家電製品ミニレビュー

ダイケイ産業「フラットコード黒(1m)」

~ドアを挟んで電気が送れる、凄く薄い延長ケーブル

ダイケイ産業「フラットコード黒(1m)」

 今回のネタは、ちょっと小物だが、電気製品ではあるし刺さる人には刺さる製品なので、推してご紹介する。

 その製品は、凄く薄い電源ケーブルだ。その名も「フラットコード」と言う。

メーカーダイケイ産業
製品名フラットコード黒(1m)
希望小売価格3,990円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格3,990円

1mmの隙間があれば電気が通せる

 フラットコードを一言で説明すると、電源コードを延長するためのケーブルの中間部分をフラットケーブルに変えた製品だ。

 パッケージは手の平に乗るぐらいの大きさで、ごく小さい。コンパクトに巻けることが素直に伝わってくる。

丸い樹脂製のパッケージに収められている
「薄い延長コード」と説明がある
反対側が取扱説明書になっている
何かに似ていると思ったら、綿棒の容器に似ていた

 写真をご覧いただければわかるように、延長ケーブルの両端の部分は普通のプラグとソケットで、10cmほど先から、フラットケーブルになっている。ケーブル部分の厚さは0.9mmと極薄だ。

 フラットケーブルの部分は、ビニール系の素材で包まれている。開封時は、多少ビニール臭がする。

小さい容器の中にきっちりと詰まっている
ケーブルの全景
中央のフラット部分だけで、ほぼ1mある
ケーブルの両端に、プラグとソケットが生えている
フラット部分と普通のコード部分の構造
ケーブルの中央は薄い
このように軽く曲がる
ノギスで計ると0.99mmだった
普通のコードに変わる部分の厚みは8.93mm

 パソコンを自作した経験のある方なら、フロッピーディスクドライブの接続ケーブルなどを想像してもらうとわかりやすい。あれの両端にAC100Vのプラグとソケットが生えているわけだ。

 フラットな部分があるためか、電源容量は1,200Wと、通常の延長ケーブルが1,500Wなのに比べると、ちょっと低い。

 フラットコードは、長さが30cm/50cm/1m/2m/3mの5種類、色が黒と白の2色で、10機種ある。

 フラットコードは、とても値段が高い。一番安い30cmでも2,625円(黒白とも同価格)だ。今回、購入した1mタイプだと約4千円もする。

 電源コードを延長するだけならば、同じ長さのテーブルタップが数百円で買えるだろう。そういう用途なら、フラットコードの出番はない。

 では、どこに出番があるかというと、1mmの隙間を通して、電気を送りたいという用途だ。たとえば、ドア、サッシなど閉じた状態で、向こう側から電気を取りたいというとき。開発者の方がYouTubeに動画を上げているが、自動車のドアで挟んでも大丈夫だとアピールしている。

 もう1つは、カーペットや家具などの関係で、電源コードの厚みが許されない場合だ。カーペットの下に電源コードを通すと厚みが出てしまうが、フラットコードなら気にならない。また、壁にピッタリくっつけて設置した家具と壁の間にコードを通したいと言う用途には使える、というわけだ。

 開発者の動画では、フラットコードを床に敷いてキャスターで轢いたりもしている。段差の無さとタフさを訴求しているのだ。また、この動画もそうだが、パッケージや取扱説明書も手作り感があって、個人的に好感が持てる。こういうことは人によって感じ方が違うとおもうが、少なくとも作っている人が一生懸命なのは伝わってくる。

パッケージの封はセロテープ。手作り感がある
取扱説明書の追加分は、ワープロ打ちでコピー。これも手作り感がある

オフィスでも家庭でも用途はある

 実際に、家電Watchのオフィス内で、いろいろ試してみた。

 まず、ドアについていうと、割りとピッタリとしたドアで挟んでも、この極薄のケーブルは問題なく電気を送ってくれる。金具の部分さえ避ければ、ドアの上下でも横でも通る。どんなドアでも、1mmぐらいの隙間をあるものだ。

こうやって敷いておいて
ドアを閉めても大丈夫
鍵などの金具部分を避ければ、ドアに挟んで良い
ドアの上でも通る

 次に、カーペットの下を通してみた。弊社オフィスは、室内はフリーアクセス床だが、通路部分は、普通のコンクリ床にカーペットなので、ケーブルを通しにくい。しかし、フラットコードを使って、カーペットの下を通すと、凹凸を感じさせることなく、ケーブルが通せる。

壁のコンセントからカーペットの下を通した例
壁とカーペットは隙間なくできる
カーペットとカーペットの間から、ほぼ隙間なく出せる
人が載ったイスのキャスターで轢いても問題ない

 商品説明では、「キャスター付きチェアに90kgの荷重をかけ、フラット部分を2万回通過する試験、断線認められず」と言っているので、尖ったものなどでケーブルが破れるようなことがなければ、ある程度の重さがかかっても大丈夫そうだ。

 試しに、人が載ったイスのキャスターで何度か往復して踏みつけてみたが、問題はなかった。これぐらい強度があれば、フラットな部分がめくれないように、ガムテープ等で押さえておけば、むき出しで配線してあってもよさようだ。

 フラットコードは、これでなければならないという用途がある製品であり、当てはまる用途を持っている方には代えがたい製品だ。電源コードの太さが原因で、あきらめていた用途がある方は、ぜひ検討していただきたい。

伊達 浩二