家電製品レビュー

猫の毛もラクラク! ダイソンのコードレス掃除機「V8 アニマルプロ」は猫飼いにオススメ

 スティッククリーナーを愛用しているが、ペットを飼っていると気になるのがブラシの汚れ。猫の毛は付着しやすく、なかなか取りづらい。そこで試したのが、ダイソンのコードレスクリーナー「Dyson V8 Animalpro(アニマルプロ)」。カーペットに適したヘッドが特徴のモデルだ。

ダイソン「コードレスクリーナー V8 アニマルプロ」
メーカー名ダイソン
製品名コードレスクリーナー Dyson V8 Animalpro
実売価格93,744円

 我が家は基本的にフローリングだが、リビングのラグに愛猫のりきおが寝転がっていることが多く、1日掃除をしないだけでラグが毛だらけになる。普段使っているスティッククリーナーもキャニスター型の掃除機も、ラグを掃除するとヘッドが張り付いてしまい、いつも苦戦していた。

 今回使った「アニマルプロ」は、ペットオーナー向けということで、カーペットに潜むダニやペットの毛などもパワフルに取り除けるという。我が家の毛だらけのラグがどうなるか、さっそく使ってみた。

基本はフローリングだが、ダイニングにラグを敷いている
どこにでも転がる猫のため、ラグもすぐに毛だらけに

 アニマルプロの特徴は、カーペットに適した「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」を採用している点。細い2種類のブラシがローラーに巻かれているような状態だ。また、ヘッドにもモーターを備えているため、カーペットの奥のゴミまでパワフルにかき取るという。

 同社の「Fluffy」モデルに備えられている「ソフトローラークリーナーヘッド」は、全体がナイロンフェルトに覆われているのに対し、アニマルプロの「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」は細いブラシを搭載。前者はフローリング向けで、アニマルプロはカーペット向けという位置づけだ。

 また、ダイソンのコードレスクリーナーは2016年のモデルから「V8シリーズ」に刷新。新開発のデジタルモーター「V8」を搭載し、従来モデル「V6」シリーズと比較して吸引力が最大15%アップし、さらに連続運転時間も向上したという。後述するが、ゴミ捨ての機構や充電インジケーターなども改良されている。

アニマルプロはパイプの色が赤でカッコいい。ハンドル部のトリガーを引くと駆動する
ダイレクトドライブクリーナーヘッドを採用。カーペットやラグ向きだが、フローリングも掃除できる
固いナイロンブラシ(赤)と、ソフトなカーボンファイバーブラシ(黒)を備える
左のV6 Fluffyモデルに備える「ソフトローラークリーナーヘッド」は全体がブラシに覆われている。右のダイレクトドライブクリーナーヘッドは、細いブラシが巻かれているような状態

ヘッドがラグに張り付かない! スイスイ掃除できて快適

 さっそくラグを掃除してみた。軽くヘッドを動かしてみると……おお! するする動く! まったく張り付かず、猫の毛もしっかり取れて気持ち良く掃除できた。

 ヘッドは往復させるときに、後ろに引くと張り付いたり、吸い取ったはずの毛がまたラグに付いてしまうことがあるが、アニマルプロは問題なし。左半分だけ掃除をしたラグを見てみると、色もワントーン明るくなっていた。

ラグを掃除した
張り付かずにスイスイ動く! 往復させてヘッドを引いても問題なし
掃除前のラグ。1日放置しただけでこの猫毛……
左半分のみアニマルプロで掃除。ラグの色もワントーン明るくなっている

 また、以前の記事で、他の掃除機でカーペットを掃除した後に、ダイレクトドライブクリーナーヘッドで掃除をするとさらにゴミが取れるという話があった。これがとても気になっていたので試してみた。

 使ったのは、すっかり使わなくなって物置きにしまっていたキャニスター型の掃除機。ラグの一部にキャニスター掃除機を往復させた後、同じ場所をダイレクトドライブクリーナーヘッドを付けたアニマルプロで掃除。操作性に関しても、キャニスター型の掃除機はヘッドがラグに張り付いてしまった。

キャニスター型の掃除機も使ってみた。1往復させたが、張り付いてしまう
キャニスター型使用後に、同じ場所をアニマルプロで掃除

 同じように1往復させたので、ダストカップからゴミを取り出す。どちらも掃除前にダストカップの中は空にしていた。

 結果、先に掃除したキャニスター型の掃除機で取れたゴミは多かったが、その後に使ったアニマルプロでも同じくらいのゴミが取れていた。キャニスター型はヘッドが張り付いてしまったため、取り切れない毛やゴミは目視でも確認できたが、こうしてダストカップの様子を見ると違いがわかりやすい。

 ただし、バスマットのような毛足の長いラグでアニマルプロを使ったところ、巻き込んでしまったので注意が必要だ。アタッチメントが複数用意されているので、毛足の長いものは、ミニモーターヘッドなどを付けた方が掃除をしやすかった。

キャニスター掃除機で取れたゴミ(左)。その後にアニマルプロで掃除したらさらにゴミが取れた(右)

 なお、アニマルプロはカーペットに適しているが、フローリングも問題なく掃除できる。フローリングを掃除したときは、ガガガ……という音が聞こえて気になったが、床は傷ついていなかったので大丈夫だ。粒の大きさがさまざまな猫砂もきちんと吸い取っていた。

 一方、フローリングに適した「ソフトローラークリーナーヘッド」は、拭き掃除のように床をキレイにできるという。予算に余裕があれば、2つのヘッドが付属する「Dyson V8 Absolute」に手を出したいところだ……。

フローリングも問題なく掃除できる。大小さまざまな猫砂もしっかり吸引していた

バッテリー長持ち! 標準モードでもパワフルな吸引力

 バッテリー持ちも問題なく、3LDKの我が家は一度で掃除できた。というのも、筆者がダイソンのコードレスクリーナーで気に入っている点なのだが、標準モードでも十分な吸引力を発揮してくれるからだ。アニマルプロの連続運転時間は、標準モードで35分、強モードで7分(ダイレクトドライブクリーナーヘッド装着時)。

 他社のスティッククリーナーだと、運転時間が長い「標準」や「弱」モードだと、パワーが明らかに弱くなり頼りなく感じるのだ。一方のダイソンは、わざわざ強モードにしなくても、標準モードで部屋中のゴミをしっかり吸ってくれる。

運転モードは「標準/強」を用意。「標準」でも吸引力が強いため、十分掃除できる。むしろ「強」はあまり使わないため、バッテリー持ちも心配ない

 また、V8シリーズでは新たに、充電残量がわかるライトも搭載。使用中に3段階で残量を教えてくれるので、いきなり充電が切れるという心配もない。充電中も残量が3段階でわかる。なお、フル充電までにかかる時間は約5時間だ。

 使い終わったら充電するように習慣づければ、サッと掃除をしたいときにも充電がないということも防げる。アニマルプロには壁掛け収納できるブラケットが付属しているが、これはネジを使って壁に穴が空いてしまうので、我が家ではまだ出番がない。最近では、スティッククリーナー用のスタンドというものが量販店に売られていたりするので、導入しようか検討しているところだ。

新たにインジケーターを備えたため、運転中に電池残量が3段階でわかる
収納用ブラケットと充電ケーブル。ブラケットは壁に取り付けて使う
充電中も残量が確認できる

ゴミ捨てが画期的! ゴミに触れずに捨てられるようになった

 もう1つ、V8シリーズで変わった点が、ゴミ捨ての機構だ。これまではハンドル部のレバーを引くと、ダストカップの底が開いてゴミが落ちる仕組みだった。しかし、猫の毛を大量に吸い取ると、ダストカップの円筒部分に毛がドーナツ状にくっついてしまい、ゴミがなかなか落ちなかった。

 結局素手やティッシュでゴミを掻き出して捨てることになるのだが、吸い取ったゴミはなかなか触れたくないもの。猫の毛以外にも人の抜け毛やホコリ、猫砂などがあるためずっと気になっていた。

一通り掃除した後のダストカップ。猫毛に猫砂、ホコリなどが取れている

 V8シリーズでは、このゴミ捨ての不満を解消。ハンドル部の赤いレバーを引くと、まずダストカップ内のクリアピン(円筒部)が引き上げられ、くっついていたゴミの塊が離れる。もう一度レバーを引くと、ダストカップの底が開いてゴミが落ちる仕組みになった。

 この1工程が加わるだけで、ゴミの塊がダストカップに残ることが少なくなった。ダストカップが開くと、ストンとゴミが落ちるので気持ちいい。ゴミの量が多いと、たまに残ってしまうこともあるので結局ティッシュなどで取ることもあるが概ね満足だ。

 なお、レバーを引き上げるのは少し力が必要なので、パイプを外したほうがやりやすい。また、ゴミ捨ての機構が変わったためか、本体はV6シリーズより重くなっていた。比べてみないとわからない程度だが、V6モデルで掃除をした後に、V8モデルを使うと重く感じる。

赤いレバーを引く
クリアピンが引き上げられる。付着していたゴミの塊が円筒部から離れる
さらに取っ手を引くと底が開いてゴミが落ちる
ゴミに触れずに捨てられた

 ヘッドの手入れも簡単。ブラシが細いので、絡んだ猫の毛も取りやすい。ヘッド全面にブラシが備えられていると、我が家のように長毛種の猫の毛はびっしり絡みついてしまうが、アニマルプロはそもそも毛が付きにくく、手入れがスムーズだった。

 ブラシは取り外せるので、しっかり掃除をしたいときは外すと良いだろう。

使用後のヘッド。ブラシを全体に備えていないため、猫の毛も付きにくい
取り外しもでき、毛を取り除きやすい

アタッチメントが豊富で家中くまなく大掃除!

 先述のとおり、アタッチメントも豊富だ。フトンツールやすき間ノズル、延長ホースなどがあり、家中くまなく掃除できる。

豊富なアタッチメント。左上から時計回りに、ミニモーターヘッド、フトンツール、隙間ノズル、ハードブラシツール、コンビネーションノズル、延長ホース
ふとんクリーナーとして使える「ミニモーターヘッド」

 ミニモーターヘッドは、コンパクトなヘッドで、ソファや車中の掃除に適しているという。我が家ではパイプを外してふとん掃除機のように使ってみたところ、びっくりするくらいゴミが取れた。

 シングルベッドを一通り掃除をすると、ダストカップが真っ白に。フローリングやカーペットではなかなか見られない、粉のようなゴミが多かった。これは、ふとんに潜むダニが、サイクロンで粉々にされたゴミだと言われている。

 以前、筆者のふとんのゴミを検知してもらったところ、ダニが1,200頭以上いたので、今回のゴミもダニの死骸が多くいると考えられるだろう。

ミニモーターヘッド
パイプを外してハンディクリーナーのようにすればふとん掃除もできる
シングルベッドを掃除した後。白い粉のようなゴミでダストカップが白くなった
取れたゴミ。こうした粉になったゴミはふとん掃除をしたときにしか見かけない。サイクロンで粉砕されたダニの死骸ともいわれている

 なお、ふとん掃除後のダストカップは白くなり、ゴミ捨てをしても粉のようなゴミまでは捨てきれない。ダストカップは水洗いできないため、こうしたときは湿った布で拭き取る必要がある。

 本体は3つのパーツに分解できるので、パーツを分けた方が拭き取りやすい。水洗いできるようになると、より清潔に使えそうだ。

本体は3つのパーツに分解できる
ふとん掃除後は粉のようなゴミの付着が気になったので、分解して拭いた。水洗いできるとさらに気持ち良く使えそう
頑固な汚れはハードブラシ、延長ホースとすき間ノズルのあわせ技も

 また、他のアタッチメントも、普段は見てみぬフリをしがちな細かい場所の掃除に便利。これらのアタッチメントは、同等のものを以前「Dyson V6 Mattress+」をレビューしたときに紹介したので、詳しくはそちらを参照いただきたい。ただし、V6シリーズとV8シリーズでは、アタッチメントの装着機構が変わっていて互換性はないので注意。

 筆者のオススメは「ハードブラシツール」。硬いブラシで、こびりついた汚れにゴシゴシとこするように使える。我が家では、窓付近の水滴とホコリでベタベタしている場所をキレイにできた。

 また、延長ホースとすき間ノズルを組み合わせれば、洗濯機の横など狭いところも掃除可能。アタッチメントを駆使することで、普段なかなか掃除しない場所もキレイにできる。これからの季節、大掃除でも役立つはずだ。

フトンツールはデリケートな生地のものに。クッションを掃除
コンビネーションノズルは、用途によってブラシを出したり引っ込めたりできる。棚の掃除に便利
ハードブラシツールはこびりついた頑固な汚れに。水滴とホコリでベタベタになった窓際も、ゴシゴシとこするように使ってスッキリ
延長ホースと隙間ノズルのあわせ技も。テレビの裏や洗濯機の横など、掃除機が入りにくい細かい場所に適している

西村 夢音