに、万能。もちろん、置いた本だけでなく、立てかけた本に寄りかからせて使うことも可能

 「透明な存在感」。「BOOK on BOOK」は、この一見矛盾した表現にぴったりな、魅力に満ちたメイドインジャパンの美しい逸品です。

光を反射して輝く美しいアクリル。本以外にも、「BOOK on BOOK」越しにあちこちのぞいてみると、その景色が切り取られて見えて楽しい。作り手の愛あるコンセプトとそれを形にする技術に支えられた、スペシャルな1冊

(座間 佳子)