三洋電機、玄米の甘みを引き出す炊飯器などを披露
三洋電機は、夏から秋にかけて発売する調理家電3製品を報道陣に公開した。公開されたのは炊飯器、オーブンレンジ、ホットプレートの3つ。
■40℃で40分の吸水で玄米の殻を柔らかくする匠純銅
匠純銅 おどり炊き ECJ-XP1000A |
9月1日に発売する炊飯器「匠純銅 おどり炊き ECJ-XP1000A」は、ラインナップで最上位機種にあたる「匠純銅」シリーズの最新モデル。希望小売価格は131,250円。
同シリーズでは、米をムラなくふっくらと炊きあげるために、炊飯工程によってかける圧力を変える「可変圧力」技術や、熱伝導率の高い純度99.9%の内釜を採用している。炊飯コースでは、おいしく米を炊きあげるために吸水工程や蒸らし工程を通常の炊飯コースよりも長く設けた「匠炊き」コースを搭載している。
操作パネル | 内フタ | 釜内部 |
熱伝導率の高い純度99.9%の内釜 | ECJ-XP1000Aカットモデル。熱を封じ込めるために側面には断熱材が内蔵されている | 加圧と減圧を繰り返して米を炊きあげる可変圧力技術 |
「匠玄米炊飯」コースで炊きあげた玄米。外側の殻の食感はほとんど感じられなかった |
ECJ-XP1000Aでは、最近の食の健康志向に着目し、玄米をおいしく炊ける「匠玄米炊飯」コースを新たに搭載した。玄米は殻が残っている状態の精白前の米で、白米に比べビタミンやミネラルなどの栄養価を多く含んでいる「健康食材」としてよく知られている。その一方、外側の殻が厚く、白米と比べると食べにくいという声も多かったという。同社では「毎日でも食べられる玄米」を炊くために玄米専用の炊飯工程を大きく見直した。
まず、玄米に水を吸わせる「吸水工程」では、40℃の水を40分かけてじっくりと玄米の中に浸透させる。そうすることで、血圧降下作用のあるGABA(ギャバ)の発生を促進するほか、外側の殻を柔らかくし食べやすい状態にする。炊飯工程では、1.2気圧の高圧で玄米の内部までしっかりと火を通し、ふっくらと仕上げるという。炊飯時間は約90分。
ECJ-XP1000Aでは玄米以外に発芽玄米、雑穀ご飯コースも備える。また、おかゆコースでは「玄米粥」が作れる「圧力玄米粥」コースを搭載。通常の粥コースでは圧力を用いずに炊きあげていたが、外側の殻が厚い玄米では、加圧調理を行なうことでとろみのある仕上がりになるという。
白米コースでは、ご飯表面の水分を飛ばして、旨みを凝縮するために蒸らし工程で可変圧力を使用する「NEW匠炊き」モードを搭載する。沸騰時に発生した米の「おねば」は、フタ部分に設けられた専用のケースに溜められるが、蒸らし工程で釜内に戻される。NEW匠炊きコースではこの際に、1.2気圧から1気圧に圧力を減圧する可変圧力を採用。これにより粒感を感じる仕上がりになり、米本来の甘みを引き出す効果があるという。
会場では、匠玄米炊飯コースで炊いた玄米や、NEW匠炊きで炊いた白米などが振る舞われていた。
NEW匠炊きコースで炊いた白米 | 黒米で炊いた粥 |
本体サイズは266×335×226mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約7.1kg。消費電力は1,300W。本体カラーはプレミアムホワイト、プレミアムブラウン、プレミアムシルバーの3色。
プレミアムブラウン | プレミアホワイト |
■1度に2種類の調理ができるスチームオーブンレンジ
スチームオーブンレンジ「EMO-TS30C」 |
8月1日発売のスチームオーブンレンジ「EMO-TS30C」では、2弾でそれぞれ別の調理ができる「2段セットメニュー」を搭載する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は5万円前後。
2段セットメニューでは上段でグリル加熱、下段でレンジ加熱を同時に行なうため、「鳥の唐揚げ」と「和風根菜サラダ」など調理方法の異なる料理が一度に調理できる。
本体全面の扉を開けたところ | 庫内の様子。左側面の上下2つずつ開いている穴はスチーム孔。ここから蒸気を噴出させてスチーム調理を行なう | トレー自体が発熱する「発熱クッキングトレー」 |
本体には2段セットメニューを活用した自動調理メニューとして「カフェメニュー」を新たに搭載した。カフェメニューは、カフェレストラン「トゥーストゥース」、「バルバラ」などを経営する株式会社ポトマックと共同開発したもので、専用のレシピブックが付属する。レシピブックにはフレンチや、スパニッシュなど計8ジャンルの料理が、全部で19種類掲載されている。
2段セットメニューでは同時に2種類の料理が作れる。写真は、上段で鳥の唐揚げ、下段で和風根菜サラダを作っているときのイメージ | 鳥の唐揚げは油で揚げずに作るため普通のものよりカロリーが低く、鳥の皮などに含まれる余分な脂もカットできる | カフェメニュー専用のレシピブックが付属する |
また、冷凍パンの解凍から焼き上げまでを自動で行なう冷凍パンコースでは新たにベーグルコースを搭載。このほかにメロンパンコースやパイ生地コースなど、全部で5種類の自動コースが搭載されている。
冷凍パンコースではベーグルコースを新たに搭載した | カフェメニューで搭載されている「オレンジチョコチップケーキ」。自宅にある材料でカンタンに作れるようにするため、材料にはホットケーキミックスを使用している |
本体サイズは、502×418×360mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約15.5kg。庫内サイズは、339×354×235mm(同)。最大消費電力は1,450W。本体カラーはシャーベットグレー。
■3枚全てにマーブルコートを施したホットプレート
平面、たこ焼き用、焼き肉3枚のプレートが付属するホットプレートは楕円形と長方形の2機種を揃えた。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は楕円形の「HPS-MW3」が15,000円前後。長方形の「HPS-MW2」が14,000円前後。製品は既に発売されている。
「HPS-MW3」。左側にあるのは専用の収納ボックス | 「HPS-MW2」楕円形のHPS-MW3に比べ、本体の幅が狭くプレートの表面積も小さい | 収納ボックスには電源ケーブルを収納するスペースも設けられている |
会場では米粉を使ったお好み焼きを作っていた |
油や粉が周りに飛び散らないように、たこ焼き用、焼き肉用のプレート平面プレートより一回り小さい造りになっており、プレート中心部にはめ込んで使用する。全てのプレートの表面には食材のこびりつきを抑え、手入れがしやすいマーブルコードを採用している。
焼き肉プレート。肉の脂が落ちるように表面が網状になっている | たこ焼きプレート、焼き肉プレートは、プレートの中心にはめ込んで使用する | たこ焼きプレート |
本体サイズは、HPS-MW3が605×360×150mm(平面プレート時、幅×奥行き×高さ)、HPS-MW3が 520×360×150mm(同)。HPS-MW3の重量は約4.6kgで、収納時の全重量は約9.2kg。消費電力はいずれも1,350W。収納用のホルダー、金属ヘラが同梱される。
(阿部 夏子)
2009年7月27日 17:38