趣味の節電道入門
第29回:ダメ人間、「着る毛布」と「こたつテーブル」で冬を乗りきる
by 小口 覺(2014/12/10 07:00)
朝起きたとき、寒さのあまり「このまま布団にくるまって生活したい」と思ったことはないだろうか。そんな欲求を満たす製品「着る毛布」や「着る布団」が、先の震災以降かなりたくさん出てきた。
一昔前なら、だらしないと批判されるような格好になるが、このところは節電というエクスキューズが効くことからかなり人気なようだ。もちろん、実際に節電につながる。筆者の場合、日中は一人で過ごすことが多く、格好も気にしなくていいので、さっそくネットでぽちった。
「着る毛布」でネット検索すると、サイズや袖や裾などの形状は様々、ハーフコートのようなタイプから、それこそ毛布そのままの形のものまでたくさんの商品がヒットする。
大きなものは体をすっぽり包み込むので暖かそうだが、それだけ動きにくくなる(商品によっては床に引きずるし)、かといって小さなものはそれなりの効果になるわけだが、今回は見た目のおもしろさで選んでみた。
フードがクマさんの顔になっている「着る毛布」(購入価格は2,480円)は、いろいろなショップで販売されており、統一された商品名はない。製造は中国のメーカーで、中国語の品名では「USB保暖毛毯」となっている。
基本的には、ポンチョのように肩に羽織って使用する。前で留めるボタンがひとつ付いているだけなので、屋外での防寒性能は弱い。フリースを着ても同じじゃないかと思われるのだが、羽織ったり脱いだりが衣類よりも手軽なことがメリットになる。
羽織るだけでなく、膝掛けとしても使用しやすい。デスク作業中は、上半身よりも下半身が冷えがちなので、腰に巻いて使うことが多くなった。もうちょっと大きなサイズの方がしっかりと巻けるとは思うが。
また、この製品にはUSBのヒーターが付属しており、本体のポケットに入れて使用できる。体に近い場所で使うため、バカにできない暖かさが得られる。お腹や腰に当てておくと、今まで足元で使っていたセラミックヒーターは不要になるほどだ。ヒーターの消費電力は2.5Wほどなので、300W~600Wのセラミックヒーターに比べて100分の1~200分の1以上の節電となるわけだ。
腰から下を暖めると言えば、わが家ではここ数年、こたつタイプのダイニングテーブルを使用している。家電なのに伝統的なイメージすらあるこたつは、節電の視点でも再評価されているが、ひとつ問題がある。
こたつから抜けられない、ダメ人間を作りがちなのである。いや、こたつは人間のダメ要素を露呈するといった方が正確か。平日はまだしも、お正月になると、こたつによるダメ人間のピークがやってくる。うちの小学生の息子なんか、常日頃からこたつに潜り込んで出てこないし。
そこで、わが家ではこたつを仕舞い、ヒーター付きのダイニングテーブルを導入した。原理はこたつと同じだが、イスであり布団がないため、離れにくさはこたつに比べるとかなり少なくなる。と思ったものの、それでも小学生はカメのように下で丸まっていたりする。
もちろん、こたつの方が布団がある分、少ない電力で暖かさを維持できるが、テーブルだとゴロ寝ができないので、ダメ人間の自覚がある方にはおすすめしたい。