関西電力、電気料金の値上げを検討と告知

~値上げ幅などは未定

 関西電力は29日、電気料金改定の検討を開始したと発表した。

 リリースでは、「当社はこれまで、徹底した経営効率化と内部留保の取り崩しにより、こうしたコスト増を可能な限り吸収してきましたが、大飯発電所3、4号機に続く原子力プラントの再稼動ができない状況が今後とも継続すると、財務体質が大幅に悪化し、当社グループの最大の使命である電力の安全・安定供給に支障をきたしかねません。そのため、この度、苦渋の選択として、電気料金の値上げについて、具体的な検討を開始しました。」としている。

 電気料金は、企業等大口契約者を対象とした自由化部門と、一般家庭を対象とした規制部門がある。自由化部門については、電力会社と契約者の契約によって値上げできるが、規制部門については、値上げの際に経産省の認可が必要となる。

 先行して電気料金を値上げした東京電力の場合、規制部門については7月1日から平均10.28%の値上げを申請したが、値下げ幅について努力の余地があると指摘され、最終的には9月1日から平均8.46%の値上げに圧縮された経緯がある。

 また、自由化部門についても、値上げ契約の際に優越的地位を乱用した恐れがあるとして、公正取引委員会から注意を受けた。

 関西電力の場合、現時点では、値上げの対象となる部門や、値上げの時期と値上げ幅について、明らかにされていない。しかし、規制部門については、東京電力同様に内容の検討や認可に時間がかかる可能性がある。






(伊達 浩二)

2012年10月29日 15:52