家電製品ミニレビュー
食材の保存法が大きく変わる! 一家に一台、あると便利な真空パック器
by 田中 真紀子(2015/9/2 07:00)
家族の食卓を預かる立場にありながら、実は食材を上手に使い回すのが苦手だ。購入した食材を半分使って、残りは次に……と思っても、その次の料理が思いつかず、結局ダメにしてしまう。だったら冷凍しておこうと思っても、それを解凍する機会がないまま、冷凍やけしたり霜がついたりして、結局一掃されることに。
そんな食材管理が苦手な筆者が、気になっていたのが真空パック器。今回、念願かなってアイリスオーヤマの「真空保存フードシーラー」を使うことができた。
メーカー名 | アイリスオーヤマ |
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製品名 | 真空保存フードシーラー |
品番 | VPF-385T |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 6,824円 |
シールヒーターで袋の口をしっかり溶着
食品は、空気に触れると酸化が進んで鮮度が落ち、味が悪くなったり栄養価が落ちたりしてしまう。できるだけ鮮度を保つには、少しでも空気に触れない状態を保つことが大切だが、この真空パック器を使えば、袋の中の空気が吸引され、食品の劣化が防げるというわけだ。
本体サイズは、38×16.5×9.5㎝(幅×奥行き×高さ)、重さ2.1㎏と思っていたより大きくない。カバーを開けると、手前に「袋固定クリップ」、そして袋の口を溶着するための「シールヒーター」があり、その奥に「脱気溝」というくぼみがついている。
また真空パックを作るための袋として、専用ロール(幅28×長さ300㎝)1本と、専用パウチ(幅20×長さ30㎝)3枚がセットに。専用ロールは必要な大きさにカットして使用できる。
まず専用ロールを食材が入る袋状にする必要がある。入れたい食品のサイズに合わせて専用ロールをカットし、切り口の一方をシールヒーターで溶着すれば、袋ができるというわけだ。
この本体には「スタートボタン」と「ストップボタン」の2つしかない。まず、真空ではなく袋の溶着を行ないたいのだが、このスタートボタンで大丈夫? と戸惑いながらプッシュ。すると、ゴゴゴゴゴーという大きな吸引音がなり始めたので、間違えたかと思い、慌ててストップボタンを押してしまった。でも結果的には、ちゃんと溶着できていたので一安心。
真空から溶着まで10~15秒
続いて真空パックに挑戦。つくったばかりの袋に食材を入れ、今度は切り口を脱気溝の中に垂らすように袋をセットする。カバーを閉め、ロックをしたら、先ほどと同じスタートボタンをオン。
やはり大きな吸引音がなり始め、袋が見る見るうちに真空状態に! 約15秒後、完了合図のランプが点灯したのでカバーを開けてみたら、溶着まできちんと済んでいた。予想以上に簡単だ。
ちなみに、溶着も真空も同じスタートボタンなのは、どちらにしても、真空→溶着の工程を行なっているからのようだ。溶着だけのときも、ムダに大きな音を立てることになるが、操作が分かりやすいといえば分かりやすい。
いろいろなものを真空パックにしてみた
ここでいう真空は、JIS規格における「大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態」のこと。食品メーカーのいう真空パックほど真空度は高くないが、空気が少ない状態なのは確かなので、当然酸化も遅くなり、消費期限を延ばすことができる。
例えば肉類なら、冷蔵庫で3日のところ5日まで、冷凍庫なら4カ月のところ1年までOKといわれているのだ。これだけ持つなら、さすがの私でも食材をダメにする前に別の料理を思いつくことができるだろう。
ちなみに何でもかんでも、そのまま真空パックできるわけではない。まず野菜はゆでる、漬ける、カットするなどの下処理が必要だ。さらに、水分が多いものは、水分を取ってペーパータオルを敷く、カレー、シチューなどは事前に冷凍させたほうがいいという。
食材保存の選択肢が広がった!
この真空保存フードシーラーを使うことで、食品の保存がぐんとラクになった。すぐに料理しない魚は、とりあえず真空パックし、数日以内に使いそうにないなら、そのまま冷凍庫に入れればいいのだ。密閉状態なので汁が漏れる心配もなく、食材によっては立てて収納することもできる。
また袋を開けてしまった乾物やお菓子も、そのままでは湿気たり酸化したりしまうが、潰れにくいものであれば、こちらも真空保存すればOK。潰れやすいものなら、真空せずに密閉のみという使い方もありだ。
この真空パック器、最初は私のような保存が苦手な人が重宝すると思ったが、むしろ様々な食材を保存したり、こまめに作り置きしたりするような、料理好きの人こそ持っておいたほうが便利な1台だ。