家電製品ミニレビュー
音が静かでニオイなし! コンパクトな生ゴミ処理機「パリパリキューブ」
by 石井 和美(2014/7/2 07:00)
夏場になると気になるのが、生ゴミのニオイやコバエの発生だ。我が家が住んでいる自治体は、以前に比べて可燃物の収集回数が減ってしまったため、夏場はいつも生ゴミの扱いに悩んでいる。
そこで、生ゴミ処理機を導入することにした。生ゴミ処理機は微生物の力を借りてゴミを分解する「バイオ式」と、温風などで加熱してゴミを乾燥させる「乾燥式」に大別できる。今回選んだのは、「パリパリキューブ」という乾燥式の生ゴミ処理機だ。
メーカー | 島産業 |
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製品名 | パリパリキューブ PPC-01 |
希望小売価格 | 39,800円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 30,700円 |
手間がなく簡単に使える生ゴミ処理機
パリパリキューブのサイズは260×310×420mm(幅×奥行き×高さ)と小さめで、部屋の隅に置いても邪魔になりにくい。消費電力は120Wだ。外観はすっきりとシンプルなデザインを採用している。
セット内容は本体のほかに、バスケット2個、脱臭フィルター2個、受け皿1個、バスケット用水切りネット15袋が同梱されている。脱臭フィルターはずっしりと重い。本体底面から出し入れする。
使い方はとても簡単だ。専用のバスケットに水切りネットを装着し、三角コーナーの代わりにシンクに置く。生ゴミがたまったら、底に受け皿をセットし、そのまま本体に入れる。ネットははずす必要がなく、受け皿ごと入れられる。生ゴミを他の容器に移す手間がなく、生ゴミを触れずにそのままセットできるのは嬉しい。
なお、パリパリキューブは攪拌や粉砕する羽根がないので、魚・肉の骨なども入れてOKだ。もし間違って金属製スプーンなどを入れてしまっても、故障する心配はない。入れてはいけないものは、アルコール類や小麦粉などの粉体類となっている。
次に、処理量に合わせて運転モードを選択する。「標準モード」は野菜くずや米など乾きやすいものを処理する場合で、肉や魚などの乾きにくい食材や、スイカなどの水分が多いものを乾燥させたいときは「パリパリモード」、さらにしっかり乾かしたいときは「パリパリPPモード」を使用する。標準モードとパリパリモードは処理量に応じてそれぞれ、S、M、Lの3種類があるため、パリパリPPモードとあわせて合計7種類のモードがあることになる。
電気代は大丈夫? と思う方もいるかもしれないが、消費電力は120Wで、1回あたりの電気代の目安は約12円~約33円。この程度なら、さほど気にしなくても大丈夫と言えるだろう。詳しくは以下の表をご覧いただきたい。
処理モード | 標準モード | パリパリモード | |||||
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モード名 | S(少なめ) | M(標準) | L(多め) | パリパリS | パリパリM | パリパリL | パリパリPP |
処理するゴミ | 野菜・米中心 | 果物・肉・魚・加工食品等を含む | |||||
処理量 | 約500g | 約750g | 約1kg | 約500g | 約750g | 約1kg | 約1kg |
処理時間 | 6時間 | 9時間 | 12時間 | 10時間 | 13時間 | 16時間 | 18時間 |
電気代の目安 | 約12円 | 約18円 | 約24円 | 約17円 | 約24円 | 約30円 | 約33円 |
ゴミを受け皿ごと本体に入れたら、電源スイッチとモード選択スイッチを押す。あとは待つだけだ。
生ゴミが小さくなった! 重さも520g→86gに!
ところで、夏になるとスイカをよく食べるのだが、皮は水っぽく、かさばるのでゴミのことを考えるといつも憂鬱だ。
そこで、パリパリキューブにセットして、スイカ、バナナの皮、野菜くずなどをたっぷり入れてパリパリLモードで乾燥することにした。
臭いが一番心配だったが、ほとんど気にならない。活性炭がずっしりと重く、大きいので驚いたが、しっかり機能しているようだ。
運転音も静かだ。もっとうるさい音を覚悟していたが、36dB程度ということで、リビングダイニングに置いて、テレビを見ていても、稼働しているかどうかわからない程だった。
乾燥が終了して中身を確認してみると、かさが大幅に減っているのにビックリ! バスケットの口まであったゴミが、1/3程度にまで減っていた。野菜やバナナの皮はパリパリに乾いていた。
スイカは若干湿っていたが、体積が小さくなっているのでゴミ捨てがとてもラクだった。ゴミの中に汁がたまり、いつも不快だったのだが、こんな風に乾いて小さくなっていると、生ゴミがたくさんあっても台所は臭わず、快適だ。フタを開けたときに、野菜を乾燥させたような独特なこもったニオイがするが、生ゴミが腐敗しているような不快なニオイではないので、気にならなかった。
次に、比較的水っぽくない野菜がバスケットの半分くらい出たので、標準モードMで乾燥してみた。こちらは手の平サイズまで小さくなり、しっかり乾燥していた。
さらに、じゃがいもの皮、とうもろこしの芯、スイカの芯など、びっしり入った重量が重いゴミをパリパリPPモードで乾燥し、重さの変化を見ることにした。こちらは乾燥前が520g。カサが減っているが、乾燥後はなんと86g。パリパリPPモードでは、スイカの芯もしっかり乾いていた。
バスケットが2個付属しているので、乾燥中にも別のバスケットをシンクで使えるので助かる。夜にセットして、朝に交換すればいいだけなので、手がかからない。一般的な三角コーナーと同じような感覚で使えるのだ。ネットごと乾燥できるので、いちいち移し替えたりする手間もなく、本当に便利だ。
使用後のお手入れもラク。水で濡らしてしぼった柔らかい布などで、処理室内部をふき、バスケットと受け皿は軽く水洗いするだけ。なお、活性炭の脱臭フィルターの交換時期のめやすは4カ月から6カ月となっている。
コンパクトで扱いやすい!
気になる点は、運転時間の長さだろう。我が家は4人家族なので比較的生ゴミが多く、パリパリLかパリパリPPモードを使うことが多いが、16~18時間かかる。もう少し時間が短くなり、一晩で終わるようになってくれると嬉しい。
乾燥させて腐りにくくすることで、ニオイなども軽減され、ゴミの量が圧倒的に少なくなった。本体はゴミ箱サイズで、キッチンに置いてもそれほど存在感がないのも嬉しい。重さも5kg程度なので、掃除するときに持ってヒョイッと動かすのも簡単だ。
さらに別売りの「廃プラ圧縮ユニット」を使えば、かさばる食品トレイなどのプラスチックゴミも圧縮して小さく固めることができるという。プラごみも置き場所に悩んでいるので、こちらも非常に魅力的だ。他の生ゴミ処理機にはない機能なので、機会があれば使ってみたい。
購入する前に自治体のサイトで「助成金」の申請方法を必ずチェック
生ゴミ処理機は各自治体から助成金が出る場合がある。我が家の場合は最大2万円の補助を受けられる。
申請の方法は自治体によってまちまちだ。必ず購入する前に、お住まいの自治体に問い合わせていただきたい。自治体によっては領収書と事後の申請だけでよい場合もあるが、我が家が在住している市では事前に申請が必要となり、購入時に販売店から「生ごみ処理機販売証明書」に記載してもらわなければならない。購入後では助成金の条件に当てはまらなくこともあるので、くれぐれも注意していただきたい。
毎年、生ゴミのニオイやコバエで悩んでいたが、パリパリキューブを使うようになってから、その悩みがなくなった。手がかからないだけでなく、静かで稼働時も気にならないのが気に入っている。助成金が活用できれば安く買えるので、ぜひお試しいただきたい。