家電製品ミニレビュー

山善「除湿器 YRD-300-W」

~実売1,000円で、100回使えるリピート除湿器
by 伊達 浩二
山善「除湿器 YRD-300-W」

 クローゼットや書棚などで使う簡易型の除湿グッズは、シリカゲルか石灰を使って湿気を吸着するものが多い。

 この2つを比べると、シリカゲルは石灰に比べて湿気の吸着量が多く、匂いも吸着する上、熱を加えることで再生できるという利点がある。

 今回紹介する、山善の除湿器「YRD-300-W」は、電気ヒーターを使うことで、このシリカゲルの再生が簡単にできるという製品だ。以前にも同様の機能を持った「リピート簡乾」という製品をレビューしたことがあるが、そちらが2,000円以上したのに対して、山善「YRD-300-W」は実売価格が1,000円以下と安いので試して見た。



メーカー山善
製品名除湿器 YRD-300-W
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格980円


 YRD-300-Wの大きさは、145×42×120mm(幅×奥行き×高さ)で、約420g。冷蔵庫に入れる消臭剤を一回り大きくしたような形をしている。つり下げ用のフックが付属するので、クローゼット内のポールにぶら下げることができる。質感は価格相応で、高級感はない。本体の裏表には多数の穴が開いている。
パッケージには、電源コードと吊り下げ用の金具が入っている電源コードは「電線在中」と書かれた箱に入っており、ちょっと笑える本体側面の電源コード口は、シリカゲルを再生するときだけ使用する
本体上面には吊り下げ金具用の穴がある吊り下げ金具を付けたところ

 使い方は簡単で、除湿したい棚などにYRD-300-Wを入れておけば良い。本体の側面に、2つ穴式(いわゆるメガネ型)の電源コード口があるが、吸湿自体はシリカゲルを使用するため、普段は電気を必要としない。本体の前面に除湿サインがあり、この色が青であれば除湿が行なわれる。

 除湿サインの色がピンクに変わったら電源コードをつないで放っておけば、本体に内蔵されているヒーターがシリカゲルを暖めて、約8時間で再生できるという。

除湿サイン。シリカゲルの色の変化を見る厚みが約4cmぐらいある。寝かして衣類に挟むには厚みがあるので、立てて使った方が良い
クローゼット内に吊るしたところ

 さっそく本体を使用してみた。この製品の除湿能力は約120mlなので、あまり広い場所には向かない。塩化カルシウムを使う簡易型の除湿グッズが300ml~400mlぐらいの能力なので、その半分~三分の一ぐらいと思えばいいだろう。取り扱い説明書でもタンスや下駄箱、クローゼットなど密閉された空間での使用が推奨されている。

 今回は、クローゼットに吊してみたが、これぐらいの空間なら問題なく使用できる。数日入れておくと、除湿の効果が体感できる。

 次に、再生機能を試すために、使用後の浴室に1日吊るしておいた。シリカゲルが湿気を吸収し、除湿サインがピンクになっている。念のため書いて置くと、浴室では除湿の効果は感じられなかった。さすがにこれぐらい広いと能力が足りないようだ。

 本体に電源コードを接続し、しばらく放置しておく。ヒーターの消費電力は30Wなので、電気代は、あまり気にしなくて良いだろう。

 再生中は、やけどするほどではないが、本体全体がかなり熱くなる。本体が過熱しないようにサーモスタットが内蔵されているが、再生中は周囲にものを置かないようにした方がよい。今回は6時間ほどで、除湿サインの色が青に戻った。なお、再生した後は、本体内に熱がこもっているので、すぐに使用せず、半日ほど冷ましてからにした方が安全だ。

再生機能を試すために浴室に吊るした状態。部屋用ではないので、浴室に下げても効果は感じられないコンセントに電源コードをつないで再生している状態。本体がかなり熱くなるので、周囲には物を置かないようにしたい

 シリカゲルの再生は、電子レンジなどを使うと簡単にできるのは知っていても、なかなか面倒で手が出せないものだ。この製品なら、電源コードをつなぐだけで再生できるので、ちょっとやってみる気になる。無償修理期間は1年間だが、再生回数は約100回とされているので、かなり長期に渡って使用できるだろう。使い捨ての吸湿グッズがもったいなく感じる人や、シリカゲルの再生を試して見たいという人にお勧めしたい。






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2010年8月24日 00:00