家電製品ミニレビュー

挽きたてのスパイスの香りが最高! 片手で使えて想像以上に便利な電動ミル

 料理の風味、味、香り付けに欠かせない香辛料は、挽きたての方が香りがより際立ち、料理が一層美味しく仕上がる。そこで今回は、京セラの「セラミック電動ミル CMD-50」を紹介しよう。

京セラ「セラミック電動ミル CMD-50」

 製品名にもあるように、ミルの挽臼はセラミック製だ。セラミックは摩耗しにくくて長持ちの他、摩擦熱が生じにくいので、香辛料の香りが飛びにくい利点が挙げられる。また、サビとは無縁なので、岩塩などの湿った結晶塩にも使用できる。そして電動式なので、ボタンを押すだけで片手ラクに使える。

メーカー名京セラ
製品名セラミック電動ミル CMD-50
実売価格5,400円

準備は簡単。投入口が広くスパイスを入れやすい

 電源は単三形乾電池を4本使用するが、付属されていないので別に用意する必要がある。推奨される電池の種類は、アルカリ乾電池、またはニッケル水素充電池とされている。

 取り付け方はとても簡単だ。本体の下部を手で押さえ、上部のカバーを右方向へ回して外し、次に電池カバーのPUSH表示部を押さえながら上方向へスライドさせる。現れた電池ケースに電池の向きを注意しながら入れ、電池カバーを下にスライドさせる。

 上部カバーを戻す前に、食材(スパイス・結晶塩)を入れてしまおう。投入口の大きさは、約40×40mmと広いので、スプーンからはもちろん、パッケージからも直接入れやすかった。最後に、カバーを取り付けたら準備は完了だ。

上部のカバーは簡単に外せる
電池カバーのPUSH表示部を押さえながら上方向へスライドさせると電池部が現れる
手持ちのエネループ単三形乾電池4本を使用した
投入口が大きて入れやすい

 本体の高さは台座込みで247mm。カバーの最下部の直径が最も太く60mm。スイッチがある最上部の直径は42mmだ。乾電池4本を装着した本体のみの重さは(単三形エネループ4本の場合)382gだった。台座の直径は76mmあり、安定して置ける。

 本体の外装は樹脂製なので火のすぐ側には置けないが、キッチンカウンターの上でもテーブルの上でもスッキリと映えるデザインだ。凸凹の少ないシルエットなので、サッと拭けばキレイも保ちやすそうだ。

専用台座があるので安定して置ける。スッキリとしたデザインだ
高さはあるが、食卓に置いても無骨な印象はない

静かで力強いミル。挽き分けも明確に

 スパイス、結晶塩が挽けるCMD-50だが、それらの粒の大きさに注意が必要だ。挽けるスパイスの粒径は5.5mm以下、結晶塩なら短寸2~4mm前後のものを使う。なぜなら挽臼は2つの刃が重なる構成ゆえ、刃の隙間より粒が大きいと粒がうまく挽臼に送り込めないからだ。

 また、皮の多いアーモンドやピーナッツ、ゴマは目詰まりするので使用しないこと。それ以外、山椒や七味唐辛子など、皮が無くて油分の少ないよく乾燥したものは全般的に挽ける。

取り外しができる挽臼は2つの刃で構成されるセラミック製だ。挽臼の隙間が最大5mm程度なので、あまり大粒のものは使用しない

 今回は、スーパーなどでも手に入りやすい、S&Bの岩塩とGABANの黒胡椒を用意した。

 使い方は本当に簡単!料理や食材の上で本体のスイッチを押すだけだ。押している間、挽かれた黒胡椒や岩塩が途切れなく連続で臼から出てくる。軽くスイッチを押しているだけなのに、気持ち良いほどだ。約8秒間押しているだけで、結構な量があっという間に挽けてしまった。

使用した黒胡椒。粒の直径は5mm
岩塩は粒が大きくないものを選ぶと良いだろう
操作はボタンを押すだけ。カバーを外した時はスイッチが押しにくい構造になっている(右)
約8秒間で結構な量が挽けた
挽いている様子。適度な速さで途切れなく挽かれた胡椒が出てくる。運転音も静かで耳障りは無い

 運転音も思いのほか静か。乾電池式モーターにもかかわらず回転に力強さがあり、しかも耳障りな運転音がしない。この程度の運転音ならば、食卓で使用しても楽しい会話の邪魔をすることはなさそうだ。

 挽きの粗さも好みに合わせて簡単に調節できる。底に調節ツマミがあり回すだけだ。時計回りに回すと細かく、反対に回すと粗く挽ける。調節ツマミには粗さの大小を表す刻印があるのでわかりやすい。黒胡椒、岩塩と試してみたが、違いがハッキリわかるほど挽き分けができた。

底のツマミを回して挽きの粗さが調節できる。粗さを表す刻印があるのでわかりやすい
胡椒の挽き分け
岩塩も簡単に、明確に挽き分けられた

片手で簡単、狙ってふりかけられる!

 挽きの粗さを試してわかったのは、スイッチを押すだけで挽けるので本体が揺れにくく、狙ったところに確実にふりかけやすい点だ。挽かれた粒は、偏りの少ない円環状で出てくるため、食材の上でCMD-50ゆっくりと移動させるだけで狙ったところに無駄なく、確実にふりかけられる。しかも片手で、だ。

 この点が電動式ミルの大きな魅力だろう。手動のミルなら両手がふさがるのはもちろん、本体を握ってグリグリと捻りながら挽く時に本体底がどうしてもブレやすく、挽かれたものが飛び散って、周囲まで汚してしまいがちだ。ところが、CMD-50は挽かれたものが一定のスピードで連続して出てくるので、量のコントロールが至極簡単にできる。

料理中も片手で簡単に操作できる
食卓でも使いやすい。周囲を汚さずに確実に料理にふりかけられる
新鮮、挽きたての黒胡椒の香りが食欲を一層そそる。ふりかけたい所を確実に狙える

 重ねて、台座にも周囲を汚さないための一工夫がある。台座の中央が凹んでおり、臼部に残ったものも飛び散らずにちゃんと受け止めてくれる。テーブルの上では特に便利な気遣いと言えるだろう。

 手入れも簡単だ。挽臼はセラミック製なので丸洗いができる。スパイスを変える時には特に便利だろう。また電池とモーターが組み込まれている本体以外も分解して洗えるので、清潔に保ちやすい。

 正直言って使う前は、ミルをわざわざ電動にしなくても……なんて思っていたのだが、想像以上に便利だった。下ごしらえの途中でも片手でも、塩・胡椒などが均等に、無駄なくふりかけられ、コントロールもラク。しかも静か。挽きたての香辛料は香りがより鮮烈で、料理もいっそう引き立つ。美味しいものが大好き、料理好きの人にこそ是非手にして欲しい一品だ。

台座にくぼみがあるので、臼部に残った粉も受け止め周りを汚さない
電池とモーターが組み込まれている本体以外、分解して丸洗いできる
半透明な窓から中の内容、残りが確認しやすい。S&B岩塩の詰替タイプ35gがラクに入った

藤原 大蔵