趣味の節電道入門

第31回:水着と窓用プチプチはジャストサイズでないと!

 「マンションの南北問題」と勝手に呼んでいるが、同じ家の中でも南北で気温差が大きい。仕事部屋にしている北側の部屋は、夏は涼しくてエアコンいらずだが、冬場は寒さがこたえる。その気温差は、陽の当たる日中では10℃近くにもなる。しかもエアコンやストーブを付けても足元がかなり冷える。南北だけでなく高低差での気温差もかなりあるのだ。

 サーキュレーターで部屋の空気を混ぜることもあるが、やはり対策としては、窓からの冷気をシャットアウトすることが先決だ(窓を閉めていても手をガラス面にかざすと冷たい空気が風のように来るのがわかる)。これまで試してきた窓からの冷気対策は以下の4つ。

・ダンボール
 不要になったダンボール箱を畳んで窓の内側に立てかける。冷気がダイレクトに足元に流れてくることは防げたが、暗くなるので窓全体を覆うわけにはいかず、部屋全体の気温を保持するほどではない。あと紙なので結露に弱く、ガラスに直接貼るとグズグズになる。

・プチプチ
 梱包でおなじみの、ポリエチレン素材のいわゆるプチプチ。窓全体を覆っても部屋が暗くならないのはメリットだが、ピッタリとガラスに貼るのが難しい。ゆるく貼ってしまうと窓が開かなくなる。

・発泡スチロールの板
 薄い発泡スチロールの板があったので、窓の内側に貼ってみた。窓にピッタリ貼れれば効果は高そうだが、中途半端なサイズではほとんど意味がなかった。

・アルミシート
 サバイバルシートと呼ばれる極薄のアルミシートを窓に貼り付けてみた。体温を反射して暖かく感じるシートだが、窓からの冷気にはほとんど効果はなかった。

 結局、もっとも扱いやすく効果があるのはプチプチだが、窓の開閉ができるようにピッタリと貼るのが難しい。そこで、今さら感はあるが市販の断熱シートを購入することにした。

試した結果、窓ガラス用の断熱シートを購入することに

ダンボール、発泡スチロール、アルミシートといろいろな素材で断熱を試してみたが、結局ガラス全体を覆うことが重要なようだ

 購入したのはニトムズの「窓ガラス断熱シートフォーム」。幅90cm×長さ180cmが2枚入りで1,425円(Amazon.co.jp)。店によっては1,000円以下で売られているようだ。

 一般的な梱包用プチプチとの違いは、両面が平らになっていること。丸い部分だけでなく、その間もシートに挟まれているので空気層の体積が大きく、その分断熱効果が期待できる。小さな子どもがいる家庭でも、プチプチを指で潰されることがないだろう(笑)。

 シートの厚さは4mmと、窓のガラスと枠との間に収まるので、貼ったままでも開閉が可能。さらに、ガラスには霧吹きで水をかけるだけで接着できることもこの商品の売りになっている。

 作業としては、まずは窓ガラスをキレイに拭き、シートをガラスのサイズに合わせてカットする。静電気で窓に貼り付くので、その状態でカッターナイフを使うのが簡単だろう。

 サイズを合わせたら、窓ガラスに水をスプレーし、シートを貼り付ける。水が乾けば完全に密着する仕組みだ。この方法のメリットは、剥がしやすく跡が残りにくいこと。

 ただし、凹凸のあるガラスではその方法は使えない。自室の窓は下半分が模様の入った凹凸ガラスで、その部分は両面テープ(別売り)を使用して貼り付けた。

ベランダなどに通じる高さのある窓では、2本入りのセットがお得
目では見分けが付かないが、シートには表裏がある。巻いている内側、「ガラス表側」のシールがある面がガラス側だ
完成! カーテンを開けても向かいの家から部屋が丸見えにならない。光が入るので昼間は照明の節電にもなる

 作業にかかった時間は、窓拭きも入れて30分ほどだろうか。自分としては満足な出来になった。採光ができつつ、カーテンを開けても外から部屋の中が丸見えにならないのがうれしい。何より、中途半端に素材を貼っていたときに比べて断熱効果がはるかに高まった。エアコンを付けても足元が寒い現象が相当に緩和されたことは確かだ。

 断熱の素材も水着もピッタリでないと意味ないよね、ということで描いたのが上のイラスト。以前の極寒状態に比べれば気分は南国のビーチだ。とはいえ、まだ足りないなと気づいたのはカーテンで、より厚手のものに替えようと思う。断熱の旅は続く……。

小口 覺