家電製品ミニレビュー

パナソニック「ポケットドルツ EW-DS16」

~オトーさんに買ってあげたい男性用携帯電気歯ブラシ

オトーさん達の手にもポケットドルツを

パナソニック「ポケットドルツ EW-DS16」

 2009年に登場した携帯型電動歯ブラシ「ポケットドルツ」は、そのコンパクトさとデザインの良さで、画期的な製品となった。バッグに入っているところを見られても恥ずかしくない電動歯ブラシというところが、当たった原因だと思う。

 その後、ポケットドルツは、本体がスリムになり、短くなり、秋の新色が出たり、ディズニーモデルが出るなど、女性指向が強くなっていった。5月に発売された新型「EW-DS15」の本体色がピンク、ペールピンク、グリーン、バイオレットと聞いただけで、それがわかる。おまけに、ジュエリーのようなデザインリングまではまっている。

 昼食後、会社の洗面台で、営業に行く前に歯を磨いているようなオトーさん達には、とても手が出ない。

 しかし、パナソニックは、ちゃんとそういうオトーさん達のことも考えてくれていた。今回は、EW-DS15と同時に発表された、男性を意識した、いや、ここは「男性用」と言い切ってしまおう! そういうポケットドルツを紹介したい。

メーカーパナソニック
製品名ポケットドルツ EW-DS16
購入場所Amazon.co.jp
購入価格2,279円

男の手でもガシッと握れる

 今回紹介するのは、ポケットドルツのシリーズで「EW-DS16」という型番の製品だ。標準品の「EW-DS15」と異なる点は、2つある。

1)色が黒と白の2色
2)本体が1.5cm長く、16cmある

 以上だ。

 それだけ? と思うかもしれないが、オトーさん達にとっては、とても重要な点なのだ。

 まず、本体色だが、製品情報を見ると、「黒」と「白」と書いてある。ブラックとホワイトじゃないのが潔い。いうまでもなく、「黒」はメカっぽさを表し、中年のオトーさん達が好む色である。「白」は世間の波に洗われすぎたオトーさん達に一点のくもりもない高潔さを思い出させる基本色だ。

EW-DS16の製品情報ページの記述。「色柄名称」は「黒」と「白」と書かれている

 この2色であれば、ビジネスバックの中でも、机の引き出しに転がっていても、セビロの内ポケットからチラリと見えても、まったく問題ない。やっぱりオトーさん達には、パステルカラーとか、パールカラーとかはダメなのだ。真っ白な紙に、黒い墨汁のようなモノトーンの世界が似合うのである。

台紙がクリスタルに光るパッケージ
20ページもある取扱説明書が付属しているので、台紙の説明はシンプル
メーカー名と商品名がアルファベットで入っているだけのシンプルなデザイン。普段は真っ黒だが、光が当たるとラメっぽく光る
本体は円筒ではなく、角が丸い四角なので転がりにくい
日本刀に例えると、中央の銀の輪が鍔(つば)の役割。長いほうが鞘(さや)で、短いほうが柄(つか)にあたる

 また、本体の長さも重要だ。思い起こせば、2009年に登場したポケットドルツの長さは16cmあった。しかし、技術の進歩と女性のバッグに入りやすいことや、女性の手にふさわしい長さであることなどから、いつのまにか14.5cmになっていたのだ。

 いや、それは良いのだが、ゴツいオトーさん達の手には短い。親指と人差し指を中心にして、軽く支える持ち方ならできるが、ガシッと握るには、ちょっと短い。16cmあると、ポケットドルツのシッポの部分が、手のひらに触れる位置までくる。中指や薬指まで動員して、きっちりと支えることができるのだ。ポケットドルツ本体をしっかり支えて、歯に当ててこそ、電動歯ブラシの機能が生きるというものだ。

キャップを付けた状態では、手前の普通の歯ブラシとほぼ同じ長さ
この状態で16cmの長さがある
キャップは、まっすぐ引けば抜ける。黒いキャップの下から白いブラシが出てくる
キャップの底には、空気穴が開いており、ブラシが乾きやすいようになっている
反対側から覗くと、キャップの内側に光が反射して万華鏡のように見える。仕事に疲れたときに見るといいかもしれない
グリップのすぐ上に電源スイッチがある
ガシッと握って、ギュッとスイッチを入れたところ。ドルツ本体の振動は大きめなので、しっかり固定して使うのがコツだ
親指をスイッチの位置においた状態で、小指がかけられるぐらい本体が長い

単四1本で使え、充電池もOK

 最初のポケットドルツ「EW-DS11」のサイズは20×18×160mm(幅×奥行き×高さ)だったが、EW-DS16は、18×16.5×160mm(同)だ。長さは同じだが、少し細くなっている。これはEW-DS15などと機構部分を共通にするためだろう。

 単四電池1本、しかもアルカリだけではなくニッケル水素充電池でも大丈夫とか、直径約0.3mmの範囲で毎分約16,000ブラシストロークの音波振動、電池カバーが閉まっていれば水洗いできる、などの特徴も共通だ。

グリップの部分を回転すると電池カバーが外れて電池室が表れる
単4電池が1本必要。パナソニック製電池が推奨されているが、プラス/マイナスの方向が分かりやすいようにタイガー・コペンハーゲンの電池を入れてみた

 標準のブラシは、裏面に舌ケア用のザラザラした部分がある「EW9066-W」という製品で、これもEW-DS15と共通だ。舌ケアプラスがない、「EW0958-W」も用意されている。個人的には、舌ケアのザラザラ感は気に入っているので、EW9066-Wの方をお勧めする。2本入りで525円という価格もEW0958-Wと変わらない。

EW-DS15とEW-DS16の替えブラシは共通。固さは1種類のみ

 余談だが、この2つのブラシはカタログには、「やわらかめ」と書かれている。確かに先端は柔らかいのだが、割りとコシのあるタイプなので、強く歯に押し付けると抵抗感がある。ときどき、ポケットドルツのブラシは固いという人がいるが、この感触のせいだろう。基本的に電動歯ブラシは、歯に軽く当てて使うものなので、あまり強く押し付けないようにして使おう。

ブラシはほっそりとした形をしている
ブラシのアップ。周辺と中央部では毛が異なる
側面から見たブラシ。先端部を使いやすいように周囲の毛が長い
ブラシの裏面に「舌ブラシ」がある。舌の表面をブラッシングすると気持ちが良い。舌を前に出して、息を吐きながらやるのがコツだ

オトーさん達にプレゼントしよう

 このポケットドルツは、人と会うのに口臭が気になる年代のオトーさん達には最適な製品だと思う。自宅で電動歯ブラシを使っている人は、会社用に。まだ使っていない人は、電動歯ブラシ入門機として試しに買うのに向いている。ポケットドルツで電動歯ブラシの気持よさを感じたら、自宅用に据置型の製品を買えば良い。さらに気持ち良い世界が待っている。

 また、父の日、敬老の日、誕生日などのプレゼントとしてもお勧めできる。

 価格的にもほどほどだし、口の臭いオトーさんたちが、一生懸命歯を磨いてくれるだけでもプレゼントする甲斐があるというものだ。その時は、単四アルカリ乾電池をぜひセットして買ってあげてほしい。オトーさん達はいろいろと忙しいので、すぐに使えないと机の中に埋もれてしまうからだ。単四アルカリ乾電池1本で3時間使えるので、2本も付けてあげれば当分使える。

 長期間使い続けるようにプレッシャーをかけるために、替えブラシまで付けてあげれば最高だ。

 そうやって、EW-DS16が売れれば、パナソニックの人達が、次のポケットドルツでも男性用の製品を作ってくれる可能性が上がる。会社で電動歯ブラシを使う気持よさを手放さないためにも、男性用ポケットドルツが絶版にならないよう、オトーさんも、がんばってポケットドルツで歯を磨いてほしい。

伊達 浩二