エレクトロラックス、“日本仕様”の紙パック式掃除機「ergothree」

「ergothree」クリアブルー

 エレクトロラックス・ジャパンは、日本市場向けに開発された紙パック式掃除機「ergothree(エルゴスリー)」を2月14日より発売する。希望小売価格は78,800円。

 スウェーデンの家電メーカー、エレクトロラックスが、日本市場に特化して開発した紙パック式掃除機。製品の開発に当たっては、日本ユーザーのニーズを徹底的にリサーチ、さらにグループインタビューなども頻繁に開催し、ユーザーの求めているニーズを追求したという。様々なリサーチの結果、同社では日本向けの製品コンセプトとして「高いクリーニング性」「清潔性能」「使い心地性能」の3つを掲げ、それらの3つを満たした製品として製品名を「ergothree」とした。

ソーラーオレンジ本体側面本体背面
取っ手を持ち上げたところ本体背面ホースと接続したところ
本体内部を流れる風路を見直した

 まず、高いクリーニング性については、掃除機内部の風路設計を徹底的に見直した。空気の流れを効率よくすることで、運転中は毎分1,920Lの空気が本体を流れ、ゴミを効率良く吸込み、本体内のフィルターまで届けるという。また、強力な吸引機構を活かして、前からだけでなく、サイドからもゴミを吸い取るヘッド構造とした。これによりコーナーや壁際のゴミも残さず吸い取ることができるという。

 同社が行なったゴミの除去率を計測するダストピックアップ率はフローリングなどの硬い床で約99%、カーペットの場合約77%だという。

ヘッドのパワーブラシ部分ブラシ横にスリットを設けたヘッドの前側だけでなく横のゴミも吸い取る

 清潔性能については、5層構造で細かいゴミも残さず集じんする独自の紙パック「e-bag」と、清浄性能の高い「HEPA12フィルター」を採用。e-bagは、ゴミ捨ての際に負担を減らすために容量を1.6Lにし、交換頻度を3カ月に1回にしたほか、ゴミ捨ての際にゴミに接触しなくてもいいように、密閉式のシャッターを搭載する。また、風路設計の見直しにより、パイプやホースのすき間から起こる排気漏れを削減している。

本体内部。手前にあるのが同社独自の紙パック「e-bag」、e-bagの奥にHEPA12フィルターが配置されている紙パックを交換するときはe-bagの上部にある取っ手を引っ張るe-bagのゴミ吸込み口にシャッターが下ろされる。これにより、交換時にゴミが飛び散ることがなくなるという
本体カットモデル。モーターが宙づりに配置されている

 使い心地に関しては、風路設計とモーターの配置位置を改良することで、運転音を従来より小さくした。掃除機のモーターは通常横向きに配置されているものが多いが、ergothreeでは上向きで宙づり状態で配置。これにより、モーターの振動が本体に伝わりにくくなるほか、風路を長く取ることができ、排気音を抑えることができるという。

 運転モードは1~3の3段階で調節可能。ergothreeでは、さらに床材の種類に合わせて運転を自動で制御する「AUTO」モードを新たに搭載した。カーペットやフローリングなど掃除している場所に合わせて自動で調節するため、消費電力を抑えられるという。

選択した運転モードは本体上部に表示されるAUTOモード選択時は「A」という字が表示される

 本体デザインも日本向けにした。本体サイズは日本の住宅事情を考慮して、同社のキャニスター型掃除機としてはこれまでで最も小さい257×374×233mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は4.6kg。ハンドル部分のサイズも、手が小さい日本女性でも扱いやすいサイズにしたという。

 また、操作パネルをハンドル部に設けたのもergothreeが初めてとなる。エレクトロラックスのキャニスター型掃除機では、これまで本体操作を本体上部の大型スイッチで行なっていた。これは、欧米などでは一般的な設計で、掃除機の操作を足でする人が多いためだという。日本では、そのような習慣がないため、ergothreeではハンドル部分に操作パネルを設けたという。

操作パネルをハンドル部分に設けたハンドル部分の大きさを日本女性の手にもフィットするサイズとした

 本体カラーはクリアブルーと、ソーラーオレンジ。消費電力などの細かい仕様は現時点では未定。

 下位機種として、AUTOモードを省略した「ergothree power」と、AUTOモードとパワーブラシ機能を省略した「ergothree multifloor」を同時発売する。希望小売価格はergothree powerが73,800円、ergothree multifloorが68,800円。

「ergothree power」本体カラーはアストラルホワイト「ergothree multifloor」本体カラーはダイヤモンドサンド
エレクトロラックス本社 小物家電事業 事業部長 Henrik Bergstrom氏

 発表会には、エレクトロラックス本社 小物家電事業 事業部長 Henrik Bergstrom氏も登場。ergothreeについて「製品に対して要求の高い日本市場でこのような製品を紹介できることを誇りに思う」と述べ、「製品開発に当たっては徹底的なテストを繰り返した」ことを明かした。

 エレクトロラックスは世界150カ国以上の国で、製品を販売しているため、製品開発の際は、他の国の担当者の意見を聞くことが多いが、ergothreeに関しては、日本独自で製品の開発を進めて、発売に踏み切ったという。「日本の市場はそれほど、特異性があり、家電メーカーとしては大切にしていきたい市場」(製品担当者)だという。

 なお、ergothreeは現時点では日本限定モデルとなる。





(阿部 夏子)

2011年10月6日 13:02