東北電力、太陽光発電事業の新会社「東北ソーラーパワー」を設立
東北電力とユアテックは、大規模な太陽光発電事業を専門的に行なう新会社「東北ソーラーパワー株式会社」を9月に設立すると発表した。新会社の事業内容は、太陽光発電による電気の卸供給事業、および同事業を実施する会社の設立と運営など。
東北電力では新会社設立の理由として、東日本大震災以降、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーを復興のシンボルとして導入する動きが多く、特に再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の導入により、東北電力に対し自治体などからの協力要請が多く寄せられていることを指摘。新会社によって、大規模太陽光発電の導入に対するニーズに迅速に応えることで、地域の復興支援や地域振興と、さらなる太陽光発電の導入拡大に貢献していくとしている。
東北電力はこれまでに、2020年までに太陽光発電10,000kWの自社開発を目標に、青森県八戸市、宮城県七ヶ浜町にて、太陽光発電所の運転を開始。福島県南相馬市にも、太陽光発電所の建設を予定している。今後は新会社において、グループ全体で太陽光発電10,000kW以上の導入を目指すとしている。
なお、新会社で得られた利益の一部は、発電所が建設された地域に還元し、立地自治体が行なう環境や省エネ施策を支援するという。
太陽光発電事業を行なう地域の選定については、被災程度の大きい岩手県/宮城県/福島県の沿岸部が中心となる予定。他の地域についても、新会社によって詳細を検討していくという。
新会社の本社は仙台市青葉区に置かれる。資本金は5億円の予定。社員数は6名程度。出資比率は東北電力が70%、ユアテックが30%。ユアテックは、配電設備などの工事を業務とする東北電力の子会社で、太陽光発電システムの導入実績もある。
東北ソーラーパワーの概念図。太陽光発電を実施する事業会社(発電所)を設立、運営するのが主な事業内容となる |
(正藤 慶一)
2012年7月27日 17:33