趣味の節電道入門
第32回:デスクの“こたつ化”とハクキンカイロでエアコンいらず!
by 小口 覺(2015/1/21 07:00)
前回、冬場には極寒になる仕事部屋の窓を“プチプチ”で断熱したが、それでも足元は冷えがちだ。デスクの場合、側面が板で覆われており、エアコンの風が届きにくいのが原因だ。さて、どうしたものかと思っていたところ、アイリスオーヤマの「デスクヒーター」なる製品を見つけたので導入した。
デスクヒーターは、その名の通り、デスクの天板に取り付ける暖房器具だ。小さなホワイトボードぐらいのサイズ(46×35cm)で、発熱体にコードヒーターを採用。消費電力は90Wと比較的少ない。
ヒーター本体にはマグネットが付いており、スチール製のデスクならそのまま天板に取り付けられる。木製デスクでは、付属の金具を粘着テープまたはネジで天板に固定し、そこに取り付けることになる。
電源はオンオフのみで、温度の調節機能はない。実際、暖かさはかなり“ほんのり”したもので、手で直接触れても熱くはなく、暖かいなぁ程度だ。付属のフリースカバーを取り付けると、暖気が逃げにくくなり足元がほんのりと暖まる。
それでも膝より下が寒く感じたので、カバーに別の布(ここで紹介した「着る毛布」)を継ぎ足してみた。結果、密閉度が高まり脚全体を暖かくすることができた。とはいえ、エアコンなど他の暖房器具を使わないなら、もうちょっとパワーが欲しいというのが正直な感想だ。
ベンジンを燃料にしたハクキンカイロで全身を暖める
デスクヒーターにより足元の暖かさを確保したが、下半身でもう1カ所冷えがちな腰を温めるためにハクキンカイロを購入した。これはベンジンを燃料とするカイロで、昭和40年代ぐらいまではカイロと言えばこれだった。
筆者も幼い頃に家で見た記憶があるが、その後すぐ使い捨てカイロが一世を風靡し、世の中から姿を消したかのように見えた。ところが、今でも経済的でパワフルかつエコという理由で、ハクキンカイロの愛好家は多いという。
ハクキンカイロはベンジンを燃料に使う。といっても直接燃やして暖めるわけではない。気化したベンジンが触媒の白金(プラチナ)で酸化したときに熱を発し、その化学反応を活用している。ベンジンは炭酸ガスと水に分解されるため、空気も汚さない。
ただ、使い方は多少面倒ではある。カイロ本体のフタとプラチナ触媒のある「火口」を取り外し、ベンジンを注入。ライターやマッチの炎をプラチナ触媒に3~5秒間あてて点火する。そしてフタを閉め、付属の布ケースに入れて使用する。
基本的には、1度点火したら燃料がなくなるまで熱は消えない。どのぐらいの時間暖めるかは、燃料の量で調節することになる。今回購入したミニサイズでは、最大18時間だが、大容量サイズでは最大30時間も保温し続けるという。
今回は、腰を温める目的なのでカイロベルトを購入。カイロを腰に固定することで、暖められた血流が行き渡るためか、エアコンなしでも全身が暖かく感じられた。
もちろん、デスクで座っているときのみならず外出時にも利用できる。使い捨てカイロと比べても、かなりパワフルなのでスキーなどのアウトドアでも活躍するだろう。とくに冷え性の人にはかなりオススメしたいアイテムだ。