家電製品ミニレビュー
山善「電動真空パック機フードパック エアレス」
~まとめ買いや時短調理にお役立ち! 電池駆動の真空パック機
by 石井 和美(2013/8/20 00:00)
我が家は共働きなので、週末になると大量に食料を買い、ストックしておく。ほぼ毎日お弁当の分も含めて4人分の調理をするので、ストックしなければならない食材はかなりの量だ。
お肉や魚は小分けにして冷凍するのだが、いつもラップに包んでからジッパー付きの袋に入れて保存している。自分では空気をぬいているつもりでも抜けきれておらず、酸化して色が変わっていたり、霜が付いてしまうこともしばしば。
そこで、置くだけで簡単に真空状態になるという山善「電動真空パック機フードパック エアレス」を試してみることにした。
メーカー名 | 山善 |
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製品名 | 電動真空パック機フードパック エアレス FDP-H300 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 5,078円 |
エアレスは、専用の密封容器やガラス容器、パック袋の上に置いて、操作スイッチを押すだけで使える電動真空パック機だ。ハンズフリーで吸引が始まり、自動で容器の中の空気が抜け、真空状態にすることができる。
本体のサイズは、72×108mm(直径×高さ)で、重量は約300g。片手で持っても重くなく、場所もとらない。電源は単三アルカリ電池4本で、連続405回使用できる。
ただ、本体だけ購入しても使用できない。専用の容器やパック袋を用意しなければならない。今回は密封容器・大、ガラス容器・大、パック袋・大を準備した。楽天ストア内のオンラインショップでの購入価格は順に、2,180円、2,080円、2,000円で、いずれも送料は無料だ。
お肉やお魚に霜が付かない! 鮮度が良い状態で冷凍できる
専用のフードパック用パック袋チャック付はサイズが大と小あったが、大を選んだ。サイズは大が230×270mm、小が230×200mmだ。
さっそく、大量に購入した肉と魚を冷凍してみることにした。袋に食材を入れ、決まった位置に置いてスイッチを押すだけ。特に何かはさんだり、はめたりすることはなく、本当に置くだけだ。これだけで本当に空気が抜かれるのか不安だったが、実際に試してみるとじわーっとゆっくり空気が抜かれていき、密封状態を判断して自動停止した。1分ほどで真空状態になり、点灯していたLEDランプが消灯する。
ふだんはラップで包んでからフリーザーバッグに入れているが、その手間もない。食材を入れてチャックを閉め、あとはエアレスを置いてスイッチを入れるだけなのでとにかく簡単だ。
鮭の切り身はカマの部分も入れたので形がまちまちだが、ぴったりと吸着している。お肉も真空状態になった。冷凍後、4日ほど経過してからチェックしてみたが、霜もつかず、変色もなく、鮮度が保たれていた。
ただ、パック袋の場合はエアレスを置く場所に食材を入れることはできないので、思ったより食材が入らないなという印象だ。
袋は洗って何度か使用できるが、破れたり、傷があると密封はできないので、その場合は、新しく交換する必要がある。
食品の保存だけでなく、時短調理にも活用できる
次に、専用の密封容器を使った。サイズは200×149×840mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約300g。フタには開放フタがあり、その上にエアレスを乗せて使用する。
エアレスで時短調理が可能というので、唐揚げに挑戦だ。この作り方はレシピがついているわけではなく、山善のホームページにある動画からヒントを得たものだ。
容器は、つけダレと一緒に鶏もも肉が2枚入るサイズだ。1枚は5分密封容器に入れて真空状態にし、もう一枚はボウルに入れたままで、同時に揚げることにした。
容器では空気が抜かれているのが一見わからないのだが、エアレス本体のスイッチを入れると容器がミシッ…メリッ…と音がして、底がたわんでいくのがわかる。中の空気はしっかり抜かれているようだ。
フタを開けるときは中心の「開放フタ」を開ける。勢い良くプシュー! と空気が入っていく。
ボウルで5分しか漬けていない唐揚げは、明らかに味が染みていない。エアレスで5分間真空状態にした後、揚げた唐揚げは中までしっかり味が染み込んでいる。旦那にも味見をしてもらったが「全然違う」とのことだった。
いつも一晩漬けている鶏の唐揚げだが、うっかり漬け忘れてしまっても、コレがあればおいしく作れる。さらにしっかり味を染み込ませたかったら、真空状態にして一晩漬け込むと、さらにしっかりした味になる。
また、密封容器は保存用の容器としても役に立つ。ちょっとした残りモノのおかずも真空にして冷蔵庫に保存しておけば、ラップいらずでニオイも移らず、おいしく食べられる。
ガラス容器はシロップ作り、コーヒー豆の保存に便利
最後に試したのは、ガラス容器。サイズ100×170mm(直径×高さ)で、重量約650g。果実酒、コーヒー豆、ナッツ類の保存に向いているという。
我が家はお酒を飲まないので作っていないが、梅酒などの果実酒も短期間で造れるそうだ。
今回は、果実酒の代わりに今が旬のソルダム(スモモの一種)を使ったシロップ漬けを作ってみることにした。一般的な作り方では早くても1カ月間はかかるが、エアレスなら1週間でできるという。
作り方はとにかく簡単。半分に割って種をとったソルダムに、果糖だけを足したら、後はエアレスを使って中の空気を抜くだけだ。
12時間後、たくさん汁が出ていた。果物のシロップは1週間~2週間ほど漬け込めばよいとのことだが、3日ほどでもう十分できあがっていた。
香りのよい、少し甘酸っぱい深紅のシロップは、ヨーグルトに入れたり、炭酸水割りにしたり、色々楽しんでいる。子供達の評判もよく、「また作って」と催促されるほど。保存する時も真空状態にして冷蔵庫に入れておけば、長く楽しめる。
コーヒー豆の保管にも役立つ。エアレスを置いてスイッチを押すだけなので、コーヒーをいれた後は毎回必ず真空状態にしている。コーヒー豆は数日で香りが飛んでしまうが、これなら最後までおいしく飲めている。
なお、使用後のエアレスは2cmほど水を張った容器に立てて入れ、操作スイッチを押して水を吸入させ、洗浄する。たったこれだけなので、お手入れもストレスなくできる。
使い方のヒントが少ないのは残念だが、我が家では大活躍
エアレスは、本体だけでなく、容器も専用のものしか使えない。必要に応じて容器やバッグを購入しなければならないため、購入時に費用がかさむのが難点だ。
また、本体の技術的な使い方は取扱説明書に記載されているが、時短料理のヒントや上手な使い方がないのは不親切に感じた。特にお料理を普段しない方は、時短調理をするために、どのように使ったら効果的なのか、ピンとこない方もいるだろう。決して安い製品ではないので、もう少しレシピなどを充実してほしいところだ。
とはいえ、我が家ではエアレスの出番は多く、なくてはならないキッチングッズとなっている。コンセントの必要がなく、どこでも使える。ハンズフリーで、スイッチを押した後は他の作業をすることもできる。
食材の保存のときに使ったり、唐揚げの漬け込みで使ったり、コーヒー豆の容器にしたり、一日に何度も活躍している。常にエアレスが手に届くところにあり、頻繁に使っている状態だ。
ポンと置くだけで真空状態にしてくれるので、本当に簡単。面倒がなく、忙しくても苦にならない。容器やパック袋がもう少し安くなってくれると嬉しいのだが、購入してからの満足度は非常に高い。特に我が家のように共働きで食材をまとめ買いする方、時短料理をしたい方に、ぜひおすすめしたい製品だ。