2011年の原子力発電は前年比37.1%に減少。火力は25.8%増加

 電気事業の業界団体である電気事業連合会は、2011年度の発受電電力量の速報を発表した。電力会社10社合計の発電量は、9,372.0億kWhで、対前年比で94.9%に留まった。連合会では、東日本大震災および節電活動の影響としている。

 福島第一原発の事故の影響による、各地の原子力発電所の停止により、原子力発電による発電量が前年の2,712.7億kWhから1,007億kWhに下がった。対前年比でも37.1%と極端に低い。また、日本原子力発電(日本原電)を除く、原子力発電所の設備利用率(稼働率)でも、前年の67.0%から大きく低下し、24.7%に留まっている。

 一方、それを補うために、火力発電が前年の4,854.0億kWhから6,106.9億kWhへ増加した。対前年比は125.8%に上っている。

 水力発電は628.0億kWh(対前年比99.9%)で、ほぼ前年度並みとなっている。出水率は前年より高かったものの、貯水池式の発電量が少なかったためとしている。全体的に発電量の余裕がなく、貯水池への水の汲み上げができなかったことが影響したと思われる。



(伊達 浩二)

2012年4月16日 16:46