やじうまミニレビュー
雷ガードタップって何? しっかり解説しちゃうぞ!
2017年5月26日 07:30
ACアダプタも邪魔にならないL字のプラグ配置テーブルタップ
怖いものと言えば昔から「地震、雷、火事、オヤジ」。しかしパソコンで怖いのは「キャッシュ、雷、ウィルス、メール」だ。
ここ家電 Watchをよく訪れる方には、釈迦に説法かもしれないが、一番怖いのはキャッシュ。男子たるものパソコンで、Hなサイトにアクセスするのは常。しかしその履歴はキャッシュに残り、ある日を境にWebには、常時Hな広告ばかり表示されるようになる。怖えー! マジ怖えー!
次に怖いのはウィルス。まぁ、これは言わずもがなだろう。そしてメールの誤送信。とくにヤバイのは、書きかけの言い訳やお詫びのメールだ。言い訳の筋道をメモしたメールを誤送信した日にゃぁ、さらにその言い訳を考えなければならず、しばらく眠れない夜が続く。
そして季節がら一番怖いのは、やっぱり「雷」だろう。とくにパソコンやハードディスクレコーター、スマホなど情報を記録する機器は、何が何でも雷から守りたい。さらに高価なAV機器をはじめとした家電などにも、被害が及ばないようにしたいものだ。
そんなときに便利なのが、「雷ガード付き」テーブルタップと呼ばれるもの。
取り上げるのは、パソコンの周辺機器などで超有名なサンワサプライの製品で「雷ガードタップ(2P・10個口)」というもの。電線の長さによって、1m、3m、5mのモデルがあり、それぞれカラーバリエーションに白と黒がある。バリエーション豊富なので、どんなオフィスやご家庭でもピッタリのものがあるだろう。
メーカー名 | サンワサプライ |
---|---|
製品名 | 雷ガードタップ(2P・10個口) |
品番 | TAP-SP2110-3 |
実勢価格 | 1,952円(Amazon) |
雷サージも多種多様!防げる一般的な雷から防げない直撃まで
落雷により通常は100Vのコンセント電圧が急激に数千Vまで瞬間的に上がったり、電話線やデータ回線、アンテナを通して高電圧、大電流が流れたりすることを「雷(かみなり)サージ」と呼ぶ。
雷の進入経路をまとめると、だいたい次の図のようになる。
この進入経路に雷サージの発生する確率を考慮に入れると、一番高確率で雷被害にあうのは。電源線(オレンジ)からの進入だ。
高確率
(1)電源線(電灯線)
(2)ケーブルテレビ ※図にはなし
(3)電話線(データ線)
(4)アンテナ
(5)大気
低確率
(1)の電源線は、雷が電柱に直撃した場合、電柱を結ぶ電線に落ちた場合、電柱の近くに落ちた場合などさまざまあり、高確率で雷サージが発生する。しかも電線網でつながっているので、ご町内や近隣一体で発生するトコが怖い。
(2)も(1)と同程度の確率と思っていいだろう。ただケーブルテレビの電線は、最終的にアンテナに統合されて家の中に引き込まれるので、直撃を受けるのはテレビやビデオなど。しかしこれらの機器は、コンセントにつながっているので、結局家にあるパソコンなども影響を受けることなる。
(3)の電話線やインターネット回線なども、ケーブルテレビや電源線と同じような確率かと思いきや、雷サージ対策用の「保安器」が家の外壁についていることが多く、被害に合う確率はやや低めだ。そもそも光ファイバー回線(FTTH)の場合は、電気を通さないので雷の影響がない。
(4)はテレビアンテナの類だが、コレまでのように回線網ではなく1本のアンテナなので、そこに向かってモロに落雷する可能性というのは、グッと減ってくる。ましてや(5)の場合は、外でノートパソコンを使っていたら、落雷が直撃! とか、部屋で使っていたら直撃!なんてことは、まずない。万が一、億が一ならあるかもしれないが……。
こうして考えると、(2)のケーブルテレビも怖いが加入者の数を考えると、電源線から進入する雷サージを防止できれば、大多数の雷被害が防げることになる。
電源線の誘導雷を抑えればOK! 雷の多い地方ならさらに上も
「雷サージの進入経路は電源線を押さえれば大丈夫」という話しをしたが、電源線からくるサージには実は3つある。
この3つの雷サージが考えられるが、一番多い被害は誘導雷。通常は、これに対する雷対策を行なっておけばいい。進入雷は、雷の多い地方(たとえば山間部)で、これに対応できる雷対策を行なってあると、なお安全という感じだ。しかし直撃雷になる可能性も大なので、100%安全策と言えない点がもどかしい。
最後の直撃雷の雷サージに対応できるものはない。ここまで来ると火事が起きたり、電源線が落雷で切断されたりするレベルなので、サージが来る前に電線が切れ、停電することを祈るしかない。
※イラストはすべてサンワサプライのホームページより
雷ガードタップは誘導雷の雷サージ対策用
ここまで読んでいただいた方はすでにお分かりの通り。すべての雷サージを防げる電源タップはないが、「雷ガードタップ」を使えば、たいていの落雷から機器を守れる。つまりタップが瞬時に落雷を検知して、大きな電圧が流れないように阻止してくれるからだ。ただし1回落雷から機器を守ったテーブルタップは、内蔵されている素子自らを壊して機器を守るため、テーブルタップを買い換えなければならない。
言うなれば身代わり地蔵や、身代わり不動尊なので、落雷を受けたらありがとう! と感謝して、燃えないごみとして処理して欲しい。
なお山間部で雷の多い地方で利用する場合は、サンワサプライのホームページから、「高性能雷ガード」「アース端子」の表記があるテーブルタップを選んで欲しい。
雷から守るだけでなくたこ足配線の危険からもガード!
この電源タップが安心できるのは、雷からパソコンなどを守ってくれるだけでない。事務所でこの手のテーブルタップを使うと、最初は2、3人で1個のタップを使っているので問題ないが、新人さんが来るとテーブルタップからさらにテーブルタップをつなげて「とりあえず電源を確保!」なんてことがよくある。が、それを忘れて、レーザープリンタなどの大電力を消費するものまで、つないでしまうとタップの最大電力を超えてしまって、電線が熱くなるなんてことも。
しかし本製品は、タップ自体にブレーカーが付いているので、たこ足配線で容量をオーバーすると、火事になる前に自動的に電源を強制遮断するようになっている。
しかも本製品は最大1,500Wまでとなっているが、ある程度設計にマージンを持たせており、1,500Wを一瞬でも越えたらブレーカーが落ちるといことはない。電源を強制遮断するタイミングは、おおよそ以下の通りだ。
容量オーバーの度合い | ブレーカーが切れるまでの時間 |
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135%オーバー時(2,025W) | 約1時間 |
200%オーバー時(3,000W) | 約4〜50秒 |
300%オーバー時(4,500W) | 約0.8〜12秒 |
500%オーバー時(7,500W) | 約0.3〜4秒 |
具体的に言うと、レーザープリンタを3台ほどつなぎ、同時に電源を入れたら、数秒でブレーカーが切れるという感じだろう。
とはいえブレーカーが付いているからと言って、テーブルタップ任せにするのは本末転倒。しっかり自分で消費電力を把握して欲しい。
Lに設けられた挿し込みはスマホ充電器などで超が付くほど便利
このテーブルタップは挿し込みが45mm間隔になっているので、USB-ACアダプタ(スマホの充電器)や電池の充電器を挿すのに都合がいい。さらに上向きにコンセントが5つ、横向きにコンセントが5つ配置されているので、充電器と普通のコンセントプラグを互い違いに差し込んでいけば、まるまる10個のコンセントを有効活用できる。
さらにビジネスで使うのにも超便利。背面にはネジでに取り付け穴に加えて、強力磁石が付いていて、デスクサイドにガッチリ磁石で止められる。タップの大きさ自体は、通常の事務用のタップとほぼ同じ30cmを切る(288mm)程度なので、前のタップと交換してスペースがない! なんてことも皆無だ。
さらにコンセントの挿し込みは、羽が180度回転し壁にピッタリくっつけられるタイプ。そして刃の根元は、樹脂でガードされているので、ホコリによるショートの心配もなく安全だ。