家電製品ミニレビュー

西川産業「エアロシート 専用アダプターパック」

~新感覚の涼しさ! イスに座りながらヒンヤリできるクッション

エアロシート 専用アダプターパック

 毎日暑い日が続いている。こんな時はエアコンの効いた室内に居るのが一番だが、エアコンをもってしても冷やせないものがある。それが、イスに座った時のお尻と腿(もも)だ。イスにピッタリくっついているため、空気が入り込む余地がなく、部分的にムレたり、汗をかいてしまうことがある。

 そんな“お尻・腿問題”を解決するためのグッズが、布団で有名な西川産業から発売されている。「エアロシート 専用アダプターパック」だ。

 エアロシートは、イスに敷いて涼感を得るクッション。言ってしまえば座布団やクッションのようなものだが、小さなファンを搭載している点が特徴となる。この“扇風機”がエアロシート内部に風を通すことで、お尻と腿を冷やし、座りながら涼しさが感じられるという仕組みになっている。

 この製品、実は2012年から発売されているが、2013年モデルでは、電源にUSBケーブルと、車用のシガーソケットアダプターが追加された。従来から搭載する単三形乾電池4本に加え、合計3通りの冷却方法が選択できることになる。早速使ってみよう。

メーカー西川産業(東京西川)
製品名エアロシート 専用アダプターパック
価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格4,980円

 クッション本体の面積は約41×61cm(幅×奥行き)と、先端に黒いファンが付いているため、長細いデザインとなっている。緑色の面が表面、つまり座る面となり、裏の黒い面がイスに接合する面となる。裏面にはブツブツの滑り止め加工が施されている。なお、今回はカラーは緑を選んだが、ほかにブルーも用意されている。

エアロシートのパッケージ。イラストからなんとなく使用感がイメージできる
エアロシート本体。ファンが付いている面が表となる
裏側は真っ黒で、滑り止めのブツブツが付いている
ファンの直径は約10cm程度

 電源の1つとなる電池ボックスは、ファンとは反対側のメッシュ部分にセットされている。購入時には、ファンと電源とを繋ぐコネクターが電池ボックスに繋がれているが、USBケーブルを使用する際には、コネクターを電池ボックスから取り外し、付属のUSBケーブルに繋ぎ直す。電源スイッチはスライド式で、電池ボックスとUSBケーブルのそれぞれに付いている。運転モードは強と弱の2通りから選べる。

 イスへの設置方法は、エアロシートのファン部がイスに垂れ下がるように置くだけ。バランスが悪そうだが、滑り止め加工があるため、落ちることもなく安定している。

 なおファンは、あくまでシート内に空気を取り込むためのものなので、ファンから強力な風が吹き出るわけではない。シートの内部には、スペーサーと呼ばれる中敷きが入っているが、空気が通り抜けやすいよう、スリットが空けられている。

購入時は電池ボックスがセットされている
電池は単三形4本で、別売りとなる
電源スイッチは、電池ボックスにもUSBケーブルにも付いている。写真はUSBケーブルのスイッチ
イスには写真のように置くだけ
空気の流れは写真の通り。ファンが空気を吸い込み、シート内に風を通す
ファーストインプレッションは「冷たい!」。これまでエアコンでも扇風機でも冷やせなかったお尻と腿が冷やせるのは新感覚だ

 まずは電池を電源に使ってみる。イスに座って電源をONにすると、おおっ! これは冷たい! Gパンを履いているのに、まるでお尻と腿だけ、エアコンの冷房が直接当たっているようなヒヤッとした感覚があり、“涼しい”よりも“冷たい”というような、確かな冷感が感じられた。強運転の方が涼感は強いが、弱でも十分冷たく、どちらも電源ONにして数秒で涼感が得られる。

 電源ONからしばらく経つと、肌が風に慣れたのか、涼感は落ち着くが、それでもなんとなく涼しい感覚がお尻と腿に伝わり続ける。そのため、イスに熱が篭ることはなく、いつまでもスッキリとした座り心地になる。エアコンでも扇風機でも冷やせなかった部分がヒヤッとするのは、何とも言えない気持ちよさがある。

 ちょっと気になったのが、強運転時の運転音と振動だ。強の場合、イスに座りながらでも「ブオー」という音が聞こえてくるうえ、シートに微振動が起こる。ただ弱の場合は、ほとんど運転音は聞こえず、シートへの振動もほとんどない。静かなオフィスでも、弱なら大丈夫だろう。

運転音。弱→強の順番で切り替えている
座っているところを正面から撮影。股の間にファンが位置するが、特に邪魔ということはない。デッドスペースをうまく活用している

 座り心地は悪くなく、スペーサーのクッションがあるため、普段のイスとほとんど同じ感覚で座れる。シートに垂れ下がったファンも、もともとこの部分はデッドスペースなので、たいして気にならない。また、シートから出る風は極めて微弱で、周囲のものを巻き上げるなんて心配もいらない。正直、この時点で大満足だ!

 電池の連続使用時間は、強モード・2,000mAhの電池の場合で約20時間。消費電力はたった0.6Wと少ないため、かなり長い間使用できる。USBケーブルを使ってパソコンやACアダプターに繋げば、電池切れの心配はないが、ケーブルは2mと長めのため、足に引っ掛けないようにご注意。ちなみに、モバイルバッテリーに繋いでも運転が確認できた。

2,000mAhの電池を使用した場合、強モードでも約20時間持つという。消費電力はたった0.6Wだ。
USBケーブルを使って、パソコンから給電しているところ
モバイルバッテリーでも動作を確認した
USB-ACアダプターを使えば、家庭のコンセントからも利用できる
USBケーブルは約2mと長い。遠くのコンセントやUSBが利用できるが、コードを踏んだり引っかからないよう気をつけて
シガーソケットのアダプターも同梱され、USBケーブルを経由して使用する。長時間の車の運転にピッタリだろう

 うれしいのが、シートのカバーが洗える点だ。実は撮影時、油っこい食べ物をシートに落としてしまったが、カバーだけ取り外して洗うことができた。乾かした後の組み立ても、工具不要で簡単にできる。

撮影時、シートのカバーに油っこい食べ物を落としてしまった。どうしよう、怒られる……
何とカバーは洗濯OK! 安心した
カバーをすべて取り外したところ。写真右はスペーサー、中央はファン
組み立ては工具不要で簡単にできる。ファンの向きにはご注意

 使用前は「本当にこれで効果あるのかな?」と不安だったが、使ってみてビックリ。この涼しさは今までに体験しなかった新しい涼感が味わえたうえ、ただ置いて座るだけという、とても使いやすい製品だ。消費電力も極めて少ないため、省エネ性も高い。不満があるとすれば、前述した強運転時だけだ。正直、コレなしでこの夏が過ごせるとはもう思えなくなっている。

 オフィスで働く人、パソコンやテレビ鑑賞で長時間座りっぱなしの人、車で移動する人など、イスに座り続ける状況にあるすべての人にお勧めしたい。暑い毎日の中で、ひとときの涼しさが味わえる逸品だ。

正藤 慶一