炊き分け、スマホ連携、洗米、内釜の更なる進化……この秋、どの炊飯器を選ぶ?


お米のおいしい時期になって、最新炊飯器への注目も高まっている(写真は三菱電機の「本炭釜」シリーズ)

 今年も新米の季節となり、炊飯器売り場が活況を見せている。2006年に炭をくり抜いて作った“本炭釜”を採用した三菱の炊飯器が登場し、10万円という高価格の“高級炊飯器”市場が生まれてから早6年。それから炊飯器の内釜合戦が繰り広げられ、炭釜、銅釜、打込み鉄釜、遠赤ダイヤモンドコーティングの銀釜、土鍋……そして昨年は南部鉄器仕様の羽釜までが登場し、その形状だけでなく、2kgを超えるその重量が注目を集めた。

 さて、今年の“高級炊飯器”はいったいどうなっているのか? すでに3月に先陣を切った三菱電機からは15種類の食味に炊き分けが出来る新機軸の「蒸気レスIH」が打ち出され、メーカー主導の味から消費者の好みに応じてカスタマイズできる点で注目を浴びている。その後、パナソニックからは“スマート家電”の一環としてスマートフォンとの連携でメニュー設定などを簡便化した“未来モデル”のスチームIHジャー炊飯器が発売。炊き方の点でも“おどり炊き”の要素を取り入れ、しっかりと米粒の立った炊き上がりを実現させている。

 先に述べた内釜合戦もまだ継続中だ。昨年の象印マホービンの南部鉄器を採用した羽釜に続き、この夏、東芝からやはり羽釜をモチーフにした“鍛造かまど丸釜”がリリースされ、昨年モデルより単価を2万円アップさせている。この丸釜は上部がすぼまった意表をつく形になっており、大きな熱の対流を起こすことで炊きムラがなく甘みのあるごはんを炊けるのだという。同社の炊飯器は独自の真空技術を売り物にしており、これまで炊飯後も中を真空に保つことで、40時間おいしく保温ができることや、真空による吸水で早炊きでもおいしくうまみのあるごはんが炊けることを訴求してきたが、やはり見た目でわかるアピールポイントが必要だと、炊飯器づくりへの姿勢を変えたようだ。

 さらに高級炊飯器市場の中では最後発ともいわれるタイガーからは、内釜には土を素材とした「本土鍋」を採用し、独自の可変W圧力を加えるという新たな炊飯方式の「THE 炊きたて」が登場。希望小売価格が147,000円という驚きの高価格となっている。本物の土から作った「天然土かまど」を本体に組み込み、約300℃の高温を実現し、よりしっかりとした食感のごはんを炊き上げるとしている。

 そしてシャープが打ち出す「ヘルシオ炊飯器」は、炊飯器の内ぶたに“かいてんユニット”をセットし、最適な状態に洗米して栄養素を逃がさない健康志向が特徴。“かいてんユニット”は炊飯中にも米をかき混ぜる役割をし、ムラのない炊き上げを実現するほか、かき混ぜ機能を生かした調理を提案するなどユニークだ。日立の真空熱風や象印の極め羽釜も、昨年モデルをブラッシュアップして新たな魅力を加えている。

 では、各社のフラグシップモデルの炊飯器の特徴を、もう少し詳しく見てみよう。

真空断熱層でかまど炊きを再現、節電保温も可能な圧力+スチーム式

<日立「IHジャー炊飯器 圧力&スチーム 真空熱封」RZ-W2000K>

 日立の炊飯器は圧力式に加え、107℃の高温スチームを使った炊飯、定期的に発生させるスチームと断熱構造で乾燥を抑えた保温など、他社にはない「圧力+スチーム」が特徴。スチームは圧力弁を閉じて蒸気を閉じ込め、集めた蒸気を水にしてためておく“給水レスオートスチーマー”方式のため、給水タンクに水を入れる手間が要らず、蒸気も出にくい。

日立「IHジャー炊飯器 圧力&スチーム 真空熱封 RZ-W2000K」。カラーは写真のメタリックレッドのほか、パールホワイトがある。実勢価格89,800円前後新モデルでは対流を起こしやすいようにした広底形状の新・打込み鉄釜を採用している新・打込み鉄釜の底面の様子

 昨年モデルから、サーモスとの共同開発された真空断熱層を本体に採用し、魔法びん技術を用いたステンレス二層構造の「真空熱封」の断熱効果により、放熱を抑えて高温を維持。断熱能力の高い「かまど」での炊飯を再現している。「高温浸し 極上炊き」コースでは、その断熱効果で100℃以上の高温を炊き上がりまで約26分維持し、約60℃の高温浸しと合わせて甘みのあるごはんを炊き上げる。

写真左が昨年モデルの内釜、右が新モデル。わずかだが丸みがなくなり底面が広くなっていることがわかるサーモスとの共同開発をした真空断熱容器を外釜に採用し、外部への放熱を少なくすることで高温をキープしている炊き上がりはふっくら。中央部に凹みも見られない

 また、新モデルでは対流しやすい広底構造の「対流大火力打込み鉄釜」を採用し、IHの発熱効率を高め、内釜の中央部を素早く沸騰させて対流を促進させている。

 真空断熱層は保温時にも活躍する。ほとんど電気を使わずにふたの内側や内釜の結露を防ぐヒーターのみ通電して、ごはんの質を保ちながら保温する“節電保温”機能を搭載。6時間までなら約50℃以上を保てるのが魅力だ。

 保温調理やパン、蒸しものなど他のメーカーではあまり高級機には採用していない調理コースも充実しているのも日立の炊飯器の特徴といえるだろう。

4代目「蒸気レスIH」は15の食感を実現、「本炭釜」では季節に合わせて炊き分ける

<三菱電機「蒸気レスIHジャー炊飯器・本炭釜」NJ-XW103J/「本炭釜NJ-VW103」/「炭炊釜VX103」>

 炊飯中に発生する蒸気を水タンクに送って冷却して水に戻し、うま味成分だけを内蔵カートリッジにためて蒸らし時にごはんに還元するという、蒸気口のない構造とスクエアなデザインで話題になった「蒸気レスIH」も、4代目。新モデルでは、“メーカー主導の味”という概念をなくし、どんな種類のお米でも、炊く分量が変わっても、いつも自分が求める大好きな“あの味”を実現させようという新しい発想で開発されている。

三菱電機「蒸気レスIHジャー炊飯器・本炭釜 NJ-XW103J」カラーはピアノブラックとルビーレッド。実勢価格は104,800円前後

 同社の従来モデルでは、圧力をかけない炊飯方式だったため、硬めでしゃっきりとした食味が特徴だった。だが15種類の炊き分けにより、もちもちと粘りがあり、比較的やわらかな食感の“圧力炊飯”の味も再現が可能になり、どんな人の好みにも応じた炊き方ができるようになっている。ただし、「もちもち度」を高めると炊き上がりまでの時間が長めになるところは留意しておきたい。炊飯器として初めて重量センサーを搭載し、米の量に関わらず、常に一定のおいしさを保つ点も他社にはないポイントだ。

本体底部に2か所、重量センサーを搭載しているこれまでの本炭釜での炊き方に加え、5段階の硬さと3段階の粘りの組み合わせによる15の炊き分けが出来るようになっている節電を意識した「エコ炊飯」モードも搭載。炊飯終了と同時に電源が切れる「保温切」の設定もできる

 また、“蒸気レス”機能を搭載しないタイプの「本炭釜」「炭炊釜」の新モデルでは、秋冬の新米の季節、春夏の水分が少なめになった時期…というように季節に応じたお米の状態に合わせて、水の量を調整しなくても、最適に炊き上げる「季節炊き」の機能を加え、よりキメの細かいおいしさに対応している。

蒸気レスタイプでない「本炭釜NJ-VW103」も2012年7月に発売。実勢価格は66,700円前後「本炭釜NJ-VW103」の下位モデルとなる「炭炊釜VX103」。実勢価格は47,800円前後「本炭釜NJ-VW103」、「炭炊釜VX103」ともに、春夏、秋冬と季節に応じた炊きわけができる「季節炊き」メニューを搭載している

 小さな子どもがいて安全性にこだわりたい、キッチンの置き場所の関係で蒸気が出ないほうがうれしいという人なら最上位機種の「蒸気レスIH」を、ごはんの炊けるにおいが好きなら「本炭釜」を…というように選ぶこともできる。いずれも、節電への配慮から保温切のモードも搭載する。

スマホ連携で予約やレシピ検索も楽ラク、大火力おどり炊きでふっくら

<パナソニック「スチームIHジャー炊飯器」SR-SX102>

 パナソニック「スチームIHジャー炊飯器 SR-SX102」では、内釜に「ダイヤモンド竃釜」を採用。手に持った際には、比較的薄く、軽い印象だが、外面コートは断熱効果の高い金粉入り金色塗料を施し、内釜から外に漏れようとする熱を逃がさず、お米にしっかり熱を伝えるという。角型形状にして底面にディンプル加工を施したことで、より多くの泡が釜底全体から発生しやすくなっているのもポイントだ。

パナソニック「スチームIHジャー炊飯器」SR-SX102。※カラーは写真のルージュブラックのほかホワイト。実勢価格は67,700円前後しっかりと米粒の立った炊き上がり。本体の右奥にはスチーム用の水を入れるタンクがある内釜にはダイヤモンドハードコートを内面に施し、外側には金粉入りの塗装で放熱を抑える「ダイヤモンド竃釜」を採用している

 同社ならではの200℃スチームに加え、底コイルと底側面コイルを高出力で高速&交互に通電することで釜底全体から連続して大小の泡を出しながら沸騰させる「大火力おどり炊き」機能を新しく搭載。強力な泡の熱対流でお米の芯までしっかりと熱が伝わり、ごはんが約10%ふっくら大きく膨らむという。

 追い炊き時にスチームを投入してご飯をコーティングすることで冷めてもおいしさを保ち、“スチーム再加熱”機能を使えば、ボタンを押して7分待つだけで、長時間保温したごはんもふっくらと炊きたてのように戻るなど、スチームの魅力が随所に光る。

 スマートフォンとの連携機能も持ち、おサイフケータイFeliCa搭載機種Androidスマートフォンで専用アプリをダウンロードするとレシピ検索や炊飯設定ができ、炊飯器本体にタッチするだけで炊飯設定が可能。お米の種類や炊き方、炊き上がり時間のほか、家族の好みや予定に合わせた「我が家流 炊飯予約」が最大6件登録できる。レシピの材料リストの中から必要な材料を選んでメールで送信できる「お買い物メモ」機能もある。

新モデルの炊き方の特徴は、コイルを高速で交互に通電して対流を起こす「大火力おどり炊き」家族の好みや予定に合わせて、ごはんの炊き方や炊き上がり時間を設定する「我が家流炊飯予約」が6件まで登録るスマートフォン連携機能おサイフケータイ「Felica」を搭載したAndroidスマートフォンを本体にタッチすると、レシピの検索や炊飯設定ができる

栄養素を残す“洗米機能”付き、調理機能も豊富なユニークな1台

<シャープ「ヘルシオ炊飯器」KS-GX10A>

 シャープから10月に発売予定の「ヘルシオ炊飯器」は意表を突く“洗米機能”付きだ。これは手間を省くというよりは洗いムラや洗い過ぎなどによってうまみ成分や栄養素を流出させることを防いぐ健康志向によるもの。シャープのお家芸ともなったネイチャーテクノロジーを採用した「かいてんユニット」を開発し、お米を飛散させずにスムーズにかくはん、内釜にお米が衝突するのを防ぎながら理想的な水流を作りだして洗米するという。手洗いに比べ、ビタミンB1、ナイアシン、マグネシウムなどの残存量が約20%程度アップしていることが実証されているそうだ。

シャープ「ヘルシオ炊飯器」KS-GX10A。カラーはレッド系とホワイト系。2012年10月1日発売予定で、想定売価は89,800円前後洗米時や炊飯・調理時に釜の中を回転する「かいてんユニット」内釜には取っ手がついていて持ちやすい

 この「かいてんユニット」はウイング部が自動で開いたり収納されたりする仕組みで、炊飯時にも回転し、おねばの泡を着ることで高火力を持続するなど“連続沸騰”を実現させるための重要な要素にもなっている。

 また調理中にかき混ぜ機能を働かせて焦げ付きを防いだり、なめらかにかくはんする等の機能を生かし、内釜を使った調理“まぜ技クッキング”を多彩に提案しているのもヘルシオ炊飯器ならではの特徴だ。

かいてんユニットを使うことで具材が均一に混ぜ合わさって炊ける「ヘルシーピラフ」適宜かき回さないと焦げ付きやすい粒あんも炊飯器任せで調理できる内釜を使った大きなプリンも

 全く水に触らずに済むわけではないが、お米を研ぐひと手間が面倒で、ごはんを炊く回数が減ってしまったという人は、こうした洗米機能付きの炊飯器を試してみるのもいいかもしれない。厚さ3mmのハードガラス鉄釜を採用した内釜には、持ちやすい取っ手がついており、洗米後の内釜の水を捨てる際や、炊飯後のお手入れの際にもとても便利だ。

丸釜が実現する羽釜+かまどのおいしさ

<東芝「ダブル真空圧力IH保温釜」RC-10VPF>

 これまで真空圧力による吸水性や、劣化させずに長時間保温を行なう点が目立っていた東芝の炊飯器。新モデルでは内釜の形状を開口部が胴体部よりすぼまった羽釜の形に近づけ、側面に丸みを持たせた「鍛造かまど丸釜」を採用し、一目で違いが分かる内釜のデザインになっている。

東芝「ダブル真空圧力IH保温釜」RC-10VPF。カラーは写真のパールホワイトのほか、グランレッド。実勢価格は99,800円前後新モデルの最大の特徴は内釜に「鍛造かまど丸釜」を採用したことにある釜を側面から見たところ

 羽釜というとかまどに引っ掛けるツバの部分に目が行きがちだが、おいしさに直結する重要なポイントは丸みのある形状にあるという。そこに目をつけての開発になった今回の丸釜は、大きな熱対流を丸い形状に沿って導くことで炊きムラを抑え、強い熱対流と、釜底の「WAVE加工」による噴き上げ対流により、より均一な状態で98℃以上の高温を維持できる。その結果、お米デンプンのα化が促進され、お米本来の甘みが増し、ふっくらとした炊き上がりが可能になったという。

内釜のカットモデル。丸みを帯びた形がよくわかる日本古来の「かまど」も上部が少しすぼまった丸い形をしている

 溶湯鍛造製法ならではの気泡のない緻密な鍛造厚釜は手にずっしりと重みを感じ、厚さ5mmの釜底でしっかり熱を蓄えるというのが納得できる作りだ。

 お米専用の「密封米パックアタッチメント」と「密封パック」を付属しているため、多めに購入した米を真空保存しておいしく保存する機能も東芝ならでは。真空ひたしで短時間で吸水できることを生かした「そくうまコース」も忙しい毎日の炊飯に役立ちそうだ。

高火力300℃の土壁構造のかまどで炊く“土鍋ごはん”

<タイガー魔法瓶「圧力IH炊飯器 THE 炊きたて」JKX-A100>

タイガー魔法瓶「圧力IH炊飯器 THE 炊きたて」JKX-A100。希望小売価格は147,000円

 土鍋の内釜にこだわってきたタイガーが、ついに土のかまどでしかできなかった300℃の高温を実現する「圧力IH炊飯器 THE 炊きたて」を発売した。内釜には土を素材とした「本土鍋」を採用。蓄熱製と火力沸騰を高めるため、3度の焼き工程と「表面6層コーティング」を施している。また、本体には、本物の土から作った「天然土かまど」を組み込んでいる。高温で米をぎゅっと炊き締めることで、よりしっかりとした食感のごはんを炊きあげるのが特徴だ。

 炊飯方式は、従来機と同様、釜内部に2通りの圧力をかける独自の炊飯方法「可変W圧力土鍋炊き」を採用。大小2つの圧力ボールを使うことで釜内の圧力と温度をコントロールするもので、沸騰時には1.25気圧/106℃と1.05気圧/101℃の2つの圧力と温度を使い分ける。これにより、高温加熱を維持し、ごはんの粘りと弾力を引き出すという。

 従来モデルどおり、“ふた付き”の土鍋仕様。好みに応じておこげも作ることができる。蓄熱性もあるので炊き上がりを土鍋釜ごと食卓に運んで、味わいたい。日ごろ、土鍋でごはんを炊いている人にもこの味わいは満足のいくものになっているのではないだろうか。

南部鉄器+二重内ぶたで進化した極め羽釜

<象印マホービン「南部鉄器極め羽釜」NP-ST10>

象印マホービン「南部鉄器極め羽釜」NP-ST10。希望小売価格は136,500円

 2010年に広く浅い独自の形状の内釜を採用した極め羽釜を打ち出し、2011年には内釜に岩手県の伝統工芸品「南部鉄器」を採用して話題をさらった象印の極め羽釜シリーズ。鉄と好相性のIHが生み出す大火力で理想的な食感を生み出すとしている。

 新モデルでは、内ぶたを二重にした「うるおい二重内ぶた」を新たに採用している。保温時は、この二重蓋が必要な水分を逃さず、釜内部のうるおいを保ち、ごはんのおいしさを守る効果があるという。また炊飯時には、おねばを封じ込め、ふきこぼれを抑えるため、羽釜炊きの高火力を維持したまま炊き続けられるという。

 また、圧力センサーがきめ細かく圧力を調節することで、1合15分で炊き上げる「白米特急」メニューも新搭載。“すぐ食べたい。でもおいしいごはんがいい”とわがままな希望に応える機能として注目だ。

内釜には昨年同様、南部鉄器を採用した「極め羽釜」を採用している炊飯時・保温時に活躍する「うるおい二重内ぶた」

自分好みの1台を選ぶために気をつけたいこと

 ここまでひと通り炊飯器をチェックしてきたが、心に響いたのはどの機種だっただろう。三菱の15の炊き分けのほかは、基本的にメーカーが提示する“最上の味”がある。自分の求める“最上の味”との微妙なズレのないものを探すことが実は最も大切なことなのだが、それもなかなか難しい。

 ただ、今回紹介したような高級炊飯器では、昔からある“かまど”で炊いたごはんを再現するためにあらゆる努力がされているので、基本的においしく炊けると思って間違いないだろう。圧力をかけるタイプでは若干もちもち感が高まり、非圧力系のタイプではシャッキリ感が高まる傾向にあるので、その点は念頭に置いておきたい。

 また、最近は省エネ・節電のために保温をしない家庭も増えてきていることに合わせ、「保温切」設定のできる炊飯器も登場している。切り忘れのないように、こうした機能のあるものを選ぶのもありだし、どうしても食事の時間帯が家族間で不規則だという向きには、おいしく保温ができる機種を選ぶことも必要だろう。

 そして案外忘れがちなのがデザインのこと。家電製品は何でもそうだが“使っていない時間”のほうが圧倒的に長いものだ。キッチンに置いてある炊飯器を眺めた時にアクセントになるもの、しっくり馴染むものなど、心地よく感じられるデザインのものを選びたい。また、店頭で実際にさわってみて、操作のしやすいもの、内釜の手触りや取り出しやすさ、お手入れがしやすいかどうかなども確認しよう。





神原サリー
新聞社勤務、フリーランスライターを経て顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして独立。「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」べく、家電分野を中心に執筆やコンサルティングの仕事をしている。企画・開発担当者や技術担当者への取材も積極的に行い、現場の声を聞くことを大切にしながら、マーケティングの観点を踏まえて分析。モノから入り、コトへとつなげる執筆・提案を得意とする。テレビ、ラジオ、新聞等、メディアへの出演も多数。一般社団法人日本睡眠改善協議会認定・睡眠改善インストラクター。


2012年9月27日 00:00