家電製品ミニレビュー
“場”をプログラミングするとは? 話題のドライヤー「ヘアビューザー」を試してみた
2017年2月3日 07:00
ここ1年くらい、美容業界や女性の間でちょっとしたブームとなっているドライヤーがある。リュミエリーナの「ヘアビューザー」というものだ。筆者も全然知らなかったのだが、友人や知り合いの美容師がSNSで話題にしていたり、女性誌でも数多く取り上げられたりしている。
紹介している人たちは口を揃えて、「使えば使うほど髪がうるおう」「冷風で顔がリフトアップした」と言っている。ド、ドライヤーでそんなことあるの??? と驚くような感想が多く、今までさまざまなドライヤーを試してきた者として、これは使わねばならぬと使命感に駆られた。
お値段は24,300円、決して安くない買い物だ。値段も高く、これだけ話題になっているのだからきっと効果があるのだろうと信じて購入してみた。
メーカー名 | リュミエリーナ |
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製品名 | ヘアビューザー エクセレミアム2 |
実売価格 | 24,300円 |
ヘアビューザーの特徴は、リュミエリーナが独自で開発した「バイオプログラミング」という技術と、特殊セラミックスというものを採用している点。
製品ページによると、バイオプログラミングとは、特定の振動と波長の組み合わせで物質が「エネルギーと情報の“場”」を持つようにプログラミングする、最先端の独自技術とのこと。特許取得などは確認できなかった。
このバイオプログラミング技術の効果によって、髪のタンパク質の水和構造を堅固にし、熱によるダメージから髪を守るという。また、使うほど髪がうるおい、冷風を当てることで素肌のキメが整うとのことだ。百聞は一見に如かず、ということでさっそく使ってみた。
風量は「HIGH/LOW」の2段階で調節できる。風量の数値などは公開されていなかった。使用環境によって異なるが、温度は120~140℃が目安になり、他社のドライヤーと比べると高めになっている。温度を細かく調節する機能はないが、ハンドルの根元には冷風を出す「COLD」ボタンが独立して備えられている。
早く乾かしたかったので、スイッチをHIGHに入れて運転スタート。温度が高いので、冬場の寒い脱衣所ではちょうど良かった。
風量は計測できなかったが、強すぎず、弱すぎないと感じた。ちなみに他社のハイエンドドライヤーの風量は、パナソニック「ナノケア EH-NA98」(実売:17,798円)が約1.3m3/分で、シャープ「スカルプエステ IB-GX9K」(実売:19,800円)が約1.7m3/分。体感としては、その中間あたりといったところだ。乾かすのに掛かった時間は5分。普段使っているドライヤーでは3分30秒~4分で乾くので、少し時間が掛かった。
肝心の仕上がりは、乾かした直後はしっとりしていたが、一晩経って寝起きの状態を見てみると、毛先があまりまとまっていない様子。細くて量のある筆者の髪には向かなかったようだ。1カ月ほど使ってみたが、満足のいく仕上がりにならなかった。また、冷風を顔に当てると肌のキメが整うというが、正直なところ効果はわからなかった。
良かった点としては、冷風ボタンが独立しているので切り替えやすいところ。いつも温風である程度乾いたら冷風で仕上げるようにしているのだが、普段使っているドライヤーは操作ボタンがヘッド部分にあり、いちいち目視で確認しながら切り替えていた。
このヘアビューザーはハンドルの根元に冷風ボタンが独立している。ちょうど握ったときに指が当たる部分なので、頭で振り続けている状態でも簡単にスイッチを押せる。
ひとつだけ気をつけたいのは温風温度がかなり高温なので、ノズルも熱くなること。普段はノズルを付けずに乾かしているが、たまにノズルを付けると、使用後にとても熱くなっていた。取り外すときは、時間が経ってからのほうが良い。
個人差はあると思うが、筆者にはバイオプログラミングが作用しなかったようだ。相性による部分もあるので、SNSで絶賛されているように、ぴったりハマる人もいるはずだ。高い買い物になってしまったが、こればかりは使ってみるまではわからない。ひとつの意見として、参考になれば幸いだ。