貝印「ペットボトル・袋干し」

　ペットボトル飲料は便利だ。持ち歩けるし、コンビニや自販機ですぐ手に入る。

　しかし、捨てるのが面倒くさいという欠点がある。私の住む自治体は、ゴミの分別に厳しい。ペットボトルを捨てるとなると、まずキャップと本体を分別して、本体のパッケージをはがし、本体内部が乾くのを待ってから、押しつぶして……と、結構な手間がかかるのだ。

　空の容器は、乾かすのにも時間がかかるので、乾かしているうちにどんどん溜まっていく。ペットボトルだけではない。空き缶や空きビン、プラスチックケースなど、空の容器はかさばるものが多い。空の容器が溜まっているとどうしてもキッチンが殺風景になるので、なんとかしてうまく乾かせるアイデアはないものかと思っていたところ、貝印の「ペットボトル・袋干し」と出会った。

　「ペットボトル・袋干し」は、ペットボトルやジップロックなどの保存用ビニール袋を干すための物干しスタンドだ。この製品は、“キッチンで、楽しいエコライフ”というテーマのもとに作られた貝印の「mottai nice(モッタイナイス)」というシリーズの1つで、リサイクルや限りある資源を大切にすることがコンセプトなのだという。

　見た目は、大根の頭の部分をスパッと切り落とした時のような形をしている。白い土台の上に、緑色の細長い棒が計4本、長いのと短いのが2本ずつ生えている。この緑の棒は、先っぽに向かってゆるいカーブを描いており、まるで葉っぱのようだ。

　本体サイズは、葉っぱを畳んだ状態で約110×110×300mm(幅×奥行き×高さ)。棒を広げると、幅が最大で30cmほどになる。本体重量は約80g。本体はポリプロピレン製で、まるごと水で洗える。

　使い方は簡単。この葉っぱ（以下、緑色の棒を葉っぱと呼ばせていただく）を広げて、そのままペットボトルや袋をさすだけだ。

ふだんのキッチン。乾かしている傍から空き容器がたまっていく	透明のパッケージに入っている	パッケージ背面には使用方法が記載されている

大根の頭の部分をスパッと切り落とした時のような形	広げるとこんな感じ

　本体があまりにもひょろひょろしていて、重量も軽いので、すぐ倒れてしまうのではないか……と不安になったが、実際に500mlのペットボトルを干してみると、本体はしっかり安定して立っていた。ちょうど根元あたりに口が届くので、滴り落ちてきた水滴が受け皿に溜まるしくみだ。

　ペットボトル類は、普通に置いておくよりも、口を下にして干したほうが、乾くまでの時間が早い。夜、窓際の通気性が良いところにボトルを差して置いておけば、次の日の朝にはボトルが乾いていた。これなら、翌朝飲み物を入れて持ち歩くにもちょうどいい。乾くのが早いと。次々に空き容器を干していけるので、回転が速い。葉っぱが4本しかなくても、少ないとは感じなかった。

ペットボトルを干したところ	ジップロックの袋を干したところ	こぼれてきた水は受け皿で受け止めるので、キッチンが水にぬれなくて済む

　次に、ジップロックのビニール袋を試してみる。袋の大きさはノートより少し小さいくらい。袋をかぶせると、本体がすっぽり覆われた。我が家のキッチンにはこれまで袋を干せる場所はなく、袋の類は使い捨てしてしまっていたのだが、この「ペットボトル・袋干し」があれば、袋を洗って乾かして、また使うことができる。いちいち袋を買う必要がないので、経済的だ。

　続けて、350mlの空き缶、1Lの紙パック、2Lのペットボトルなども干してみたが、大丈夫だった。葉っぱの長さが長短2本ずつあるので、紙パックのような長いものも十分に干せる。2Lのペットボトルを干す時は、さすがに倒れるのではないかとヒヤヒヤしたが、全く動じなかったので安全だ。

空き缶を干したところ	紙パックのような長いものにも対応する	2Lのペットボトルにも対応した

　ほかにも、プラスッチックのような容器類も干せる。たとえばトマトや卵のパックなどだ。しっかり水気を切って捨てることで、ゴミから出る臭いを軽減することにも役立つはずだ。

　驚いたのは、サラダスピナーなどの比較的重めのプラスチック容器も干せたこと。ガラスや陶器は干せないが、キャベツ1個分程度の重さがあるサラダスピナーも、倒れずに干せたのには驚いた。ひょろひょろした見た目の割に、本当にしっかりしている。

トマトや卵のパックを干すのにも便利	サラダ用の野菜の水気を切るサラダスピナー。本体が大きく、干すのに場所をとる。さらに中はザル状で細かく入り組んでいるため、乾きにくい	キャベツ一個分程度の重さがあるサラダスピナーも、倒れずに干せた!

食材などを入れるプラスチック容器も干せた。重さにも耐えた	入れ歯入れも干せる。衛生的だ

フルで使ったところ。大きいものから小さいものまで同時にさしても大丈夫!

　正直この製品を使うまでは、デザインの面白さばかり目に付いて、機能性にはさほど期待していなかった。だが、実際に使ってみると、普段は畳んで置けるから場所をとらないし、意外と実用的なことがわかった。空のボトルや缶が複数ぶら下がってても、殺風景にはならず、逆にリサイクルを視覚的に楽しめるのが面白い。

　干す対象は、ペットボトルや袋だけではなく、紙パックや空き缶など多岐にわたる。ペットボトルなと飲料を買ってきて飲むことが多い人や、リサイクルに力を入れている人にとっては、「あると便利」という言葉を実感できるはずだ。ぜひひとつ、キッチンの風景に添えてみてはいかがだろうか。