やじうまミニレビュー
思い立ったらシュッシュッシュッ! 電源不要で本格エスプレッソが楽しめる「ミニプレッソ」
2017年5月24日 07:00
自宅はもちろん、屋外でも手軽に本格的な美味しいエスプレッソが楽しめるマシンとして、今回はラドンナの「minipresso(ミニプレッソ) LG12-MP」を紹介しよう。
メーカー名 | ラドンナ |
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製品名 | ミニプレッソ LG12-MP |
実勢価格 | 7,049円 |
一般的な電動式エスプレッソマシンと違い、ミニプレッソは電源が要らないポータブルタイプのエスプレッソマシンだ。極細挽きのコーヒー豆とお湯を本体にセットして、沈胴式のピストンを手で押すだけで、あっという間に美味しいエスプレッソが抽出される。
大きさは約60×177×70mm(幅x高さx奥行き)で、重さは約360g。350mlのステンレスボトルと同じぐらいなので、コンパクトに収納、持ち運びができる。
ミニプレッソは、全部で6つのパーツで構成されている。コーヒー粉用の計量スプーンは、お湯用計量カップの中にしまえるので、まとめて収納できる。キャップは抽出口をカバーしておく他、カップ代わりにもなる。
使い方はとても簡単だ。抽出前に沸騰したお湯を用意し、ミニプレッソを分解しておく。
1. 極細挽きのコーヒー粉を、コーヒー粉用の計量スプーンにすり切り1杯入れる(約7g)
2. 計量スプーンに抽出カップを被せ、ひっくり返して粉を抽出カップへ移す
3. 粉の入った抽出カップを、本体の上(ロゴが入ってる側)に載せる
4. ノズルユニットを垂直に本体に載せ、止まる所までしっかり締めつける
5. お湯用計量カップの内側の線まで熱湯を注ぐ(約70cc)
6. お湯の入った計量カップの上に本体を取り付け、しっかり締めつける
7. ピストンのヘッドを反時計回りに回すと本体内部に収まっているピストンが飛び出す
これで準備は完了だ。あとはカップの上でノズルユニット真下に向けて握り、ピストンを「ギュッ! ギュッ!」と、1.5秒ぐらいのリズムで押す(指の力を抜くとピストンが戻る)。
押し始めは本体内部の気圧を上げるため空押しになるが、10回目ぐらいからエスプレッソの抽出が始まる。トータル約30回押し終わった頃、約50ccのエスプレッソができあがった。本体はプラスチック製なので、ほんのり温かい程度だった。
できあがったエスプレッソの様子は、クレマ(クリーム状の細かな泡)もしっかりでき、香りがとても良い。ひとくち飲むと鼻から香りが抜け、爽やかな苦味、甘み、酸味が口の中にフワッと拡がる。ポータブルタイプのマシンなのに、文字通り、本格的な美味しいエスプレッソが、最後のひとくちまで楽しめた。
失敗しらず! 音が静かで夜も使いやすい
抽出する前にしておきたいのは、お湯用カップとエスプレッソカップをしっかり温めておくことだろう。特にエスプレッソカップが冷たいままだと、できあがりの温度は50℃以下のぬるいものになってしまうからだ。温めたカップならば、60℃以上の適温のエスプレッソが味わえる。
何度も作ってみたが、味が安定しており失敗が無いのが良い。というのも、抽出カップに入れたコーヒー粉は、ノズルユニットを締めつけると同時に、豆の表面が水平にタンピング(粉を水平に固める作業)された状態になるので、湯が通る時にムラが起きにくい。そのため、いつでも安定した濃さ、旨さのエスプレッソが抽出できた。
美味しいだけでなく、音が静かなのも気に入った点だ。電動式エスプレッソマシンは「ブーン」といった圧縮ポンプの動作音が響き渡り、夜中の使用は少々気が引ける場合があるからだ。ところが、ミニプレッソは「シュッ! シュッ!」というピストンを押す音しかしないので、真夜中だろうが音を気にしないでエスプレッソが楽しめる。
エスプレッソのアレンジとして、フォームドミルクに抽出すればカプチーノ、ホットミルクならカフェラテが手軽に味わえる。さらに、グラスいっぱいの氷の上で抽出すれば、風味豊かな淹れたてのアイスコーヒーもあっという間だ。
電源の要らないポータブルなエスプレッソマシンなので、キャンプなどのアウトドアにも簡単に持ち出せる。実際にステンレスボトルで保温しておいた90℃ぐらいのお湯で抽出してみたが、約50℃の美味しいエスプレッソができあがった。ただし複数杯楽しむには、抽出し終わった豆の処理が必要になるので、洗い場のある場所向きと言えるだろう。
手入れは難しくないが、それなりに手間はかかる。使い終わったら抽出カップの豆を捨て、抽出カップとノズルユニットを水洗いしたあと、もう1度本体にセット。お湯用計量カップに熱湯を入れて本体に取りつけ、ピストンを押して抽出作業をし、お湯が濁らなくなるまでノズルユニットと本体内部を洗浄する必要がある。
もう一度、抽出カップとノズルユニットをすすぎ、本体内部の水分を出し切って、全てのパーツを完全に乾かしてから保管する。なお本体は水に漬けるような洗い方は避けなければならない。
それでも、パーツは軽くて扱いやすい。総じて電動エスプレッソマシンの後始末よりも簡単な印象だった。
ポータブルタイプとはいえ、ミニプレッソの価格は必ずしも安いものではない。だが、置く場所の確保の必要もなければ、電源も要らず手軽。それでいて、思い立った時にあっという間に味わい深い本格的なエスプレッソが堪能できるのはとても魅力的だ。日々のコーヒーライフを一層楽しむアイテムとして、是非手にしてみてはいかがだろう。