趣味の節電道入門

第48回:鉄のカーテンを超える断熱カーテンで冷戦にサヨウナラ

 10月に入って、うすら寒い日が増えてきた。もう冬はそこまで来ているのだ。うちの仕事部屋に関して言えば、北側に位置しているため、夏の暑さよりも冬の寒さの方が断然厳しい。ガラス窓の表面から冷気が流れ込んでくるのである。

 今年の1月には窓に断熱用のプチプチを貼ってみたが、さらなる断熱効果を求めて、カーテンを換えてみた。

 断熱カーテンという言葉に聞きなじみがなくても、遮光カーテンの存在は耳にしたことがあるのではないだろうか。窓からの光を遮れるため、安眠の確保を目的として、夜の仕事をしている人が寝室に導入することが多い(ライター業にも愛用者が多い)。

 そして遮光カーテンは、普通のカーテン生地に密度の高い生地を貼り合わせて作られており、断熱や防音の効果を謳う製品もあるのだ。

 今回購入した「CALM(カルム)」シリーズは、裏面をアクリル樹脂コーティング加工し、遮光率99.99%以上の1級遮光と、断熱性、遮音性を確保している。当然だが、カーテン選びは窓のサイズに縛られる。いくつかの製品をネットで見てみたが、幅100cm×高さ178cmのサイズがあったのでこれに決めた。

 この原稿を書くこともあって、すぐに発送してくれることを重視したが、好きな柄が選べ、1cm単位でオーダーできる製品もあるので、時間に余裕があるならオーダーもおすすめだ。

購入した「CALM(カルム)」は、幅100cm、高さ178cmの2枚組で、購入価格は6,150円だった(Amazon.co.jp)。色はアイボリー、ブラウン、ベージュがある
おそらく15年以上使っていたカーテン。生地は薄っぺらく、遮光も断熱もあったもんじゃない
遮光カーテンの裏地はアクリル樹脂コーティング加工されている。合皮に近い触感だ

 取り付けは、アジャスター付きのBフックがカーテンに付いているため簡単だった。単純に、カーテンが新しくなるだけで気持ちがいい。そして、薄手のカーテンの時は、部屋の照明を付けなくても、明るかったのだが、さすがに遮光カーテン、照明を消すと昼でも真っ暗になる。照明の節電という意味では不向きだが、暖房にかかる電気の方が大きいので、冬場は締め切ることが多くなるだろう。

BEFORE&AFTER。貧乏くさい部屋が普通の部屋に見えるようになった
部屋の照明を落とすと、外が明るいにもかかわらず真っ暗になった。肉眼で見る限り、カーテンそのものはまったく光を通していない。写真の現像もできそうだ(しないけど)。

 まだ本格的に寒くなっていないため、その断熱効果は実証できていないのだが、メーカーによると外側表面と室内側の温度差5℃以上の断熱効果があるとされている。少なくとも、これまでのぺらぺらカーテンよりはマシなはずで、プチプチとともに冷気を遮ってくれるはずだ。

 かつて東西冷戦時代には、ヨーロッパに鉄のカーテンが引かれたが、寒さにおいては断熱カーテンのほうが鉄より効果は高い。北からの冬将軍を遮り、ガラス窓の冷戦状態がついに解消しそうだ。

小口 覺