日立、縦型洗濯機「ビートウォッシュ」全機種に自動おそうじ機能を搭載

~S字ビートウィングで洗浄力も強化
ビートウォッシュ 2012年モデル

 日立は、洗濯槽や排水ホースに汚れが付きにくい「ビートウォッシュ BW-D9PV」を6月9日より発売する。価格はオープンプライス。市場想定価格は21万円前後。

 洗濯容量9kg、乾燥容量6kgの縦型洗濯乾燥機。自動で洗濯槽の裏側まで掃除する「自動おそうじ」機能を搭載するほか、汚れの付きにくいステンレス素材を洗濯槽に採用する高級モデル。新製品では、排水ホースや内部の配管汚れまで配慮している。


BW-D9PVのカラーはシャンパンとパールホワイトを用意する操作パネルフタを開けた様子

 自動おそうじ機能では、脱水時に洗濯槽を高速回転させながら、28カ所の穴から噴出するシャワー状の水と、洗濯物から吹き飛んだ水によって、ステンレス槽の外側と内側に付着した皮脂汚れや洗剤かすを洗い流す。また、脱水開始時にすすぎ水を抜く際、ステンレス槽と羽根を回転させ、槽内の水を強くかき回すことで、ステンレス槽や外槽の底面、羽根の裏側の汚れも落とす。これにより、洗濯槽を除菌し、黒カビを抑える効果があるという。

 なお、1回の洗浄にかかる水道代は約1.4円で、年間では約500円ほどになる。

ステンレス素材の洗濯槽。脱水時にきれいな水を撒いて汚れを落とす。右側の内フタのある洗濯乾燥機と、左側の内フタのない洗濯機では、水を溜める構造が異なっているが、機能自体は同じというステンレス槽周りは汚れが付きやすい昨年度から投入した「自動おそうじ」機能はユーザーの満足度も高かったという
底面の汚れが目立つステンレス槽ステンレス槽(内槽)の汚れステンレス槽の外槽の汚れ

 新製品ではさらに、排水ホースの内側の凹凸をなくし、排水や汚れを溜まりにくくした「内面フラットホース」を採用。素材には抗菌樹脂を練りこんでおり、いやな臭いの発生を抑えるという。

 また、内部配管も自動で洗浄する。本体下部に位置する「節水循環ポンプ」では、少量の水で洗濯できるよう、水を循環させているが、このポンプから配管に水を流すことで、内部配管の内側の汚れが洗えるという。

従来のホースでは、蛇腹状の隙間に排水や汚れが溜まりやすかったが、新採用の内面フラットホースでは、水や汚れが溜まりにくく、ニオイの発生を抑えるというフラットホースは抗菌剤入りで、衛生面に配慮している本体底面隅に配置されている節水循環ポンプ

 洗濯機能では、従来通り、水を溜めずに洗濯液を上からシャワーのように振りかけ、節水しながら洗える「エコビート洗浄」機能を搭載。さらに洗濯羽根には、洗濯羽根の突起部の形状をS字に改良した「S字ビートウィング」を採用し、衣類を上下左右に動かし、洗いムラを抑えながら洗濯する。このエコビート洗浄とS字ビートウィングの組み合わせにより、洗浄力は従来のビートウィングに比べて約2%向上し、洗いムラは約10%低減したという。

右側が新しいS字ビートウィング新たに採用したS字ビートウィングで、衣類の洗いムラを抑える


S字ビートウィングでは、衣類を回転させながら、ムラなく洗う

 

 省エネ面では、「eco 水センサー」を引き続き採用している。eco 水センサー機能では、6つのセンサーで水硬度、布質、布量、水温、すすぎ具合、脱水具合を検知。洗剤量表示や使用水量、洗濯時間を調整して、節水、節電しながら洗濯する。

外槽下部に配置される電動度センサー。脱水具合を検知して、すすぎ時間や脱水時間を調節する6つのセンサーで節水、節電しながら洗う「eco 水センサー」を引き続き採用

 使い勝手の面では、糸くずなどを洗濯時に捕集する「ケース状糸くずフィルター」を新たに採用。従来の袋状のフィルターよりも、集めた糸くずを捨てやすくなったという。

従来の袋状の糸くずフィルターと、新製品のケース状の糸くずフィルター糸くずフィルターを開いた状態ケース状糸くずフィルターでは集めた糸くずが簡単に外して捨てられるという

 BW-D9PVの本体サイズは650×645×1,040mm(幅×奥行き×高さ)、本体重量は約64kg。洗濯から乾燥までの消費電力量は約1、890Wh、標準使用水量は88L。

 このほか下位機種として、洗濯容量8kg、乾燥容量4.5kgの洗濯乾燥機「BW-D8PV」も発売する。価格はオープンプライス。市場想定価格は17万円前後。

 BW-D8PVでは、自動おそうじ機能や内面フラットホース、S字ビートウィングは搭載しているが、ケース状糸くずフィルターは省略されている。

 また、自動おそうじ機能を搭載した全自動洗濯機3機種もラインナップする。価格はオープンプライス。市場想定価格は、洗濯脱水容量9kgの「BW-9PV」が12万円前後、同8kgの「BW-8PV」が11万円前後、同7kgの「BW-7PV」が10万円前後。

日立アプライアンス 金子友通 常務取締役 家電事業部長

 日立アプライアンスの金子友通 常務取締役 家電事業部長は、「昨年モデルから採用して好評だった『自動おそうじ』機能は、今年は全機種に搭載した。これからも省エネだけでなく、実感できる価値も提供していきたい」と語った。


ビートウォッシュシリーズの洗濯乾燥機は、2012年3月に累計出荷台数100万台を突破省エネに加えて、実感できる価値を提供することに重点を置いて開発に取り組んでいるという
洗濯乾燥機の需要動向は、全体の3割程度で推移しているが、金額構成比では全体の50%を越している状態が続くドラム式と縦型の比率は半々。縦型の乾燥機能付きタイプが伸びているという





(小林 樹)

2012年5月24日 17:26