やじうまミニレビュー
Easypix「EASYPET」
~愛犬の行動が分かる、ペット目線の小型ビデオカメラ
by 藤山 哲人(2012/12/18 00:00)
ペットは日がな一日何を見て、何ををして暮らしているのか? そんなペット目線で一日の様子を撮影してくれる超小型ビデオカムレコーダーがある。それが今回紹介する「EASYPET(イージーペット)」だ。
microSDメモリーカードに映像を記録する超小型ビデオカメラレコーダー(以下、VCR)であると同時に、一定時間おきに静止画を撮るインターバル撮影にも対応しているので、ペットの生活をペット目線で長時間撮影したり、一人でお留守番をさせているときに、どこでどんなイタズラをしているのかが分かるという面白アイテムだ。
さっそくこのEAST PETをウチのマルチーズ「定吉」に着けてみて、ヤツの生活をペット目線で見てみることにした。
メーカー | Easypix |
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製品名 | EASYPET |
購入場所 | ヨドバシカメラ |
購入価格 | 11,800円 |
足跡のデザインがかわいい本体。小型犬や猫にはちょっと重いかも?
EASYPETのセット内容は、左の写真の通り。まずカメラ本体は、水中3mまでの防水仕様になっていて、雨の日の散歩はもちろん水浴びしても問題ない。また本体はクリアで硬いプラスチックの上を、比較的柔らかめの黒いプラスチックで防護しているので、多少の衝撃やペットにかじられても壊れることはない。足跡のマークが付いたデザインがかわいらしい。
カメラの中には小型のリチウムイオン電池が内蔵されている。充電するにはパソコンのUSBコネクタやスマホのUSB/AC充電器に接続すればいい。なお充電にかかる時間は、およそ4時間だ。
映像はmicroSDに記録される。セットには4GBのメモリーカードがついているので、買ったその日から撮影可能だ。カメラ本体のUSBコネクタとmicroSDカードスロット(microSDの差し込み口)は、簡易防水になっているため、専用の小さなドライバでネジを回し、フタを着脱する。
映像はWindowsパソコンなら何でも再生できるAVI形式(拡張子“AVI”)で記録され、静止画はデジカメなどと同じJPEG形式(拡張子“JPG”)で記録される。なので、撮影した写真や映像を見るには基本的にパソコンが必要になる。
パソコンとはUSBで接続する。接続するとUSBメモリーとして動作し、パソコンにドライブが1つ追加された状態となり、静止画やムービーが見られるようになっている。ドライバをインストールする必要はない。
マニュアルには対応OSが表記されていなかったが、筆者が確認した限りWindows XP/Vista/7の各OSで動作した。
カメラは首輪でペットに取り付けるようになっていて、ネックレスのようにカメラをぶら下げる格好になる。セットには、小型犬や猫用の小さい首輪と、中型~大型犬用の大きな首輪もセットされているので、犬種を選ぶことはないだろう。
説明書は英語、フランス語、ドイツ語となっているが、輸入代理店で翻訳した日本語の説明もついている。
首輪の固定はマジックテープ式になっているが、普段着けている首輪に比べると少し強さが足りないようなので、リードをEASY PETの首輪につけるのは避けたほうがよさそうだ。散歩中の映像を取る場合は、普段の首輪の上からEASY PETの首輪をつけるようにしたい。またカメラには、ストラップを付けるための穴が開いているので、これを利用しても良いだろう。ただし、専用の首輪を使わないと、カメラが不安定になり、映像がかなり揺れる。
カメラの重さは、首輪を抜いた固定具とカメラ本体、microSDを入れた状態で70g。手に持った感じはチョット重い気がするが、ウチのマルチーズに着けて様子を見てみることにしよう。
ちょっと気になるようだが、しばらくすれば慣れてくる
さていよいよ定吉に登場してもらい、カメラをつけてみよう。普段の首輪を外して、カメラをぶら下げると、やっぱり違和感を感じるようで、最初はしきりに首を振っていた。しかし、しばらくすれば慣れたようで、おとなしくなった。
言葉を話せないので重いかどうかは分からないが、マルチーズをはじめミニチュアダックスフンド、チワワやヨークシャテリアなどの小型犬に長時間つけるのはちょっと可愛そうだ。おそらく猫にとっても少し重いと感じるだろう。
中型犬以上であれば、首の筋肉も強いので、それほど重さを感じないかもしれないが、こればかりは犬の性格にもかなり左右されそうだ。
では、定吉がいつもどんなモノを見ているかを、実物の映像で見ていただこう。定吉はどんなおやつよりキャベツが大好きで、冷蔵庫の野菜室を開けるとすっ飛んでくるほどだが、今回はその様子をEAST PETのビデオモードで撮影してみた。それが以下のムービーだ。
なお下の動画は、実際にEASYPETで撮影した640×480ピクセルのムービーを縮小し、字幕とBGMを入れて編集した。
ご覧のとおり、ペット目線にかなり近い映像が撮れる。ムービーは640×480ピクセルとかなり粗いが、これだけ小型のVCRなら致し方ない。なお音声には時折「ジジジ、プチ」というノイズが入るが、カメラ本体にはマイクが付いていないので、実際の音ではない。
首にかけたカメラなので、写っている映像は視線より低い映像となる。大型犬につけた場合は、もう少しリアルな目線っぽくなると思われる。遠くを撮影している場合はそれほど気にならない目線でも、飼い主からおやつをもらっているような近くの映像を撮ると、やはり視線が下にあるのが気になってしまう。
次は1分間隔で静止画をインターバル撮影したものだ。
こちらも画像のサイズは、640×480ピクセルとかなり粗い。しかし留守中にペットが何をしていたかを見るぐらいなら十分だろう。インターバル撮影の間隔は、1,3,5,10,15分となっている。家族でちょっと買い物に行っている間は1分間隔、何時間も留守番をさせる場合は10分間隔などにすればいい。
操作は簡単で、一番上のボタンが電源ON/OFF、中央が撮影開始とシャッターボタン、一番下がモード切替ボタンだ。電源を入れモードボタンを押すと、現在のモードが左側の液晶に表示されるので分かりやすい。
このモードを「dC」にすると、普通のデジカメのようにシャッターを押したときだけ静止画を撮影する。動画とインターバル撮影の場合は、シャッターボタンを押すと撮影開始だ。
カメラの撮影状態は、レンズの上にある小さなLEDの状態で分かるようになっている。光るパターンがたくさんあるので最初は難しいが、慣れてしまえば何のことはないだろう。
なお、パソコンと接続すると、自動的に撮影は中断される。また、パソコン接続中にカメラを動作させることはできない。
LEDの状態 | 意味 |
赤 | 充電中 |
消灯 | 充電完了・電源OFF |
緑連続点滅 | 動画撮影中 |
緑1回点滅 | シャッターを切った |
青常時点灯 | インターバル撮影待機中 |
青ゆっくり点滅 | メモリーカードがいっぱい |
青早い点滅 | バッテリー残量なし |
ペットだけじゃなく人間用のアイカメラとしても使える
このカメラの目的は「ペット目線でモノを見る」というものだが、超小型VCRなので応用範囲は広そうだ。日本語版の取扱説明書には、用途以外に使用しない旨のことは書かれていなかったので、右の写真のようにアイカメラとして使ってみた。
大型犬用の首輪を見ていたらフッと思いつき、頭にはめてみたらドンピシャ! の大きさ。これで車を運転してみたら、面白い映像が撮影できた。なお、これも元の640×480ピクセルの映像から縮小している。
これはなかなか面白いじゃないの! きちんと目線カメラになっているから驚き。本来の用途ではないので自己責任にはなるだろうが、模型に乗せても面白い映像が撮れるだろうし、緩衝材に包んでペットボトルロケットにつけても面白い映像が撮れそうだ。
留守中にイタズラするペットのしつけに、ペットの気持ちがもっと知りたい人に
EASYPETを着けておけば、常にペットを見張っていなくてもその行動を把握できるので、こんな人にオススメしたい。
・ペットがケガをするようなもの探し
ペット目線の映像が撮れるので、ペットがケガをしてしまうのが部屋にないか? ペットが食べるとマズイものがないか? イタズラしそうなものがないか? などを発見するのに役立つだろう。
・留守中にイタズラするペットのしつけ対策検討用に
お留守番をさせているペットの行動を録画すれば、飼い主の目を盗んでどんなイタズラをしているのかがよく分かる。これを元にイタズラ対策するといい。
・ペットの気持ちをもっと知りたい人に
いつ起きていつ寝ているのか? 飼い主が寝ている間はどんな行動をしているか? お散歩では何に興味を持っているのか?などが分かるので、より親密な関係を気づけるだろう。
価格は1万円程度と少し割高な感もするが、ペット用に3mの防水になっていたり、多少かじられても大丈夫になっていたり、専用の可愛らしい首輪もついていたりと、ペット用にカスタマイズされている。その点を考えれば、一般的な超小型VCRに比べれば決して高くはないだろう。