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第5回:エアコンのスペック値「COP/APF」とは



エアコンの消費電力1kW当たりの冷暖房効率をあらわすCOP

「COP」「APF」はいずれもエアコンの省エネ性能を表す数値となる(写真はナショナルのエアコン「Xシリーズ」)
 COPは「冷暖房平均エネルギー消費効率」、APFは「通年エネルギー消費効率」のことです。いずれもエアコンの省エネ性能を表す値として使用され、車で例えれば燃費のようなものに当たりますが、現在はAPFの方がより実際の使用時に近いデータとして扱われることが多くなっています。

 まずはCOPから見ていきましょう。COPは[Coefficient Of Performance]の略で、日本語では「成績係数」と呼ばれます。エアコンに関していえば、電力を1kW使って、どれだけの冷房・暖房効果が得られるかを示す指標として利用されています。COPを求めるには、製品のパンフレットには記されているエアコンのパワーを表す数値「冷房能力」または「暖房能力」を、エアコンの定格消費電力で割るという計算が必要になります。

 例えば、あるメーカーの高級ランクに当たるエアコンでは、冷房能力が4.0kW(14畳向け)で、冷房運転時の消費電力が865Wですが、この場合のCOPは、4,000W ÷ 865Wで、4.6242……四捨五入で4.6となります。一方、同じメーカーで同じ冷房能力を持つ普及価格帯の製品を見てみると、消費電力は1,090Wとなって、4,000W ÷ 1,090W = 3.6697……四捨五入で3.7となります。つまり、COP値が大きいほど冷房・暖房運転時の消費電力が少なくなり、省エネ性能が優れることになります。

 注意点としては、COP値は冷房と暖房で数値が異なるところです。前出の高級エアコンでいえば、冷房/暖房能力は4.0/5.0kW。冷房/暖房時の消費電力は865/890Wといったように、エアコンの冷房能力と暖房能力、冷/暖房時の消費電力は基本的に差があることに由来します。このため、メーカーによっては、冷房時のCOP、暖房時のCOPの平均値を、「冷暖房平均COP」として、ひとまとめで評価することが多いようです。

 もう一つ、重要な注意点があります。COPは一定の温度環境下における効率を示す数値でしかありません。実際にエアコンを利用した場合の冷房・暖房能力や消費電力は、その時点での室温や外気温に大きく左右されるので、常にCOP値と同じ効率が得られるわけではありません。車で例えるなら、カタログに示されている燃費と、渋滞の一般道を走っている場合、山道を走っている場合、高速道路を走っている場合……など、実際の燃費がかけ離れているのと同じようなものです。


日立の最高級シリーズ「RAS-X40X2」のパンフレットに記された性能表。冷房能力が4.0kWで、冷房時の消費電力が865Wがなので、COPは4.6となる 日立の普及価格帯に当たる「RAS-L40W2」。冷房能力は4.0kW、冷房時の消費電力は1,090Wで、COPは3.7。やはり高級機種とは省エネ性に差がある

APFは、実使用時に沿ったエアコンの燃費を示す

 COPの制限に対し、より実使用状態に沿った省エネ性能を示す指標として用意されたのが「APF」です。[Annual Performance Factor]の略で、日本語では「通年エネルギー消費効率」といいます。APFは、2006年9月に改正された「省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)」にて、COPに代わる省エネの基準値として採用されました。

 APFは、日本工業規格(JIS)で定められている「JIS C 9612」という規格に基づいて運転環境を定め、その環境下で1年間エアコンを運転した場合の運転効率を示します。その運転環境とは、東京地区における木造住宅の南向きの洋室で、冷房では6月2日から9月21日、暖房では10月28日から4月14日の期間中、6時から24時の18時間に、外気温度が24℃以上の時に冷房、16℃以下の時に暖房を使用するというものです(※)。各社メーカーでは、この条件下でエアコンを使用した場合、1年間でどれだけ電力を消費したかを「期間消費電力量」として算出。エアコンが1年間で使用するエネルギーをこの期間消費電力量で割って、APF値が導き出されることになります(※)。

 前項で挙げた高級/普及価格帯のエアコンでいえば、前者のAPFが6.2、後者は4.4となります。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なく、省エネ性能が優れている点はCOPと同じですが、こちらの方がより実際の使用に即した数値と言えるでしょう。省エネ性能に優れるエアコンを購入しようと思っているなら、カタログ・店頭などでAPF値をチェックして、APF値の大きな製品を選べばいいでしょう。

 現在はほとんどのエアコンでAPFが採用されており、COPはあまり見かけなくなりました。しかし、冷房能力が5.0kW(16畳)以上の広い部屋向けの製品については、省エネ法の改正前の基準を採用しているため、カタログではAPFではなくCOPがメインに書かれているケースが、各社とも多いようです(2008年6月現在)。この場合のAPFは、カタログの仕様一覧のページに記されているケースが多いようです。今後は5.0kW以上の機種でもAPF表記に統一されていくでしょうが、APFとCOPを混同しないように注意しましょう。

【追記】2009年5月、省エネ法の基準が見直され、冷房能力が5.0kw以上の機種についても評価基準がAPFに統一されました。(編集部)

※参考資料:社団法人日本冷凍空調工業会 http://www.jraia.or.jp/product/home_aircon/apf.html


APFは、COPよりも実使用状態に沿った省エネ性能を示す値となる(写真は富士通ゼネラル「ノクリア」の製品発表会のパネル) 冷房能力が5.0kW(16畳以上)の機種については、2008年6月現在、省エネ法改正以前の基準が採用されているため、APFが表だって記されていない場合がある 製品カタログの後ろのページには、APFが一覧で表示されているケースが多い。手にとって確かめてみると良いだろう



【COP/APF】の、ここだけは押さえたいポイント

・COP値、APF値とも、数値が大きければ大きいほど省エネ性能が優れることになる
・COP値は、冷房/暖房能力を消費電力で単純に割ったもので、実際の運転効率とはかけ離れている可能性が高い
・APF値は、より実使用に即した運転効率を示す値で、COPよりも実際の使用時の効率に近い省エネ性能を表す

2009年5月14日 更新





URL
  エアコン 関連記事リンク集
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2008/06/11 00:02
平澤 寿康
1968年、香川県生まれ。1990年代前半にバイト感覚で始めたDOS/V雑誌のレビュー記事執筆を機にフリーのライターとなる。雑誌やWeb媒体を中心に、主にPC関連ハードのレビューや使いこなし、ゲーム関係の取材記事などを執筆。基本的にハード好きなので、家電もハード面から攻めているが、取材のたびに新しい製品が欲しくなるのが悩ましいところ。

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