やじうまミニレビュー

太陽エネルギーでお湯を沸騰させる「ミラクルソーラーポット」

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

 最近、太陽電池パネルが注目されているが、個人的にはあまりの非力さにガッカリした再生可能エネルギーだ。なにせ、A4サイズの太陽電池パネルを使って、ようやくスマートフォンが急速充電できる程度なのだ。

 しかし、今回紹介するドリームチームの「ミラクルソーラーポット」は、太陽光を使って発電するんじゃなくて、お湯を沸かす。太陽電池でガッカリしたので、ポットもぬるま湯しか沸かないだろうと思いきや、なんとラーメンが作れるぐらい沸騰するのだ!

ドリームチーム「ミラクルソーラーポット」
この中に水を入れて太陽に向けると、お湯を沸かせる
メーカー名ドリームチーム
製品名ミラクルソーラーポット
品番S0030
希望小売価格10,080円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格9,990円

まずは100℃以上まで沸騰することを実証しよう!

温度計をポットの中に入れて、水の温度変化をパソコンで記録した

 見た目が安っぽいだけに、筆者と同じく「こんなモノで水が沸騰するわけがない」と思う人も多いだろう。そこでまずは、実際に水を沸騰させた実験結果からお見せしよう。

 ポットに500ccの水を入れ、しっかりフタをして、太陽のよく当たるベランダにおいて様子を見た。ポットの中には温度センサーを入れ、温度はパソコンで1分ごとに1℃刻みで記録。実験は、気温23.8℃、水温(水道水)19℃で行なった。結果は、以下のグラフの通り。

水道水は約2時間で沸騰した

 太陽が高くなってくる11時ごろから初めて、およそ2時間で水を沸騰させることができた。メーカーのページでも同様の値が謳われていたが、偽りはないようだ。「500ccの水を2時間で沸騰できる」のがどれほど実用的なのか? に対しては賛否両論ありそうだが、多くの太陽電池パネルを見てきた筆者の独断では、物凄くエネルギー効率がよく、実用的に思える。

水はぐつぐつ煮え立つほど沸騰するので、カップめんも余裕で作れる
もちろん紅茶やコーヒーなども煎れられる

 もし昼食にカップめんを食べるなら、10時頃から始めればちょうど昼ごろにはお湯が沸くだろう。昼ご飯を食べ終わって再びポットに水を入れておけば、3時のティータイムにもお湯が沸く。午後は日が傾いてしまうので、かなり辛いかもしれないが、沸騰させられなくてもかなり熱いお湯を夕食どきに用意できるだろう。

 なお、このポットは真空容器になっているので、いったん沸騰させると魔法瓶のように、6時間たっても65℃以上に保温できるのだ。

使い方も構造も簡単

収納時のサイズ。オートキャンプならそれほど荷物にもならない

 ミラクルソーラーポットは、収納時にはコンパクトに折りたためる。太さはおよそ8cm、高さは40cmほどと、500mlのペットボトルを2本積み重ねた感じだ。重さは約1kg程度。オートキャンプなどで重宝するだろう。

 キャップの上には、赤い金属製のバルブが付いていて、沸騰すると水蒸気が逃げるようになっている。また、安全のために見えない部分にも、バルブが2つ設けられている。

 容器は、衝撃にも強い2重ガラス構造になっていて、魔法瓶のように真空になっている。そのため、保温性も高く、飲み物の臭いも移りづらい。また、ガラスの外側は黒くなっているので、太陽の熱を効率よく吸収できる。

キャップの上についているのが、水蒸気を逃がすバルブ
注ぎ口は、2重ガラス構造になっているのが分かる

 ポットの中に水を入れたら、金属製の取っ手兼ロックレバーを持ち上げ、ポットのドアを観音開きにする。凹面のミラーはガラス製ではなく、金属箔のシールになっているので、割れる心配はない。あとはミラーの溝に取っ手をはめ込み、しっかりとロックすれば準備完了。太陽の方向に向ければ2時間で水が沸騰する。

持ち運び用の取っ手は、ロックレバーにも、湯沸かし時の足にもなる
中央のカバーは観音開きするとミラーになっている
カバーの切り欠きに取っ手をはめ込むとロックできる
この状態で2時間太陽を浴びれば水が沸騰する

 なお、冬の快晴時では5時間で90℃のお湯が沸かせるという。

キャンプや釣、スポーツ観戦などのお供に

 水が沸騰するまで2時間かかるので、トレッキングや登山などに持っていくには不便だろう。長時間、同じ場所に留まるアウトドア、例えば釣りやキャンプ、スポーツ観戦のお供にするといい。

 また非常時には、水を煮沸消毒して飲用にしたり、ポットとして使うなど、いざというときにも頼りになる存在だ。

藤山 哲人