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第4回:フィルター自動掃除機能とは



手が届きにくいフィルターを自動で掃除し、省エネ効果をアップ

 フィルター自動掃除機能とは、エアコンにおいてフィルターに付着したゴミやホコリを自動で取り除く機能のことです。

 エアコンのフィルターを掃除しないでおくと、溜まったゴミで空気の流れが妨げられるため、冷房や暖房の効率が落ち、エアコン本来の能力をフルに発揮できなくなってしまいます。財団法人省エネルギーセンターでは、フィルターをひと月に2回掃除するだけで、年間の消費電力が31.95kWh、電気代にして約700円減るという試算を公表しています(2.2kWのエアコンにおいて、フィルターが目詰まりしている場合とフィルターを掃除した場合との比較。出典:家庭の省エネ大辞典 2008年版)。この数字からも、フィルターの掃除には相当なエネルギー効率の向上・省エネ効果があることがわかります。

 しかし、ほとんどのエアコンは室内の高い場所に取り付けられており、踏み台などを利用しなければ手が届かないため、そう簡単には掃除できません。そのため実際には、数カ月に1度程度しかフィルターの掃除をしないという人も多いようです。そこで近年、フィルターの自動掃除機能に注目が集まっています。

 家庭用のエアコンでフィルターの自動掃除機能を初めて搭載したのは、2003年3月に発売された富士通ゼネラル「nocria(ノクリア)」。それ以降、各社がこぞってフィルター自動掃除機能を搭載するようになり、現在では主要エアコンメーカーの多くが採用しています。


ナショナルのエアコン「CS-X」シリーズのフィルター自動掃除機能。青く光る箇所がフィルター掃除を行なうユニット「お掃除ロボット」 2003年3月に発売された富士通ゼネラルの「nocria(ノクリア)」初代モデルが、フィルターの自動掃除機能を初めて搭載したエアコンとなる

ダイキン工業「うるるとさらら RXシリーズ」にて、フィルター自動掃除機能が動作しているようす

掃除後のホコリをを溜める、野外に放出するなど、メーカーによって仕様に差も

 今や高級機のエアコンでは当たり前となったフィルター自動掃除機能ですが、細かく見ていくと重視しているポイントがメーカーごとに違うのがわかります。

 たとえば、ナショナルではゴミを取り除くことそのものを重視しています。ブラシを使ってはぎ取ったホコリを掃除機のようなメカで吸い取る機構が用意されています。この方法はゴミを取る能力、という意味では有利ですが、一方で大型のブラシを採用できず、ブラシがフィルターの上を何往復もする必要があります。そのため、動作音がしたり、掃除にかかる時間そのものが長い、という面もあります。

 ナショナル以外のメーカーでは、掃除機のようなメカを搭載しない代わりに、大型のブラシを採用しているため、動作音はさほど大きくありません。自走掃除機能の運転音か、ホコリの除去能力を取るかで、選択は自ずと変わってきます。

 もう1つ、メーカーによって異なるポイントは、溜まったホコリの処理方法です。

 ダイキン、日立、三菱、富士通ゼネラルなどは、溜まったホコリをダストボックスと呼ばれる箱に集めます。何年かに1度と、決して頻繁ではありませんが、ゴミ捨てが必要になり、完全なメンテナンスフリーというわけではありません。

 それに対し、ナショナル、東芝、シャープは、取り除いたホコリを室外に放出するので、定期的なゴミ捨ては不要です。メンテナンスの手間を最大限省きたいならば、こちらの方式が有利と言えるでしょう。

 ちなみに、ホコリを野外に直接放出するという点が気になるという人もいるでしょうが、電源を入れるごとに掃除をするため、実際に放出されるホコリの量は耳かき約1杯程度(約6mg)とごく微量で、ベランダなどを汚す心配はありません。ただ「気分的にイヤ」というのであれば、ダストボックス方式を採用するのも良いかもしれません。

 最近では「10年お手入れ不要」というように、フィルター自動掃除機能を搭載することで長期間フィルターの手入れを行わなくていいということをウリにする製品も登場してきています。ただ、これは各メーカーともに指摘していますが、油を含んだホコリには弱いという面があります。そのため、キッチンやダイニングルームに設置したエアコンでは、フィルター自動掃除機能が搭載されているとしても、フィルターを取り出して水洗いするなどのメンテナンスが必要となるでしょう。


ナショナルの自動掃除機能のイメージイラスト。ヘッドが埃をこすり取り、それをダクトで吸引する仕組みとなっている ダイキン工業では、フィルターのホコリをダストボックスに溜める。ゴミ捨ては2年に1度



【フィルター自動掃除機能】の、ここだけは押さえたいポイント

・フィルター掃除の手間が省けるとともに、エアコンの能力を最大限発揮できる
・はぎ取ったホコリは野外に放出するものとダストカップに溜めるタイプがある
・油を含んだホコリには弱いため、完全に長期間メンテナンスフリーになるわけではない

2008年6月4日 初版





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2008/06/04 00:03
平澤 寿康
1968年、香川県生まれ。1990年代前半にバイト感覚で始めたDOS/V雑誌のレビュー記事執筆を機にフリーのライターとなる。雑誌やWeb媒体を中心に、主にPC関連ハードのレビューや使いこなし、ゲーム関係の取材記事などを執筆。基本的にハード好きなので、家電もハード面から攻めているが、取材のたびに新しい製品が欲しくなるのが悩ましいところ。

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